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ラグビー コラム 2020年8月2日

【ハイライト動画あり】クルセイダーズが首位キープ、チーフスはホーム最終戦を飾れず7連敗。スーパーラグビー2020 アオテアロア

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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写真:神戸製鋼入りが決まったアーロン・クルーデンはこの日で100キャップ

6月13日に開幕したニュージーランド5チームによる「スーパーラグビー2020 アオテアロア」は第8節が行われ、8月1日(土)には最下位のチーフスが、首位に立つスーパーラグビー3連覇中のクルセイダーズを、ホームのFMGスタジアム・ワイカトに迎えた。

チーフスは開幕戦から接戦を繰り広げるも、白星を得ることができないまま、6連敗。ホーム最終戦となるこの試合で、なんとかファンに勝利を届けようと、いつも以上に気合いを入れて臨んでいた。

FW(フォワード)のメンバーは前節と変わらず、PR(プロップ)ニュージーランド代表のネポ・ラウララ、オールブラックスでも新主将に任命されたキャプテンLO(ロック)サム・ケインらが引き続き先発に入った。ベンチにはオールブラックスPRアンガス・タアヴァオが今大会初めてメンバー入りした。

BK(バックス)は、来季より神戸製鋼に加入が決まったばかりの、元ニュージーランド代表のSO(スタンドオフ)アーロン・クルーデンが先発、チーフスでの100キャップの節目を地元ファンの前で迎えた。

また、CTB(センター)にはアントン・レイナート ブラウン、FB(フルバック)はダミアン・マッケンジーと、オールブラック経験者が入った。

一方、開幕から4連勝だったクルセイダーは、前節はハリケーンズに32-34で敗れ、今大会初黒星を喫し、2位のブルーズ、3位のハリケーンズと熾烈な優勝争いを繰り広げている。

FWのメンバーは家族に不幸があったPRジョー・ムーディに代わって、ジョージ・バウアーが先発、サモア代表のPRマイケル・アラアラトア、キャプテンでオールブラックHOコーディー・テイラーとフロントローを形成。

LO(ロック)サム・ホワイトロックは、クルセイダーズの選手として7人目となる150キャップをこの試合で迎えた。

BKはSOリッチー・モウンガ、WTBジョージ・ブリッジセブ・リース、CTBジャック・グッドヒューら、現役オールブラックスを揃えた。なお、クルセイダーズのメンバーは、ムーディの家族に不幸があったため喪章をつけて戦いに臨んだ。

観客は1万5082人が集まり、クルセイダーズボールでキックオフされた。先にチャンスを迎えたのはホームのチーフスだったが、5分、FBマッケンジーがPG(ペナルティゴール)を決めることができなかった。

するとボールの継続力に長けたクルセイダーズは、ラインアウトを起点にブラインドサイドを攻めて、NO8トム・サンダーズが左タッチライン際を40m走りきって、左隅に押さえてトライ、5点を先制する。

さらに13分、相手ボールのラインアウトをスチールするとそのまま攻撃を継続、オフロードパスを交えてゴール前に攻め込み、最後はFBウィル・ジョーダンが中央左にトライ、SOモウンガが難なくゴールを決めて12-0とリードを広げる。

ただ、ホームのチースフもカウベルの音が鳴る中、攻勢に出る。22分、相手の反則からスクラムを選択し、NO8ピータ ガス・ソワクラがアタック。最後はFLラクラン・ボシャーが持ち出して右中間にトライ、FBマッケンジーがゴールを決めて、7-12。さらに26分にFBマッケンジーがPGを決めて10-12と追い上げる。

互いに相手の守備を崩せない中、迎えた40分、クルセイダーズがボールを大きく動かすと、チーフスのWTBショーン・スティーヴンソンがたまらず、相手パスに手を出して遮り、デリバレイトノックオンの判定で、シンビン(10分間の退場)となる。

クルセイダーズは前半最後のチャンスで、ラインアウトからモールを選択。15mほどとやや距離があったが、FWが一丸となって押し込み、最後HOコーディー・テイラーが押さえてトライを上げて、アウェイのクルセイダーズが17-10とリードし、前半を折り返した。

後半開始早々の3分、7点を追うチーフスがPGを沈めて13-17と4点差とする。さらに10分もFBマッケンジーがPGを決めて、16-17と1点差に追い上げる。この後、両チームが1本ずつPGを決め、19-20と1点差のまま、試合は残り20分。

今大会、得点の約4割を後半20分以降に挙げているクルセイダーズが、さすがの勝負強さを見せる。

相手がラインアウトでミスしたボールを奪い、そのまま攻撃を継続。FBジョーダンが抜け出し、途中出場のLOクィンテン・ストレンジがファンブルしたボールを、WTBリースがフォローし、そのまま中央右に後半最初のトライを挙げ、ゴールも決まって27-19とリードを広げた。

さらにクルセイダーズは畳みかける。相手スクラムを押し込み得たチャンスから27分、敵陣30m付近からのラインアウトを一度押し込み、ブラインドサイドを攻める。途中出場のHOアンドリュー・マカリオ、SOモウンガとつなぎ、最後は同じく途中出場のCTBレスター・ファインガアヌクがトライを挙げて32-19と突き放した。

残り10分あまり、チーフスも逆転を目指し攻め込むものの、相手ゴールラインを割ることはできず、そのままノーサイド。クルセイダーズが勝利し、3トライ差つけてボーナスポイントも獲得。アウェイで勝ち点5を積み重ねた。

スーパーラグビー2020 アオテアロア

【ハイライト】チーフス vs. クルセイダーズ

開幕から7連敗となってしまったチーフスのウォーレン・ガットランドHC(ヘッドコーチ)は「リースのトライはノックオンだと思ったが、それがもし我々の場合でも同じような判定になったはずだ。それより、今夜はクルセイダーズの方がいろんな面で素晴らしかったと言わざるを得ない」と悔しそうに話した。

キャプテンのFLケインは「(イエローカードとリースのトライという)2つの場面がかなり痛かった。後で振り返ってさらに改善しないといけない。しかし、今日はクルセイダーズがやはり勝利に値した」と相手を称えた。

100キャップを得たSOクルーデンは「故郷のマナワツからウェリントンに来たときに、ここで100キャップを数えるようなことになるとは想像していなかった。チーフスのジャージでの旅は私にとっての全て」。

「数年前海外に渡った時、それが終わったと思ったが、ラグビーの神がまた私にこのジャージを切る機会を与えてくれました。本当にチーフスでこの記録を祝えたことを誇りに思う。(ウェイン・スミスに記念ジャージを渡されて)泣かないつもりだったが、感情を抑えられなかった。彼のおかげで私が成長した」と話した。

勝ち点5を得て、首位をキープしたクルセイダーズのスコット・ロバートソンHCは「順位表が示していることは明確だ。特に、先週ホームでの連勝記録を失い、非常に辛かった」。

「だから真摯に1週間を過ごして、この一戦にすべてを持ってきた。今日の勝利は大きなマージンにはならないので、この1週間はまた非常に大切になる」と残り2試合に向けて気を引き締めた。

キャプテンのHOテイラーは「先週の敗戦から率直に振り返って、自分たちを見つめ直し、今日はなんのためにここへ立つのかをよく理解していた」。

「いいパフォーマンスを見せられて本当に嬉しい。(相手と)拮抗した場面が幾度となくあったが、チャンスを活かせたことが大きかった」と安堵の表情を見せた。

スーパーラグビーで150キャップを迎えたLOホワイトロックは「この1週間は本当にタフだった。マット・トッド、キアラン・リード、ライアン・クロッティ、それに友人や家族がメッセージをくれた。それが何にも変えがたい支えになった」と、自身の節目の試合での勝利に満足した表情を見せた。

開幕から7連敗となってしまったチーフスは、次週8月8日(土)に、アウェイでハリケーンズと今大会最終戦を迎える。一方、首位をキープした残り2試合のクルセイダーズは次週ホームに戻り、9日(日)にハイランダーズを迎える。

文:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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