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11月21日(土)、滋賀県の布引グリーンスタジアムで関西大学ラグビーAリーグ第3節の試合が行われた。既に2敗して大学選手権出場を逃している立命館大学は、同じく2敗した関西大学と対戦。立命館としては自分たちのラグビーをし、何としても勝利を得たいところだった。
試合は、いきなり序盤から点が動いた。自陣深くからBK(バックス)のプレーヤーが中心となってボールを展開し、WTB(ウィング)の間瀬陽紀(スポ2・深谷)がキックを用いてビックゲイン。
その後、FW(フォワード)で何本か縦を突き、最後は、先発復帰したSO(スタンドオフ)江良楓(済3・大阪桐蔭)がキックパス。そのパスをWTB藤井健太郎(済3・伏見工業)がキャッチしトライ。立命館が公式戦で初めて、幸先よく先制する。
度重なるピンチも防ぎきった。写真右はFL野村雅大(済4・大阪桐蔭)
このまま勢いに乗りたいところだったが、ペナルティやハンドリングエラーなどによって、なかなか追加点を挙げられなかった。相手に自陣深くまで攻められる機会を作られたが、ギリギリのところで失点を防いだ。
すると前半17分、相手陣地でペナルティを獲得。FWのアタックで攻撃のテンポを作り、最後はCTB(センター)の木田晴斗(情理3・関西大倉)がディフェンスラインの間を突き、トライ。自分自身でキックも成功させ、点差を広げる。
その後、スコアは動かないままロスタイムに突入。立命館は、関大に自陣深くまで攻め込まれるも、粘りのディフェンスでペナルティを獲得。すると、江良がクイックスタートで、木田へパス。ボールを受けた木田は、相手ディフェンスを次々とかわし、90mを走り切りトライ。ゴールも成功させ、前半を19-0で折り返す。
点差を広げたい立命館は後半開始早々、ここ2戦でトライを取っている好調の宮下大輝(営3・報徳学園)を投入。しかし、後半の立ち上がりは、攻撃の形はできていたもののなかなか点には結びつかなかった。
そんな状況でも集中を切らさなかった立命館は、後半20分、敵陣内でペナルティを獲得し、ラインアウトからモールを形成。しっかりとインゴールまで押し切り、この試合が公式戦初先発のHO(フッカー)中川魁(済2・大阪桐蔭)がトライ。BK陣の躍動が目立っていたが、ここでFW陣が一丸となり強さを見せつけた。
ラグビー 関西大学リーグ2020
【ハイライト】立命館大学 vs. 関西大学
勢いづいた立命館は後半30分、敵陣22m付近でマイボールスクラムを獲得。スクラムからボールを出すと、FW、BKが一体となった攻撃を披露し、最後はCTB山口魁生(営4・清水谷)が相手のタックルを振り切りトライ。交代で入っていたSO森駿太(食マネ1・東福岡)がキックを成功させスコアを31-0とした。
なおも攻撃の手を緩めない立命館は後半37分、5mスクラムから宮下がサイドアタックを仕掛け、ゴールライン手前までゲインすると、主将のNO8(ナンバーエイト)庄司拓馬(済4・東海大仰星)がラックの近場を突いてトライ。立命館の主将らしい力強いアタックで会場を沸かせた。森もしっかりとゴールを決め、最終的に38-0でノーサイド。
POMに輝いたCTB木田晴斗
ディフェンス面でもアタック面でも終始、立命館らしいラグビーをして見事完封勝利。試合のPOM(プレイヤー・オブ・ザ・マッチ)には、攻撃と守備の両方で存在感を発揮した木田晴斗が選出。試合後のインタビューで、90m走り抜いた場面について同選手は「自陣ゴール前だったが、前にスペースがあったため、無我夢中で走り抜いた」と振り返った。
また、中林正一監督は、「2連敗してから自分たちがやってきたことをもう一度振り返り、4回生たちが中心となって気持ちを切り替えてくれた。前後半を通して立命館のペースでゲームができた」と試合を総括した。
庄司主将は、「次の試合が立命館生として最後の試合になるため、今日の試合のようにスローガンである『HUNGRY ARROW』を体現して、勝利して終わりたい」と次戦へ意気込んだ。残りの一戦は4回生にとって最後の試合となる。悔いの残らないよう全力で試合をし、笑顔で終わりたい。
文:太田秀平/写真:福清真人(立命スポーツ編集局)
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