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ラグビー コラム 2020年7月15日

パナソニック ワイルドナイツ、埼玉県熊谷市に新しい本拠地

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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7月14日、埼玉・熊谷ラグビー場にてトップリーグ優勝4回のパナソニック ワイルドナイツと、埼玉県ラグビーフットボール協会の両者により「熊谷スポーツ文化公園内への施設建設について」の記者会見が行われた。

高校生の選抜大会、そして2019年のワールドカップの会場にもなったラグビーの「東の聖地の1つ」熊谷ラグビー場の北西に面した熊谷スポーツ文化公園。

その園内に天然芝のワイルドナイツの練習場や管理棟(ワイルドナイツのクラブハウスやトレーニングルーム、埼玉県ラグビー協会、カフェなど)、人工芝の屋内運動場、一般客も使用できる宿泊棟が、チーム、行政、地域の三者が協力し、新たに建設されることが発表された。

昨年3月、埼玉県、熊谷市、そしてパナソニック株式会社は、パナソニック ワイルドナイツが熊谷ラグビー場を本拠地として活動する協定を締結し、ラグビー活動や地域振興に協力して取り組んでいた。その流れの中で今回の決定もなされたという。

埼玉県から設置許可を得て、埼玉県ラグビー協会が借り入れし、練習場や管理棟、屋内運動場はパナソニック株式会社企業スポーツセンターに、宿泊棟、飲食店などはパナソニックホームズ不動産株式会社に35年の契約で賃貸されるという。

建設の総工費は約35億円。新施設は新しいリーグの始まる前、2021年8月上旬に完成予定で、パナソニックは練習場を群馬県太田市から埼玉県熊谷市に移転する。

管理棟と屋内運動場

埼玉県ラグビーフットボール協会の富岡清会長は「埼玉県、熊谷市、ワイルドナイツで実現に向けて協議を重ねてきました。昨年のラグビーワールドカップの街の賑わい、活気を単発ものとせず、レガシーとしてどう活かしていくかが共通の思いだった」。

「自治体、企業が連携して英断してくれた。(ワールドカップの)盛り上がりが、力強く後押ししてくれた」と話した。やはり、ワールドカップの経済波及効果、盛り上がりが今回の決定に影響を及ぼしたようだ。

東京三洋と三洋電機を経て、60年の歴史がある「野武士軍団」の愛称で知られるパナソニック ワイルドナイツ。群馬県の大泉町、太田市で練習を重ねてきたが、今回は県をまたいでの練習場、本拠地の移転を選択する形となった。

写真:埼玉県ラグビー協会とワイルドナイツが共同会見、右端は坂手淳史主将

選手経験だけでなく監督経験もあり、ワイルドナイツの強化に大きく貢献してきた飯島均ゼネラルマネージャーは、ロビー・ディーンズ監督の「変化することのみが、唯一の不変である」という言葉を引き合いに出しつつ、こう話した。

「寂しい部分もあるが、リーダーは決断しないといけない。この(熊谷ラグビー場の)ような素晴らしい施設が近隣にあるので、(本拠地、練習場の移転は)正しい道であることと信じている」。

「チーム・地域・行政の垣根を越えた共創の架け橋となることが私たちの役割です。太田市、大泉町にはご理解をいただいて非常に嬉しい。さらに(日本ラグビー界の)覇者を目指していきたい」。

注目すべきは最大308名が泊まれる宿泊棟ができることだ。4階建てで、1階にはレストランやグッズ販売店が入り、2階には低額でのカプセル型の客室、3,4階には海外チームや代表チームにも対応する客室が設置される。

今後、選抜大会やトップリーグの試合で使用されることになろう。また、一般客も使用できるため、他の競技の大会や試合が熊谷スポーツ文化公園内で開催されるときにも使われることになるだろう。

練習場は、ワイルドナイツが使用していない時間は、地元の高校生やスクール、アルカス熊谷(女子7人制ラグビーチーム)なども練習することになりそうだ。

また、パナソニックのクラブハウスには現在の3~4倍のウェイトルームができる予定であり、グラウンド横には人工芝が敷かれた屋内運動場ができる。屋内運動場の高さは8mでラインアウトの練習を想定したものだ。

屋内運動場の内部イメージ

新しい練習場のイメージ図を「今日初めて見た」という2019年ラグビー日本代表メンバーだったキャプテンHO(フッカー)坂手淳史は「凄いなという感じです。これまでのグラウンドにも強い思い入れがあり、たくさん成長させてもらいました」。

「屋内運動場とウェイト場が新たにでき、ラグビーの強化に直結できる点で、もっと強化できスキルが上げられる。太田、大泉、そして今回、練習場の移設が決まった熊谷、日本全国のワイルドナイツファンと一緒に盛り上げていきたい」と歓迎した。

トップリーグは2022年から新しいリーグが始まることが決まっている。新拠点を構えることになったパナソニック ワイルドナイツが行政の協力を仰ぎながら、地域密着したクラブとして強化を図りつつ、熊谷の地でさらなる飛躍を遂げるはずだ。

文/写真:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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