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プレーオフ進出をめぐる3・4位対決
プレーオフをかけた戦いは、最後まで勝負のわからない接戦となった。
オーストラリアの国内大会、「スーパーラグビー2020 オーストラリア」は8月29日(土)、第9節となるレベルズvs.ワラターズの一戦が、シドニー郊外のライカートオーバルで行われた。
なお、この試合はレベルズのホーム、メルボルンのあるヴィクトリア州が新型コロナウィルス感染拡大の影響でロックダウンされたため、シドニーで開催された。
試合前、レベルズは3勝1分2敗、勝ち点14で4位だった。それでも、勝利すればこの試合が最終戦となる3位のワラターズを逆転し、最終節を待たずにプレーオフ進出を決めることができる。
前節、試合のなかったレベルズは、2週間前に3-19で敗れたレッズ戦から、PR(プロップ)ポネ・ファアマウシリから、ジャーメイン・アインスリーに、FL(フランカー)はジョシュ・ケメニーからマイケル・ウェルズへと2人の先発を変更し、FW(フォワード)に経験値の高い選手を揃えた。
BK(バックス)では、FB(フルバック)デイン・ハイレット ペッティがケガで欠場したものの、WTB(ウィング)マリカ・コロインベテ、ゲームキャプテンのCTB(センター)マット・トゥームア、FBリース・ホッジとワラビーズが並んだ。
またリザーブには、今年サンウルブズでもプレーした2人、HO(フッカー)エフィトゥシ・マアフと、近鉄でもプレーするLO(ロック)マイケル・ストーバーグ(近鉄)が入った。
一方、3勝4敗で勝ち点15、3位につけていたワラターズは、来週の第10節がBYE(休みの週)のため、これがプレーオフ進出に向けた最後の試合となった。勝利はもちろんのこと、3トライ差でボーナスポイントをとってプレーオフ進出を引き寄せたいところだった。
ロブ・ペニーHC(ヘッドコーチ)は前節、11-38で敗戦したブランビーズ戦から、先発1 名のみを変更。先週インサイドCTBでプレーしたジョーイ・ウォルトンをアウトサイドCTBにシフトし、テパイ・モエロアが今大会初めて12番をつけた。
LO(ロック)にはネド・ハニガンとキャプテンのロブ・シモンズ、さらに来年からトヨタ自動車でプレーするのでは、と報道されたばかりのワラビーズのキャプテン、FLマイケル・フーパーと強いFW(フォワード)陣を揃えた。
また、BKにはSH(スクラムハーフ)ジェイク・ゴードンとFBジャック・マドックスといったオーストラリア代表経験者が先発した。なお、両者は7月24日の第4節で対戦し、レベルズがホームのワラターズに29-10と勝利している。
首位通過のブランビーズ、2位のレッズのプレーオフ進出はすでに決まっていたため、残り1枠をかけた互いに負けられない戦いとなった。
試合はワラターズボールでキックオフされた。この試合に勝てばプレーオフ進出が決まるレベルズは前半3分、CTBトゥームアがPG(ペナルティゴール)を決めて3-0と先制する。
すぐにワラターズも反撃し、相手ゴール前に迫るとラインアウトからモールを形成。近場での攻撃を継続し、7分、最後はSHゴードンが隙を突いてグラウンディングしトライ。SO(スタンドオフ)ウィル・ハリソンがゴールを決めて7-3と逆転する。
9分にレベルズがPGを外すと、その後はレベルズのキックミスなどもあり、ワラターズの時間帯になる。23分、相手ゴール前22mからモールを形成し、最後はNO8(ナンバーエイト)ジャック・デンプシーが縦に突いてトライ。ゴールも決まり、14-3とリードを広げた。
その後もワラターズが相手陣で攻める時間帯が続くが、決めきれなかった。するとレベルズも相手ゴール前でモールのチャンスを得て押し込むと、37分、ワラターズLOネド・ハニガンがイエローカードでシンビン(10分間の一時的退室)となる。
数的有利となったレベルズはモールを起点に、最後はCTBトゥームアが内に切れ込んでトライ、自身でゴールを決めて10-14とする。しかし、前半ロスタイム、ワラターズのSOハリソンがPGを決めて、17-10とリードを7点差に広げて前半を折り返した。
後半、モメンタムを奪ったのは逆転を狙うレベルズだった。相手陣での攻撃を続けて、後半6分、相手ゴール前でモールを形成し、NO8イシ・ナイサラニが1人で持ち込んでトライ。ゴールも決まって17-17の同点に追いついた。
ただ、ワラターズも9分、相手の反則からゴール前でチャンスを得て、最後はPRハリー・ジョンソンホームズが中央に押さえて、すぐに24-17と突き放す。さらにワラターズは16分、ラインアウトを起点にFLフーパーが内に切れ込んでゲインし、フォローしたCTBジョーイ・ウォルトンがトライを挙げて、31-17と大きくリードする。
このまま負けられないレベルズも、22分、相手のタッキキックミスからカウンターを仕掛けて、左に大きく展開し、最後はWTBコロインベテがタックルを受けながらも左隅に押さえてトライ。難しい角度のゴールをCTBトゥームアが決めて、24-31と再び7点差とする。
スーパーラグビー2020 オーストラリア 第9節
【ハイライト】レベルズ vs. ワラターズ
25分、レベルズのLOマット・フィリップがラインアウト中に空中で相手にチャージしたとしてシンビンとなり、ワラターズは数的有利となってチャンスを迎える。
スクラムから攻撃を仕掛けて、右大外にFBマドックスがトライしたかに思われたが、レベルズのCTBトゥームアが身体を入れてトライを阻止。レベルズボールのインゴールドロップアウトとなり、ピンチを脱する。
数的不利だったレベルズだが、相手陣15mからラインアウトのチャンスを得て、31分、NO8ナイサラニがピックアンドゴーからそのまま押さえてトライ、ゴールは決まらなかったものの29-31と2点差に追い上げる。
試合がどうなるかわからない状況となった34分、ビッグプレーが出る。レベルズのSOアンドリュー・ディーガンのキックを、ワラターズのFLフーパーがチャージ。こぼれたボールをSOハリソンがキャッチし、中央にダイビングトライ。ゴールも決まってワラターズが38-29とした。
この後、ワラターズは不用意に自陣で反則を犯してしまい、37分、レベルズCTBトゥームアに右中間からのPGを決められて、32-38と6点差にされる。だが、試合はそのままワラターズがリードを守りきり、ノーサイドを迎えた。
ワラターズは勝ち点4を得て、勝ち点19の3位。レベルズは7点差以内の敗戦でボーナスポイントを加えて、勝ち点15とし4位と順位は変わらなかった。。
来週、試合のないワラターズのペニーHCは、「自分にとっては、正直負けたような感覚だ。実際には(試合に)勝ったのだけど、頭の中がそういうふうにならなくて複雑だ」と勝利にもプレーオフ進出を決めきれず、終始浮かない表情を見せた。
一方、敗れはしたものの、最終戦でボーナスポイントを得て勝てばプレーオフ進出が決まるレベルズのデイヴ・ヴェッセルズHCは「今日は実質、準々決勝のようなものだった。ワラターズの方が勝利に値する内容だった」と相手を称えつつ、「しかし、我々もしっかり食らいついていって、まだシーズンを終わらせないで済んだ。来週はもっと良いプレーをしないといけない」と先を見据えた。
レベルズは次週9月5日(土)の最終節、ニューサウスウェールズ州ニューカッスルのマクドナルド・ジョーンズスタジアムで、いまだ勝ち星なしで最下位と低迷するフォースと対戦する。
レベルズは4点差以上で勝利すればワラターズを抜いて3位となり、プレーオフ進出が決まる。すでに全日程を終えたワラターズのプレーオフ進出はレベルズvs.フォースの結果を待つことになった。
文:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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