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ニュージーランド(NZ)代表のスターで、シーズン後のサントリー加入(12月合流予定)が決まっているブルーズのボーデン・バレットが、今季初めてスタンドオフ(10番)で先発する。
NZ版スーパーラグビー(SR)「アオテアロア」は第7節を迎えた。
7月26日(日)は、3勝2敗(2位)のブルーズが、本拠地イーデン・パークに開幕5連敗(5位)のチーフスを迎える。
ブルーズは開幕3連勝からの2連敗、チーフスは5連敗であり、ともに連敗ストップを懸けた戦いとなる。
勢いはブルーズにあるだろう。
第6節を終えて2位につけているブルーズに対し、5位のチーフスは優勝争いから脱落している。士気高揚は簡単ではないはずだ。
しかも舞台はブルーズの根城であるイーデン・パーク。また前回対戦ではホームゲームながら1トライも奪えないまま、12-24で敗戦している。
チーフスの指揮官は、昨年までウェールズ代表を12年間率いたウォーレン・ガットランドHC(ヘッドコーチ)だが、風当たりは強まるばかりだ。
ブルーズに負けて6連敗となればチームのワーストタイ記録。その先にある7連敗は、1996年のチーム創設以来初となる。
ガットランドHCはチーフスの地元ハミルトンの出身だ。故郷のチームでの連敗ワースト記録は、地元出身者として、コーチとして、これ以上ないような不名誉な記録に違いない。是が非でも、目の前の1勝がほしい。
ただ相対するブルーズは、NZ最高峰のプレーメイカーを10番に据えてきた。
ボーデン・バレットが、昨年9月のトンガ代表戦以来324日ぶりに、スタンドオフとして先発する。ここまで10番だったSOオテレ・ブラックが首を痛めたためだ。
NZ代表は2019年ワールドカップで、主にリッチー・モウンガ(クルセイダーズ)を10番、バレットを15番として起用したが、2年連続のワールドラグビー年間最優秀選手賞(2016、2017)はスタンドオフとして受賞している。
現在ブルーズでチームメイトであるNZ代表の英雄、SOダン・カーターの後継者として活躍してきたバレットは、今季より新加入した好調ブルーズをどう導くのだろうか。
最高レベルのプレー精度で安定感をもたらすSOバレットとハーフ団を組むのは、SHフィンレー・クリスティ。
またCTBはNZ代表のリーコ・イオアネ。祖父の葬式に出席するため先週は不出場だったケレリブ・クラークはWTBに戻り、バレットの定位置だった15番にはFBマット・ダフィーが入った。
ブルーズの先発FWを見てみると、LOパトリック・トゥイプロトゥ主将、NO8アキラ・イオアネ。今季大ブレイク中のエイトマン、ホスキンス・ソトゥトゥは膝のケガでメンバー外となっている。
そして敵地に乗り込むチーフス。
先発メンバーは、ロスタイムのサヨナラ負け(31-33)を喫した先週から1名変更。1番(PR)がエイダン・ロスからルーベン・オニールになった。
両FLは世界最高峰。NZ代表キャプテンのサム・ケインと、代表ノンキャップながら先週もフェッチャー(ボールを奪い取る人)として英雄的な活躍をみせたラクラン・ボーシェー。
ハーフ団は献身的なタックラーでもあるSHブラッド・ウェバー、SOケイリブ・トラスク。
CTBは、先週は脳しんとうからの復帰戦ながらハードワークしたアントン・レイナートブラウン。試合展開により10番の位置にも入るFBダミアン・マッケンジー。
そしてリザーブには、日本のキヤノンやNECでもプレーした38歳、アダム・トムソンの名が。
パワフルなバックローワー(FW第3列)であるトムソンは、今年初めにチーフスのバックアップメンバーに選ばれていた。
出場すればSR100キャップ。記念すべき試合を前にトムソンは「数年前には信じられなかったこと。このレベルでプレーできることに感謝しています」と地元メディアに語っている。
日本にファンの多いスター選手、馴染み深いベテラン選手も登場する注目の一戦。
はたして連敗を止めるのはどちらか。チーフスは“連敗地獄”から脱出できるか。
注目の「ブルーズ×チーフス」は7月26日(日)午後0:25からJ SPORTS 4で生放送、J SPORTSオンデマンドでLIVE配信される。
文:多羅正崇
多羅 正崇
スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。
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