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第5週に入った関東大学対抗戦A。
序盤は拮抗した。前半20分過ぎまで7-7だったのだ。
この日タックルやリップガット(相手キャリアーからボールをもぎ取るプレー)など守備で活躍した立教大のゲームキャプテン、HO相良隆太(桐蔭学園、4年)が語った。
「前半20分間は立教(大学)がやっていこうと話していた素早いディフェンス、また帝京大学さんのミスもあり、テンポを掴みながらトライを取れたことは収穫でした」
立教大は序盤、スクラムでは苦しんだが、ラインアウトモールで前進するなど会場を沸かせていた。
立教大はSO岡本力哉(中部大春日丘、4年)やFL金子裕二朗(桐蔭学園、4年)がジャッカルで堅守を見せると、前半13分には、キックカウンターからSH桑原礼紀(桐蔭学園、3年)が抜け出してチームをゴール前へ。
ここで帝京大はNO8奥井章仁(大阪桐蔭、1年)のアンクルタップにより一度はトライを防いだが、その後のラックサイドのFW戦で、立教大のPR古川瑛也(専大松戸、4年)が低い姿勢からのひと伸びでグラウンディング。
FB小林将也(國學院栃木、4年)のゴールキックも決まり、立教大が7点を先制した。
帝京大(11/1)
しかし火の付いた帝京大はすぐさま反撃。
前半17分、中盤エリアでのクイックスローからCTB人見太基(伏見工、3年)がハンドオフを駆使して突破。
この日タックルも果敢だったWTB尾ザキ(山に竒)泰雅のトライをアシストし、ゴール成功ですぐに同点(7-7)に追いついた。
ここで帝京大は2回連続でブレイクダウンで反則(オフサイド、ダブルアクション)を犯して停滞するが、前半25分、LO山川一瑳(常翔学園、2年)の突進にルーキーのPR上杉太郎(熊本西、1年)がサポートからボールを受け取り、勝ち越しのトライを決めた。14-7
さらに帝京大は前半29分、随所に顔を出してハードワークするNO8奥井が空中戦で競り合いボールを確保すると、外への展開からWTB尾ザキ(山に竒)がラインブレイク。3トライ目(ゴール失敗)をスコアし、リードを12点(19-7)とした。
【ハイライト】帝京大学 vs. 立教大学|ラグビー 関東大学対抗戦2020
さらに帝京大は前半33分にWTB尾ザキ(山に竒)、同37分には敵陣ラインアウトモールから力強く前進し、最後尾のHO 李承ヒョ(火に赤赤)がフィニッシュ。
キックチェイスや攻守交代後の反応など、運動量でも明確に上回ってきた帝京大は前半ラスト、スクラムで大きく前進すると、CTB押川敦治(京都成章、3年)が接点に走り込んでトライを奪い、38-7として後半へ向かった。
迎えた後半は、帝京大のワンサイドゲームだった。
帝京大のスキル豊富かつパワフルなランナーに対し、立教大はディフェンスで後手に回り、後半5分にはWTB平坂海人(日向、4年)が相手を次々に抜き去って後半最初のトライ。
さらに、働き者であるFLリッチモンド・トンガタマ(オタフフカレッジ、3年)がその4分後に接点勝負を制してグラウンディングし、50得点の大台に乗せた。52-7
圧倒的なスクラムでも前進しながら後半11、14分に連続トライを決めると(64-7)、後半20分にはリザーブの7人を一挙に投入。
ここから後半23分のラインアウトモールで途中出場の江良颯がインゴールを割ると、同じく途中出場のSO高本幹也(大阪桐蔭、2年)のショートパントを防御裏で再獲得し、19番を背負ったアレクサンダー・マクロビー(セントケンティガンカレッジ、2年)が相手インゴールへ。
途中出場組が躍動する選手層の厚さも見せ、帝京大が78-7とリード。さらに試合終了までの残り10分間で4トライを追加。106点を奪って、真紅のジャージーが今季4勝目を挙げた。
5敗目を喫した立教大学の福田明久監督は、敗因について「最後はフィジカルの差が出た。また全員でカバーすることができなかった。結果的に3桁(106点)を取られて悔しい」と語ったが、視線は次戦へ向けていた。
まずは11月23日(月・祝)の日体大戦で、これまでの積み重ねをぶつけ、今季対抗戦での初勝利を掴み取りたい。
そして今季4勝目を挙げた帝京大。
FL松本健留キャプテン(大阪桐蔭、4年)は「序盤はミスや反則があり流れに乗り切れませんでした。次のゲームへ向けては、しんどい状況の中で正確に、相手よりも厳しいプレーをしていきたいです」と語った。
松本キャプテンが語った「次のゲーム」とは11月22日(日)、東京・秩父宮ラグビー場で行われる明治大学戦だ。
帝京大と明治大は共に4勝1敗。対抗戦の優勝へ向けて、重大な一戦となる。
見逃せないビッグマッチ。果たして軍配はどちらに挙がるのか。今から再来週の日曜日が楽しみだ。
文:多羅正崇
多羅 正崇
スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。
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