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今年は南アフリカ代表が参加せず、南半球3か国対抗戦となった「トライネーションズ2020」(ザ・ラグビーチャンピオンシップ)が開幕。
オーストラリアのブリスベンにあるサンコープスタジアムで、11月7日(土)に行われる第2戦は「ワラビーズ」こと、ホームのオーストラリア代表が、先週に引き続き「オールブラックス」こと、ニュージーランド代表を迎える。
両国の対戦は、毎年「ブレディースローカップ」の試合も兼ねており、今週の試合は今年の最終戦となる第4戦も兼ねている。先週、オールブラックスが、43-5と大勝し、2勝1分ですでに18年連続の「ブレディースローカップ」保持は決定したが、ワラビーズとしては、なんとかしてホームで意地を見せたい。
先週から6人を入れ替えたワラビーズ
オーストラリア代表を率いる、ニュージーランド人の名将デイブ・レニーHC(ヘッドコーチ)は、先週からFW(フォワード)2名、BK(バックス)4名と、先発を大幅に入れ替えた。
FW(フォワード)第1列は、この試合でワラビーズとして13人目となる100キャップを数えるPR(プロップ)ジェームズ・スリッパーと、アラン・アラアラトア、HO(フッカー)ブレンダン・パエンガ アモサは変わらない。
LO(ロック)には、ケガのルーカン・サラカイアロトに替わり、ベテランのロブ・シモンズが、マット・フィリップと入った。FL(フランカー)はネド・ハニガンに替わり、ワラビーズデビューとなるラクラン・スウィントンが先発し、キャプテンのFLマイケル・フーパーとコンビを組む。NO8(ナンバーエイト)は、20歳のハリー・ウィルソンが引き続きスターターを務める。
BK(バックス)はSH(スクラムハーフ)ニック・ホワイトと、SO(スタンドオフ)でハーフ団を組むのが、ノア・ロレシオに替わり、ロングキックで定評のあるユーティリティBKのリース・ホッジ。
好調だったSOジェームズ・オコナーが万全ではないため、レニーHCはホッジを抜擢した。ホッジは昨年のワールドカップでも主にWTB(ウィング)でプレーし、スーパーラグビーでもバックスリーでの出場がほとんどで、これまで代表で10番をつけてプレーしたのは、2017年の日本代表戦のみである。
CTB(センター)はイラエ・シモネに替わり、ハンター・パイサミが先発。ジョーダン・ペタイアとコンビを組む。WTBは昨年のオーストラリア最優秀選手のマリカ・コロインベテが先発し、フィリポ・ダウングヌはベンチに回って、初キャップとなるトム・ライトが入った。FB(フルバック)はトム・バンクスが、デイン・ハイレットペティに替わって先発する。
レニーHCは、「(元レッズのキャプテン)PRスリッパーにとって、ホームグラウンドでの100キャップは特別なものになるだろう。初キャップとなる選手たちは、この7週間のハードワークとパフォーマンスで、オーストラリアのジャージを着るに値する。先週はかなり残念な結果となってしまったが、ブリスベンでもう一度自分たちのラグビーというものを示したい」と力を込めた。
オールブラックスも大幅にメンバー変更
一方、オールブラックスも、大きく選手を入れ替えた。PRカール・トゥイヌクアフェ、オファ・トゥウンガファシは先週と変わらないが、HOはデイン・コールズからコーディ・テイラーに交替した。
LOはスコット・バレットが今年初先発となり、120キャップの節目を迎えるサム・ホワイトロックとコンビを組む。第3列は、シャノン・フリゼルに替わってアキラ・イオアネがオールブラックスデビューとなり、キャプテンのサム・ケインとともにFLを務める。NO8は昨年の国内最優秀選手のアーディ・サヴェアが先発に復帰した。
SHはNTTドコモへの加入が決まったばかりのTJ・ペレナラが先発し、ブラッド・ウェバーがリザーブに入り。これまでずっと先発してきたアーロン・スミスが欠場する。SOにはリッチー・モーウンガに替わり、FBでプレーしていたボーデン・バレットが10番をつける。ペレナラ、バレットはかつてハリケーンズでハーフ団を任されていたこともあり、コンビネーションには問題ない。
CTBはジャック・グッドヒューに替わり、ンガニ・ラウマペがアントン・レイナート ブラウンとコンビを組む。WTBは、今年はCTBでプレー時間が長かったリーコ・イオアネと、今年初めて出場するセヴ・リースが務め、FBはジョーディ・バレットがWTBからシフトした。
トライネーションズ(ザ・ラグビーチャンピオンシップ)2020 開幕戦
【ハイライト】オーストラリア vs. ニュージーランド(10月31日)
イオアネ兄弟は初めて兄弟で先発することになり、バレット3兄弟は昨年10月のワールドカップのカナダ戦以来、2度目となる3人揃っての先発となった。また、ベンチにはHOアサフォ・アウムア、FLカレン・グレイス、FBウィル・ジョーダンの3人が入り、オールブラックスの初キャップのチャンスをうかがう。
オールブラックスのイアン・フォスターHCは「今週はうまくリセットして次の試合にフォーカスを当ててきた。ワラビーズとの対戦はいつでも特別なもので、ヒートアップするものだ」。
「だから、後で言い訳をすることがないように、出来る限りの準備をしてきた。チーム全体が非常に良いので、たくさんの選手に出場機会を与えることができる。さらに、今年オーストラリアとのテストマッチも4戦目となるので、新鮮で新しいエナジーを入れようと思った」。
「(コロナウィルス感染拡大防止のため、日帰りで試合会場入りしなければならないことについて)準備の仕方を変える必要はあるが、アプローチは変わらない。ホイッスルが鳴れば、万全でプレーする準備はできている」と自信をのぞかせた。
ワラビーズとしては、オールブラックスの攻撃にしっかりとプレッシャーをかけつつ先制点を取って主導権を握りたい。オールブラックスとしては、崩れた形からの得意のアタックで優位に試合を進めたいところ
この一戦で170試合目を数える両者の対戦、ワラビーズがホームで一矢報いるか。それともオールブラックスが4連勝で締めくくるか。伝統の「ブレディースローカップ」、今年の最終戦は11月7日(土)午後5:30からJ SPORTSオンデマンドでLIVE配信、午後7:45から、J SPORTS 1で放送される。
文:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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