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青山学院大学、立教大学に勝利し、連勝スタートを切った早稲田大学は次戦、日本体育大学を迎え撃つ。日体大は昨季11年ぶりに慶應義塾大学に勝利し、関東大学対抗戦で5位につけた。
しかし今季、開幕戦で帝京大学が98-10、2戦目に慶大が74-0と大差で日体大を破っている。流動的な選手起用が続く早大にとって次戦は、4戦目・帝京大戦への前哨戦という位置付けとなるだろう。来るべき対抗戦前半のヤマ場へ向け、完勝で弾みをつけられるか。
先週の立大戦、早大は46-7と立大に1トライを許したものの、危なげなく勝利した。立大戦からFL(フランカー)相良昌彦(社2=東京・早実)やCTB(センター)長田智希(スポ3=大阪・東海大仰星)らが復帰し、青学大戦の時に比べ攻守共に厚みが生まれた。
モールからトライを奪う早稲田
ゴールキックの精度やキャッチミスなど課題も残ったが、自陣深くからの相良昌によるビッグゲインや、3度のモールトライでチームのポテンシャルの高さを見せつけた。
早大の開幕2戦で印象的なのが、昨季Aチームに参加していなかった選手らの働きだ。LO(ロック)桑田陽介(スポ3=愛知・明和) や、CTB松下怜央(スポ2=神奈川・関東学院六浦)、WTB(ウィング)槇瑛人(スポ2=東京・国学院久我山)、そして2試合で2トライを決めたWTB今駒有喜(文2=東京・早実)など、新たな戦力の活躍が光った。
立大戦では、青学大戦の先発から8人を入れ替えた。開幕からフルに近いメンバーで戦う明大や帝京大とは異なり、大胆な選手起用を行う相良南海夫監督(平4政経卒=東京・早大学院)。
今季はコロナ禍の影響で大会日程がタイトになり、選手のコンディション管理が例年以上に重要となる。序盤戦に新たな選手を起用することでチーム全体の戦力の底上げを図り、長くて短い今年の対抗戦をより多くのメンバーで戦い抜く、という算段が見て取れる。
SOは吉村紘が務める
ただ、フィフティーンの連携もやはり気に掛かる。ハーフ団は、SO(スタンドオフ)吉村紘(スポ2=東福岡)は固定されているものの、SH(スクラムハーフ)は小西泰聖(スポ2=神奈川・桐蔭学園)と、河村謙尚(社3=大阪・常翔学園)の2人がスタメンの座を争っている。
次戦は青学大戦に続き小西が9番を背負うが、河村もリザーブから出場機会を伺う。また、昨季の(フルバック)河瀬諒介(スポ3=大阪・東海大仰星)と昨年度、桐蔭学園高を初の単独優勝に導いた注目ルーキー・伊藤大祐(スポ1=神奈川・桐蔭学園)はコンディション調整のため未だ試合に出場しておらず、次戦のメンバーにも登録されなかった。
フルメンバーでの実戦経験が少ない早大は、この日体大戦で少しでもチームの練度を上げ、対抗戦のヤマ場・帝京大戦に備えたい。
一方の日体大は開幕2戦、帝京大と慶大に大差で連敗した。8月中旬、日体大の他部で新型コロナウイルスのクラスター感染が発生し、ラグビー部は約1週間活動停止せざるを得なくなったほか、U20日本代表に選出されているハラトア・ヴァイレアが海外滞在中にコロナ禍が拡大し帰国が遅れるなど、チームは予想外の準備不足に見舞われた。
しかし、日体大もこのまま負け続けるわけにはいかない。今季は対抗戦は5位チームまで全国大学選手権の出場権が与えられる。2008年以来となる悲願の大学選手権出場の切符をつかむべく、早大に対し果敢に挑んでくるはず。
ヴァイレアに加えて、NO8(ナンバーエイト)ミキロニ・リサラとCTBクリスチャン・ラウイのパワフルなトンガ出身3人組には要注意だ。
対抗戦開幕から2週間、開幕2連勝を挙げたのは早大、明大、帝京大。いずれも優勝候補となりうる下馬評の高い3校だ。「それまでの試合でいかに成長して、帝京大学との試合を迎えられるかが大事」(NO8丸尾崇真主将、文構4=東京・早実)。
その言葉通り、次戦は早大の対抗戦の行方を占う重要な試合となるだろう。早大にとって、日体大に勝つことは前提条件。内容の濃いゲームで練度を高め、来月1日に迎える帝京大戦の試金石としたい。
文/写真:細井万里男(早稲田スポーツ新聞会)
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