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ラグビー コラム 2020年11月16日

3冠王者・桐蔭学園が花園へ。健闘の東海大相模は関東ブロック予選で花園を狙う。ラグビー全国高校大会神奈川県決勝

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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11月15日(日)、神奈川・ニッパツ三ツ沢競技場で100回目の記念大会を迎える「花園」こと、ラグビー全国高校大会の神奈川予選決勝が行われた。花園を含めて、昨年度は高校「3冠」を達成した王者・桐蔭学園に、1月の「裏花園」とも呼ばれる「サニックスワールドユース2020」の予選会で優勝した東海大相模が挑んだ。

なお、両者は昨年度も同じ舞台で対戦し桐蔭学園が38-14で勝利しており、2月の新人戦決勝でも桐蔭学園が14-0で勝利。過去の県内の決勝戦での対戦成績は桐蔭学園が5勝1敗とリードしていた。しかし、年々、東海大相模の実力も上がっているため、どこまで桐蔭学園に迫れるか注目が集まっていた。

今年の神奈川県予選は、新型コロナウィルス感染拡大の影響のため、この決勝戦も含めて、全ての試合が無観客で行われた。

花園で連覇を狙う桐蔭学園

秋晴れの中、午後1:00に試合はキックオフされた。今年はBK(バックス)に能力の高い選手が多く「展開ラグビー」を標榜する東海大相模が積極的に攻め込む。しかし、桐蔭学園もディフェンスで集中力を見せて突破を許さない。

前半4分、桐蔭学園は相手のボールをターンオーバーし、大きく右に展開。アドバンテージが出ている中、キャプテンのNO8(ナンバーエイト)佐藤健次が縦にゲインし、1年生WTB(ウィング)矢崎由高が右端に先制トライ。SO(スタンドオフ)今野椋平(2年)がゴールを決めて7-0と先制した。

2トライを挙げた桐蔭学園のLO青木

さらに12分、東海大相模がキックでダイレクトタッチのミスをし、桐蔭学園が自陣22mのラインアウトのチャンスを得る。そこからからFW(フォワード)にこだわり、最後は昨年度の花園でも大活躍したLO(ロック)青木恵斗(3年)がラックサイドにねじ込んで、12-0とリードを広げた。

だが、東海大相模もすぐに反撃する。14分、直後のキックオフのボールで、相手がキャッチした直後にWTBボンド洋平(3年)がボールを奪取する。右にテンポ良く展開して、最後はFB(フルバック)黒川寛太(3年)が個人技を見せてグラウンディング。SO柏原慶太(2年)がゴールを沈めて、7-12。25分にもアタックで相手の反則を誘い、SO柏原がPG(ペナルティゴール)を決めて10-12と追い上げを見せる。

前半29分、ゴール前20m付近、相手の反則から桐蔭学園はPGやタッチを狙わず、スクラムを選択し、平均体重100kgのFWがボールを継続する。しかし、東海大相模の粘り強く守り切り、そのまま12-10と桐蔭学園が2点リードのまま前半を折り返した。

後半、桐蔭学園はキャプテンNO8佐藤、LO青木、PR(プロップ)田中諒汰(3年)ら、大型FWを中心にボールを保持して攻め続けるが、やはり、東海大相模のディフェンスの前にゴールラインを超えることができない時間帯が続く。

ようやく試合が動いたのは後半20分のことだった。ゴール前の相手の反則からLO青木がクイックタップしてゲインし、ラックができた後、再びLO青木が強引に前に出てインゴールに押さえて2本目のトライ。SO今野が正面からゴールを決めて19-10とリードを広げた。

その後、東海大相模はキャプテンCTB(センター)吉田輝雅(3年)、WTB樋川蔵人(2年)らBKを中心に相手陣に攻め込む。そしてロスタイム、SO柏原がディフェンスラインの裏にキックし、そのボールをキャッチした柏原がトライ、さらに自身でゴールを決めたが直後にノーサイドの笛が響いた。

東海大相模が最後まで攻守にわたって攻撃的な姿勢を見せ続けたが、終始、リードし続けた桐蔭学園が19-17で勝利、神奈川県決勝で6連覇を達成し、19回目の花園を決めた。

選手、監督で花園優勝を経験している桐蔭学園の藤原監督

桐蔭学園の藤原秀之監督は「相手のディフェンスが良かった。試合前から苦労することはある程度、想定されたことでした。本当にどちらが勝ってもおかしくないゲームだった」と東海大相模の守備を称えた。

やはり、4ヶ月の自粛期間で全体練習はできず、春の選抜大会、サニックスワールドユース、関東大会、7人制ラグビーのアシックスカップなどの大会が中止となり、どうしても例年のチームと比べると試合経験の不足は否めない。

そのため藤原監督は花園に向けて、「課題はハーフ団のゲームコントロール。メンバーの交替も視野にいれなければいけない」と話した。

桐蔭学園のNO8佐藤主将

自身、3年連続の花園出場を決めたキャプテンのNO8佐藤は「まずは神奈川県大会で優勝できてホッとしていますが、内容的にはあまり良くなかった。花園まで1ヶ月間ある。個人の力だけで勝てる大会ではないので、もう1回チームでベクトル合わせて、チームで1つのことを貫きたい」と意気込んだ。

桐蔭学園が、全国の強豪相手を相手にしているかのようなタフなゲームを、しっかりと勝ちきった。この経験はきっと連覇のかかった花園に向けて、大きな糧になることは間違いない。

東海大相模は神奈川2位で関東ブロック予選に挑む

そして、素晴らしいディフェンスを見せた東海大相模のチャレンジはまだ終わらない。神奈川県2位で「オータムチャレンジトーナメント」こと、関東ブロック予選に進出する。埼玉県を除いた2位チームとのトーナメント戦で優勝できれば花園に出場可能だ。

なお、関東ブロック予選で神奈川代表の東海大相模は、1回戦はシードされており、2回戦は来週、そして決勝戦が11月28日(土)に行われる。

文/写真:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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