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ラグビー コラム 2020年10月12日

【ハイライト動画あり】1点差の熱戦!タラナキのFLボシャーはジャッカルで存在感。NZ国内選手権「マイター10カップ」第5節

ラグビーレポート by 多羅 正崇
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9月11日(金)に開幕したニュージーランド(NZ)国内選手権は第5節。

10月10日(土)は、2勝2敗のタラナキが、3勝1敗の強豪オークランドを、地元のTETスタジアム&イベントセンター(イングルウッド)に迎えた。

タラナキは開幕戦以来、地元での白星がない。何としてもホームファンを歓喜させたかったが、電光石火の先制トライはアウェーチームだった。

オークランドは前半1分、WTBサレシ・ラヤシがラックから狭いサイドへ持ち出し、鮮やかに独走。そのままインゴールへ運び、5点を先制した。

タラナキも直後にPG(ペナルティーゴール)を返し、前半7分にはジャッカルの名手、FLラクラン・ボシャーが絡みつき、相手の反則(ノット・リリース・ザ・ボール)を誘発した。

NZ代表入りも期待されたFLボシャーの活躍から、攻勢を強めたタラナキは前半9分。相手の落球を確保し、オフロードをつないで逆転トライ。コンバージョンも決まり、5点(10-5)のリードを確保した。

ここからオークランドに反則が重なり、さらに2PGを追加したタラナキ。

前半22分にはFBジェイソン・ポトロフが巧みなステップでライン突破。インゴールへ駆け込み、自身でゴールも成功させ、23-5と大きなリードを手にする。

オークランドは7回連続でペナルティ(タラナキは0回)を犯すなどし、序盤の約20分間で18点(5-23)のビハインドを負った。

ここから形成逆転の足場を築いたのは、オークランドの強力FWだった。

前半35分にはFW陣がゴール前で重圧をかけ、LOジャック・ウェットンが強引に防御をこじ開けて自身の大会初トライ。

11点差(12-23)に迫ると、そのまま迎えた後半3分、敵陣ゴール前の自軍スクラムでペナルティ獲得の強力スクラム。

このスクラムから狭いサイドを攻め切り、右隅でスコア。ついに1トライ1ゴールで逆転可能な6点差(17-23)に迫った。

さらにオークランドは後半10分。

【ハイライト】タラナキ vs. オークランド ニュージーランドラグビー マイター10カップ 第5節

自陣ゴール前の大ピンチで、ウイングのAJラムがインターセプト。そのまま走りきり、大会最多の個人5トライ目を記録した。しかしここでコンバージョンが決まらず、スコアは1点ビハインド(22-23)に。

何としても逃げ切りたいタラナキは後半26分。

敵陣で9フェーズを重ね、オフロードパスを起点として右サイドに高速展開。右隅に追撃をかわす殊勲のトライを決め、リードを5点(28-22)に広げてみせた。

するとオークランドは後半31分、元NZ代表の伝説的FL、マイケル・ジョーンズの息子であるFLニコ・ジョーンズを投入。ニコは父がキャプテンも務めたオークランド代表にデビューした。

するとオークランドは後半34分、敵陣での連続攻撃からWTBラヤシがラックサイド攻撃からトライ。ウイングながらラック近場からねじ込み、ゴールも成功。ついに逆転(29-28)を果たした。

するとタラナキは直後のキックオフで、見事にボールを確保。残り時間は約4分。逆転をかけてホームファンの前で波状攻撃を仕掛ける。

しかし攻撃のテンポにサポートがついていけず、18次攻撃でターンオーバー。そのラックで攻守交代のクリーンアウトを決めたのは、途中出場のFLニコ・ジョーンズだった。

残り時間わずか。

オークランドは時間を稼ぐプレーに徹する。残り時間は20秒。するとここでタラナキのFLボシャーが素早くラックに身体を滑り込ませ、頑として動かずジャッカル成功。土壇場でふたたびチームに活力を注入した。

いよいよ大逆転の気運が高まったタラナキだが、終幕はあっけなかった。ラインアウトからのスペシャルサインで落球があって、万事休す。

29-28でオークランドが今季4勝目(1敗)。一方のタラナキは3敗目(2勝)を喫してしまった。

次節でオークランドは地元イーデンパークでタスマンを迎え、タラナキは南島に移動してサウスランドとの対戦となる。

文:多羅正崇

多羅正崇

多羅 正崇

スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。

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