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ラグビー コラム 2020年10月5日

【ハイライト動画あり】未来のオールブラックス候補が続々!試合は延長戦で劇的決着!NZ国内選手権「マイター10カップ」カンタベリー×ウェリントン

ラグビーレポート by 多羅 正崇
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カンタベリーのSOファーガス・バーク

ニュージーランド(NZ)の地区代表選手権「マイター10カップ」に、未来のスター候補が続々と登場している。

10月3日(土)の第4節、カンタベリー(1勝2敗)が本拠地オレンジセオリー・スタジアムにウェリントン(2勝1敗)を迎えた一戦は、NZ代表を狙える若手有望株の活躍が目立った。

毎年秋にNZで開催されるマイター10カップは、オールブラックス(NZ代表)を頂点とするピラミッドにおいて、スーパーラグビー(SR)に次ぐ第3のカテゴリーだ。

しかしこの日のウェリントンの先発15人中10人がハリケーンズ(SRチーム)所属であるように、選手構成はSRレベル。

だからこそ、この舞台に抜擢される若手はラグビーエリートであり、未来のオールブラックス入りを期待される有望株なのだ。

なかでも第4節「カンタベリー×ウェリントン」の強豪対決では、NZ代表にデビューしていない若武者たちが躍動した。

開始早々に特大のキックで観客を湧かせたのは、カンタベリーの21歳、SOファーガス・バーク。

今年クルセイダーズ(SRチーム)にデビューしたばかりの元U20NZ代表は、自陣22mから敵陣10m付近まで、約50mのキックで自陣脱出。特大のハイパントも披露するなど、強みのキックで魅了した。

そんなSOバーグのPG(ペナルティゴール)成功で3点を先取したカンタベリー。

前半20分にはキックカウンターから、こちらもノンキャップである23歳のWTBマナサ・マタエレが突破してトライを演出。その後PGも1本追加し、11-0と快調にリードした。

前半30分にウェリントンのCTBヴィンス・アソに1トライを返されたが、カンタベリーは同37分。

2年前までU20NZ代表だった22歳のノンキャッパー、CTBンガネ・プニヴァイが、ゴール前でフラットに仕掛けてチーム2トライ目。18-7とした。

若手の才能ならウェリントンも負けてはいない。

前半ロスタイム、モールの攻防から片手トライを決めたのはLOナイトア・アクオイ。今年チーフス(SRチーム)にデビューした196センチの二十歳だ。

ニュージーランドラグビー マイター10カップ

【ハイライト】 第4節 カンタベリー vs. ウェリントン

このトライでビハインドを6点(12-18)に縮めたウェリントンは、後半に攻撃力が爆発する。

後半2分、こぼれ球を捕球したウェリントンは、PRアレックス・フィドウが突進。巧みなオフロードパスを通して後半最初のトライをアシスト。コンバージョンも決まり19-18と逆転に成功した。

2年連続でU20NZ代表だった逸材、187センチ130キロ超のPRフィドウは、この日ボールキャリーで大活躍だった。

同学年で、ハリケーンズでチームメイトのHOアサフォ・アウムアは今年のNZ代表に招集されており、まだ23歳だが焦りもあるだろう。鬱憤を晴らすような激しいプレーで存在をアピールした。

そしてNZ代表のHOアウムア、PRフィドウに比肩する、期待の若手フロントロー(FW第1列)がまた一人登場した。

ウェリントンの二十歳、HOタイロン・トンプソンだ。

まだSRにもデビューしていないトンプソンは、第3節ベイ・オブ・プレンティー戦で50mの独走トライを決め、すでに注目を集めていた。

そして第4節のカンタベリー戦。

この日は途中出場だったトンプソンだが後半21分、相手ゴール前のラックでピック&ゴー。187センチ110キロの体躯を巧みにねじこみ、リードを8点(26-18)に広げる豪快なトライを決めた。

トンプソンは双子で、兄弟のレオは13人制リーグ(NRL)で活動中という。新たな才能の登場に、すでに現地報道は「アウムアの再来」とヒートアップしている。

才能の競演となった好ゲームは、その後なんと延長戦(ゴールデンポイント)に突入した。

カンタベリーは後半25分にPGを加えて5点差(21-26)に詰め寄ると、優勢だったスクラムからPK獲得で敵陣に入り、同34分にFLトム・クリスティーがトライを決めたのだ。

26-26で迎えた10分間の延長戦は、最初に得点(トライ、ペナルティトライ、PG、ドロップゴール)を決めたチームが勝利。得点が入らない場合は引き分けとなる。

3勝目を狙うウェリントンは延長2分、この日キックが不調だったSOジャクソン・ガーデンバショップがDG(ドロップゴール)を狙うが、ボールはHポールをそれた。

すると直後の延長5分。

カンタベリーは相手SOガーデンバショップのパスを、前半にトライを決めているCTBプニヴァイがインターセプト。そのまま独走トライを決め、ホームのファンと共に歓喜を味わった。

最終スコアは31-26。

カンタベリーは連敗を脱出して今季2勝目(2敗)。ウェリントンは今季2敗目(2勝)を喫した。

次節はどんな未来のオールブラックス候補が登場するのか。才能の競演から今後も目が離せない。

文:多羅正崇

多羅正崇

多羅 正崇

スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。

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