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ラグビー コラム 2020年7月17日

シドニーで好敵手が激突 ワラターズが優勝候補筆頭のブランビーズを迎え撃つ オーストラリア代表多数。タフなFW戦を見逃すな

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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オーストラリアの「スーパーラグビーAU」は第3節目に入り、優勝候補のブランビーズが、シドニーに乗り込みワラターズと対戦する。ホームのワラターズは初戦でレッズに26-32と敗れたが、第2節はウェスタン・フォースに23-14と勝利した。今季より指揮を執るロブ・ペニーヘッドコーチは「前半はフォースにプレッシャーをかけられたが、後半はゲームをマネージメントできた」と選手たちの対応力に一定の評価を与えた。若い選手が多く、パフォーマンスに波があるのは致し方ないところだろう。

ロブ・シモンズキャプテンはフォース戦についてこう話す。「試金石だった。(ワラターズは)才能ある選手がそろっているが、とても若い。レッズの2009年、2010年を思い出す。多くの若い選手が出てきて意欲旺盛だが、やりすぎのプレーが多かった。でもその後はうまくゲームマネージメントを行い成功した」。ワラターズも、あの頃のレッズのようにチーム力をアップしていきたいということだろう。

安定感あるブランビーズに対し、ワラターズは頼もしいメンバーが戻ってきた。オーストラリア代表24キャップのPRトム・ロバートソンが怪我から復帰し、前節はリザーブだったCTBカーマイケル・ハント、NO8ジャック・デンプシーというオーストラリア代表勢が先発復帰する。SOウィル・ハリソン(20歳)、CTBジョーイ・ウォルトン(20歳)、WTBジェームズ・ラム(22歳)ら若い選手を代表メンバーが引っ張る。FBジャック・マドックスは、ここまで2戦でボールを持って前進した距離はリーグ1位(226m)。最後尾からチームの勢いを引き出す。

対するブランビーズは開幕節でレベルズに31-23で勝利。前節は試合がなく、アウェイでの初戦となる。先発メンバーはほぼ変わらず、怪我のあったFBトム・バンクスがスーパーラグビーAUでは初先発するのは好材料だ。スーパーラグビー2020がコロナ禍で中断される前まで6試合にフル出場し、23のディフェンス突破、9度のクリーンブレイクで4トライをあげた決定力は魅力だ。

ブランビーズは、スクラムの強さが一つの武器だが、FW第一列は1番からPRジェームズ・スリッパ―、HOフォラウ・ファインガ、PRアラン・アラアラトアというオーストラリア代表トリオ。合計キャップ数145の経験はワタラーズには脅威。FW第三列は、21歳のFLロブ・ヴァレンティニ、元7人制代表のFLトム・キューザック、昨年のラグビーワールドカップに出場したNO8ピート・サムの3人。ワラターズのFLラクラン・スウィントン、マイケル・フーパ―、NO8ジャック・デンプシーとのボール争奪戦も見応えがありそうだ。激しいコンタクトが連発するFW戦が予想される。

スーパーラグビーAUは、独自のルールを採用し、自陣からのキックがバウンドして相手陣22mラインの向こうでタッチラインを割るとマイボールのラインアウトで始められる。また、自陣22mライン内から相手陣に蹴り込み、バウンドしてタッチラインを割ってもマイボールだ。前節、ワラターズのカーマイケル・ハントがこのキック効果的に使って自軍のトライに結び付けた。3節に入り、スーパーラグビーAUのルールにも各チームが適応してくるだろう。キック戦略も注目点だ。


文:村上晃一

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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