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ラグビー コラム 2020年10月30日

オールブラックス×ワラビーズ。新世代のモンスター達が競演!トライネーションズ2020第1戦

ラグビーレポート by 多羅 正崇
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3年後のワールドカップ(W杯)フランス大会を意識する余裕はない。この試合で実力を証明しなければならない――この日登場する新世代の若手たちは、そんな覚悟を秘めてピッチに立つのかもしれない。

ニュージーランド、オーストラリア、アルゼンチン――。

南半球の列強3か国による対抗戦「トライネーションズ(ザ・ラグビーチャンピオンシップ)2020 」が、10月31日(土)、ANZスタジアム(シドニー)でのオーストラリア×ニュージーランドで幕を開ける。

本来ならオーストラリアを舞台に、南アフリカを入れた4か国対抗戦「ザ・ラグビーチャンピオンシップ(TRC)」が開幕予定だったが、新型コロナウイルスの影響により南アフリカが不参加を決めた。

南アフリカ政府による渡航制限、選手の安全上の懸念などが理由として挙がったが、W杯日本大会の王者は、2017年の二の舞を危惧していたのかもしれない。

南アフリカは2017年のTRCで、ニュージーランド代表“オールブラックス”に0-57という歴史的大敗を喫している。

大会後に選手が道端で罵られるなど大変な屈辱を味わっており、準備不足で大敗を喫すれば、W杯王者の威厳を大きく損ねてしまうかもしれない。準備不足での参加に難色を示すのは当然の心理と言えるだろう。

かくして、南アフリカをのぞいた3か国による1回戦総当たりの「トライネーションズ」としての開催が急きょ決定した。

そして、この試合はオールブラックスとワラビーズ(オーストラリア代表)の定期戦「ブレディスローカップ」の第3戦でもあり、ここまで1勝1分のオールブラックスが勝利or引き分けで、18年連続のカップ保持が決まる。

強烈なライバル関係にある両国にとってブレディスローカップは「W杯の次に重要な試合」とも云われるが、この試合の注目点はカップの行方ばかりではないだろう。

2023年W杯のメンバー候補と期待される若手が、両チームに多く登場するのだ。

【オールブラックス】スターティングメンバー

まず敵地に乗り込むオールブラックスのメンバーから見ていこう。

キャプテンは、前戦のブレディスローカップ第2戦では強烈なボールキャリーで27-7の快勝に貢献したFLサム・ケイン

代表95キャップを獲得するSHアーロン・スミスにとっては、オールブラックスのキャップ数が歴代トップ10に到達するメモリアルマッチとなる。

そして8年務めたアシスタントコーチから昇格したイアン・フォスターHC(ヘッドコーチ)は、前戦のオーストラリア戦から先発メンバーを3名変更した。

運動量が増してスケールアップのPRカール・トゥイヌクアフェが1番に入り、LOサム・ホワイトロックが、16-16で引き分けたブレディスロー第1戦以来の先発を飾る。

そして3人目は22歳の新星、代表3キャップ目を獲得するNO8ホスキンス・ソトゥトゥだ。

第2子が誕生した主戦NO8のアーディー・サヴェアに代わり、ヤマハ発動機でもプレーした父(ワイサケ・ソトゥトゥ)を持つ突進役が、初めてオールブラックスの先発ジャージーを着る。

新世代のモンスターはまだいる。

前戦で圧倒的なラインブレイク能力を示した21歳、WTBケイリブ・クラークは要チェックだ。

元NZ代表の伝説的ウイング、ジョナ・ロムー(故人)の再来とまで云われており、ロムーに震撼した経験のある往年のファンは、ぜひWTBクラークにその実力があるかを確かめてほしいところだ。

またリザーブには今年初選出のPRアレックス・ホッジマン、2キャップのPRティレル・ロマックス、23年W杯へ向けてアピールを続けたい3キャップのFLダルトン・パパリイも出場に備える。

【ワラビーズ】スターティングメンバー

2002年以来のブレディスローカップ保持への第1歩、また連敗からの脱出も懸かるワラビーズ。

新指揮官のデイヴ・レニーHCは、初陣となったブレディスローカップ第1戦でオールブラックスに16-16で引き分けてみせ、世界的評価は上昇しているだろう。

低迷チームの再建に定評のあるレニーHCは、オールブラックスとの3戦目へ向けて、前戦からスタメンを5人変更した。

そのうち3人は2019年W杯メンバーで、経験豊富なPRアラン・アラアラトア、弱冠二十歳のCTBジョーダン・ペタイア、安定感抜群のFBデイン・ハイレット ペッティ。

そして注目は、この試合がデビュー戦となる二十歳のSOノア・ロレシオ、193センチの大型CTBイラエ・シモネだ。レニーHCは2人に期待を寄せている。

「ノア(・ロレシオ)とイラエ(・シモネ)は多くの試合をともに経験しており、テストマッチ・ラグビーへの準備ができていることに疑いはありません」

特にSOロレシオへの注目度は高い。

ブレディスローカップの2試合に出番はなかったが、ともに30歳でスタンドオフができるジェームズ・オコナーマット・トゥムーアが揃って負傷してしまい、10歳下のロレシオに出番が回ってきた。

まさに急転直下の代表デビュー戦であり、しかも相手は百戦錬磨のオールブラックスだ。

ロレシオの魅力は冷静沈着なプレー。ドロップゴールも巧みな強心臓ぶりを発揮し、まずは目の前の一勝を掴みたい。

リザーブにはもう2人、代表デビューを控えた次世代のスター候補がいる。

ジャッカルを得意とするFLフレイザー・マクレイト、俊足を誇る攻撃的なSHテイト・マクダーモットだ。

特にSHマクダーモットは後半途中の投入で、持ち前の俊足が活きるかもしれない。鮮烈なデビューとなるか、それとも――。

若き才能が競演するワラビーズ×オールブラックス。WTBクラークのような衝撃デビューはあるのか。

興味の尽きない世界最高峰の激突、トライネーションズ(ザ・ラグビーチャンピオンシップ)2020 第1戦「オーストラリア×ニュージーランド」は、10月31日(土)午後5:30よりJ SPORTS 1で生放送、J SPORTSオンデマンドでLIVE配信される。

文:多羅正崇

多羅正崇

多羅 正崇

スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。

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