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ラグビー コラム 2020年8月13日

多国籍軍団VS.エリート軍団。好対照の魅力を持つ2チームが激突。スーパーラグビーAU「フォース×ワラターズ」

ラグビーレポート by 多羅 正崇
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多国籍軍団VS.エリート軍団――。好対照の魅力を持った2チームが激突する。

オーストラリアの国内大会「スーパーラグビーAU(エー・ユー)」は第7節。

8月14日(金)は、開幕4連敗(5位)のフォースが、2勝3敗(3位)のワラターズを迎える。

舞台はオーストラリア東海岸のシーバス・スーパー・スタジアム。風光明媚なゴールドコースト(クイーンズランド州)に位置している。

本来であれば、フォースのホームゲームは本拠地の西海岸パース。しかし新型コロナの再拡大に伴う移動制限により、サッカーも行われる同スタジアムでの開催となった。

フォースとワラターズは、好対照な魅力を持つ。

シドニーを本拠地とするワラターズはエリート軍団だろう。

1996年のリーグ初年度からスーパーラグビーに参戦し、優勝1回(2014)、準優勝2回(2005、2008)を誇る。

そして中心選手はオーストラリア代表“ワラビーズ”のメンバーだ。

同代表100キャップを保持するLOロブ・シモンズ主将を筆頭に、代表99キャップのFLマイケル・フーパー、代表20キャップのLOネド・ハニガンらが所属する。

今季はニュージーランド出身のロブ・ペニーが新HCとなり、オーストラリアのラグビーエリート集団を率いる。

ペニーHCの信条はボールを大きく動かし、スペースを大胆に攻めるラグビー。先週の第6節ではそんな大胆なアタックが奏功し、レッズから今季最多45得点(12失点)を奪って今季2勝目を挙げた。

ニュージーランドの特徴的なスキルであるオフロードパスも多用(リーグ2位の32回)しており、ニュージーランド人指揮官とのミックスが相乗効果を生んでいるようだ。

一方のフォースは、紆余曲折の歴史を持つ新興チーム。

2006年にスーパーラグビーに新規参入し、2017年に成績不振などからリーグ除外。そして2020年にコロナ禍により国内リーグに復帰した。

またワラターズとは対照的な多国籍軍団でもある。

LOジェレミー・スラッシュはニュージーランド代表12キャップ。CTBヘンリー・タエフは2019年ワールドカップに出場したサモア代表だ。

WTBマルセル・ブラーシェはアメリカ代表23キャップ。南アフリカやイングランドの出身者も所属している。

入れ替わりも激しく、フォースの今季の新加入選手は20人を超えている。2020年シーズンをもって解散したサンウルブズ(日本)との共通点が多い。

そんな多国籍軍団は、ここまで開幕4連敗。しかし第5節ではレベルズと延長戦「スーパータイム」にもつれこむ激闘を演じた。

延長戦に20-25で敗れて今季初勝利は逃したが、1週間のBYE(休養週)を挟んで英気を養っただろう。初勝利へ士気は高いはずだ。

注目選手には両チームの「新星」と「ベテラン」を挙げたい。

ワラターズは新星に要注目だ。

19歳のPRアンガス・ベルは、192センチ110キロ弱の大型プロップ。

オーストラリア代表キャップこそないが、高校代表、U20代表は経験済みだ。

ボールキャリアーとしても非凡であり、スクラムの経験を積みながら順調に成長すればワラビーズのデビューはそう遠くないのではないか。

オーストラリアの国内チーム、ニューサウスウェールズ・カントリー・イーグルスで指導したロス・テイラーは、何よりベルの人間性を評価している。

「私達(カントリー・イーグルス)は2019年にニュージーランドのハイランダーズクルセイダーズの下部チームと試合をしましたが、私達は優秀なメンバーが多いので彼(ベル)を2試合目のメンバーから外しました」

「すると彼は翌朝、一人でロードワークに出掛けていました。彼は肉体的な強みでなく、知識に飢えており、学び、成長しようとする精神を持っているのです」

現在は先発にオーストラリア代表24キャップのPRトム・ロバートソンがおり、今週もリザーブスタートとなるが、将来の主軸候補であることは間違いない。

またディフェンス突破回数でリーグ1位タイ(18回)の22歳、ウイング(WTB)で先発するジェームズ・ラムも要注目。

ワラターズはWTBラムの活躍を受け、2022年までの2年契約を締結した。大きな期待を寄せている。

一方のフォースはベテランに注目したい。

35歳になった東芝のCTBリチャード・カフイだ。

元ニュージーランド代表で東芝8年目のカフイは、コロナ禍により生まれたスーパーラグビーAUに電撃参戦。

短期契約で挑むリーグでは、第4節ブランビーズ戦に途中出場し、フォースでの初キャップを獲得。今週のワラターズ戦では2試合連続で先発を飾る。

攻守に機能するスキルフルな働き者であり、東芝では稀代のリーダーとしてチームを牽引してきた。オーストラリアで新たな挑戦をしている「東芝のカフイ」に声援を送りたい。

またフォースでは、サモア代表のFLヘンリー・ストワーズが出色の働きを見せている。

身長190センチとサイズもある25歳は、タックル・ウォン(TACKLES WON)がリーグ1位の71回。

ボールキャリアーとしてもパワフルであり、今後の飛躍が見逃せない存在となっている。

見どころの多い「フォース×ワラターズ」は、金曜日の夕方にキックオフ。8月14日(金) 午後5:55からJ SPORTS 1で生放送、J SPORTSオンデマンドでLIVE配信される。


文:多羅正崇

多羅正崇

多羅 正崇

スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。

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