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ラグビー コラム 2020年10月1日

ワールドカップ王者・南アフリカが始動。代表選考試合「スプリングボク・ショーダウン」を開催

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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連覇に向け始動

昨年のラグビーワールドカップ王者のスプリングボクス(南アフリカ代表)が、ついに始動。連覇のかかる2023年ワールドカップへ向けて歩みを進める。

10月9日(金)に開幕する南アフリカのスーパーラグビーに先立って、10月3日(土)、「スプリングボク・ショーダウン」と称する南アフリカの代表選考試合がケープタウン・DHLニューランズで開催される。

11月7日(土)に開幕予定の南半球4カ国対抗戦「ザ・ラグビーチャンピオンシップ」に挑むスプリングボクス入りを目指し、昨年のワールドカップ優勝メンバー13人に、若い有望株加えた約50名の代表候補選手たちが「グリーン」チーム、「ゴールド」チームに分かれてスプリングボクス入りをかけたセレクションマッチを行う。

「グリーン」チームは、スプリングボクスのムズワンディル・スティックAC(アシスタントコーチ)がHC(ヘッドコーチ)として指揮を執り、昨年のワールドカップを指揮したディレクター・オブ・ラグビーのラシー・エラスムスがチームコミッショナーを務める。

スプリングボクスのキャプテンでもあるFL(フランカー)シヤ・コリシ(ストーマーズ)がスキッパーである「グリーン」のメンバーを見ていきたい。

FW(フォワード)第1列はPR(プロップ)にオクス・ヌチェ(チータース)とルアン・デブルーイン(チータース)が、HO(フッカー)には昨年のワールドカップでも活躍したボンギ・ムボナンギ(ストーマーズ)が入ってフロントローを構成する。

LO(ロック)はJD・シカーリングとハイロン・アンドリュース(シャークス)、FLがコリシとアイルランドのマンスターでプレーし、代表2キャップを持つアルノ・ボタが入った。NO8(ナンバーエイト)には、トップリーグのクボタでも活躍し、昨年のワールドカップ決勝戦でプレイヤー・オブ・ザ・マッチに輝いたドゥエイン・フェルミューレンが務める。

BK(バックス)は、昨年のU20ワールドラグビーチャンピオンシップで活躍した21歳のSH(スクラムハーフ)サネレ・ノハンバ(シャークス)と、ワールドカップメンバーでNTTコミュニケーションズでも活躍したSO(スタンドオフ)エルトン・ヤンチース(ライオンズ)の2人がハーフ団を組む。

CTB(センター)は東芝でもプレーし、2011年、2019年のワールドカップに出場したベテレンのフランソワ・ステイン(シャークス)と、22歳のワンディジル・シメラネ、WTB(ウィング)はマルコム・ヤール(チータース)とヨウ・ペンセ(キングス)、そしてFB(フルバック)には22歳のジャンニ・ロンバールド(ライオンズ)が入った。

LO/FLのオウパ・モホジェ(チータース)が新型コロナウィルス陽性となってしまい、チームメイトでベテランのPRトレバー・ニャカネが濃厚接触者として欠場し、20歳のCTBムノンボ・ツヴェレンダバも臀部のケガでメンバーから外れた。

スティックHCは、「若手とベテランのバランスの取れたチームになった。コリシ、フェルミューレン、ヤンチース、ステインといったワールドカップを経験した選手と、ジュニアレベルで活躍し今後が期待される選手たちが同じ試合に出られるのは素晴らしい機会だ」と声を弾ませた。

一方の「ゴールド」チームは、キングスのヘッドコーチを務めるデオン・ダーヴィッツが指揮官となり、スプリングボクスの新しいヘッドコーチであるジャック・ニーナバーがチームコミッショナーに就いた。

FWの先発メンバーは、昨年のワールドカップの「ボム・スコッド」(控えから勢いを与えるFW選手たち)のひとり、PRスティーブン・キッツホフ(ストーマーズ)と、イングランドのグロスターでプレーしていたルアン・ドライヤー、そしてHOにはスカラ・ヌトゥベニ(ストーマーズ)が入った。

LOは22歳のサルマーン・モエラ(ストーマーズ)と代表経験もあるマーヴィン・オリー(ライオンズ)が務める。FLがやはりスプリングボクスのキャップを持つマルコ・ファン・ステーデン(ブルズ)とニザーム・カー(ブルズ)、NO8にも代表8キャップのシクブンゾ・ノーチェ(ストーマーズ)と実績のある選手が顔を揃えた。

BKは、昨年のスーパーラグビーでブレイクして代表入りしたSHハーシェル・ヤンチース(ストーマーズ)、そして去年はイングランドのサラセンズでもプレーし、ワールドカップに追加招集されたSOダミアン・ウィレムセの若いハーフ団がチームの中軸となる。

CTBは昨年のワールドカップでは6試合に先発出場し、「ゴールド」チームのキャプテンを務めるルカニョ・アム(シャークス)と21歳のライカス・プレトリウスがコンビを組む。

WTBは代表12キャップのコートナル・スコーサン(ライオンズ)と、念願の15人制スコッド入りを果たしたセブンズのスター、ロスコ・スペックマン(ブルズ)が入り、FBには昨年のワールドカップのスコッドにも名を連ねたウォーリック・ゲラントが務める。

ダーヴィッツHCは、「非常にいいトレーニングができていた。若い選手がこの絶好のチャンスにいろんなことを吸収しようと大変意欲的だった。スプリングボクスやブリッツボッカ(7人制ラグビー南アフリカ代表)のスターと新星が一緒に見られることにワクワクしている」と期待を寄せた。

特に若手選手やキャップが少ない選手、ノンキャップの選手にとっては、南アフリカ代表入りをアピールするまたとないチャンスだけに、普段以上の気合の入ったプレーが見られることは間違いない。きっとこの試合から、2023年ワールドカップで活躍するスプリングボクスの選手が現れるはずだ。

世界のラグビーシーンが注目する南アフリカ代表選考試合「スプリングボク・ショーダウン」グリーンvs.ゴールドは10月3日(土)午後11:55から、J SPORTS 1で生中継、J SPORTSオンデマンドでLIVE配信される。

文:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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