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ラグビー コラム 2020年7月6日

【ハイライト動画あり】ついに開幕した豪州版スーパーラグビー「AU」。ブランビーズがスクラム苦戦もレベルズ撃破。

ラグビーレポート by 多羅 正崇
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コロナ禍で中止になったスーパーラグビー2020の代替大会、オーストラリア国内5チームによる「スーパーラグビー AU(エーユー)」が待望の開幕節を迎えた。

開幕節2日目の7月4日(土)は、首都キャンベラのGIOスタジアムで、地元ブランビーズレベルズを迎え撃った。

ビジターチームのレベルズでは、今年サンウルブズでプレーしたLOマイケル・ストーバーグ(近鉄)が5番で先発。

また同じく今年のサンウルブズでプレーし、5試合に出場したHOエフィトゥシ・マアフもリザーブに入り、後半29分から出場した。

先制点は前半3分。リーグ中止前から5勝1敗と好調だったブランビーズが、入場制限のなかで集まった地元ファンを沸かせた。

反則から敵陣ゴール前ラインアウトの好機を迎えると、十八番のラインアウトモールと見せかけ、WTBアンドリュー・ミュアヘッドを走り込ませるサインプレー(トライ後ゴール成功)。鮮やかな奇襲により、7点を先制した。

その後はお互いにハンドリングエラーが目立ち、スクラムでの再開が目立つ展開。

そのスクラム戦で、レベルズはFW第1列に豪州代表(PRスリッパ-、HOファインガア、PRアラアラトア)を並べたブランビーズを圧倒。なんと後半35分までに6度のペナルティを奪った。

ブランビーズ主将のPRマイケル・アラアラトアは試合後「いくつかの複合的な要因によるものだが、今後の検討が必要なことは明らか」とスクラム戦を振り返った。

「私達は(スクラムで)6度のペナルティを与えました。最初の2つはプレ・エンゲージ(での反則)、後半最初のいくつかの反則は私達の土台が崩れたことによるものでした」

スクラムで優勢に立ったレベルズ。前半9、27分にはペナルティーゴール(PG)を加えて、じわりと1点差(7-6)に詰め寄った。

スクラム中のジョー・パウエル(中央)

しかし前半27分、ブランビーズは敵陣右ゴール前ラインアウトのチャンス。先制トライと似た局面を迎えた。
ここで今回は得意のラインアウトモールで力強く前進。最後はSHジョー・パウエルが手薄になったショート・サイドへボールを持ち出し、片手一本でトライを決めた(ゴール失敗)。

さらに前半37分には波状攻撃からHOフォラウ・ファインガアがインゴールにねじ込み、ブランビーズが19-6とリードして前半を折り返した。

さらにブランビーズはノンキャップの二十歳、SOノア・ロレシオが躍動。

後半4分にレベルズのLOストーバーグを弾いて防御裏へ独走すると、WTBトム・ライトのトライをお膳立て。ゴールは失敗したものの、24-6とリードは18点に。

サンウルブズで活躍したストーバーグは、後半11分に途中交替。トライにつながるタックルミスはあったが、密集戦で攻撃を遅滞させる怪力も見せた。次戦の活躍に期待したい。

レベルズは後半15分にハイテンポの猛攻を仕掛け、FWがインゴールへ持ち込んだもののヘルドアップ。

ここで大会新ルールが適用され、攻撃側の5mスクラムではなく、守備側のゴールラインからのドロップアウトによってプレーが再開された。

しかし直後、レベルズは相手反則から好機となり、後半18分にラインアウトモールからこの日チーム初トライ。ゴール成功でビハインドを11点(13-24)とした。

さらに攻勢をかけるレベルズは後半23分に1トライを追加。ピッチ幅いっぱいの連続攻撃で数的優位を作り、キャプテンのFBデイン・ハイレットペティが右中間に仕留めた。24-20

さらにレベルズはスクラムで追撃。

後半30分のスクラム戦で、この日6つ目のペナルティをブランビーズから奪取。(レベルズはここまでゼロ)。SOマット・トゥームアがPGを決め、ついに1点差(23-24)に迫った。

残り10分で1点差という熱戦。

ここで防戦に回ったレベルズだが、途中出場した元サンウルブズのHOマアフがジャッカル成功。

窮地を脱したかに見えたが、HOマアフは直後のラインアウトでノットストレート、さらにプレー再開のスクラムでもこの日初めてブランビーズにペナルティを奪われ、苦い開幕戦となった。

一方のブランビーズは、この反則から左ゴール前ラインアウトへ進み、ここで伝家の宝刀・ラインアウトモールを披露。

勢いよくインゴールになだれ込み、チームが歓喜に沸くトライ。二十歳のSOロレシオが冷静にゴールキックも決めて、31-23で勝負は決した。

注目された大会新ルールはゴールラインからのドロップアウトは見られたものの、タッチキック後の再開にまつわる新ルール適用などはなかった。

敗戦したレベルズ指揮官、3年目のデイヴィット・ヴェッセルズHC(ヘッドコーチ)は「相手にあまりにも良いスタートを与えてしまった」と前半3分の失トライを振り返り、その原因として「規律」を挙げた。

「規律に問題があり、自分たちを苦しめてしまった。簡単なオフサイドをしてしまえば、キックでコーナーに下がり、モールを組まれてしまう。彼ら(ブランビーズ)の得意パターンです」

敗戦したレベルズは次戦、開幕戦白星のレッズと対戦。大会初勝利をめざす。

ブランビーズはBYE(休みの週)を挟んで、第3節ワラターズ戦で開幕2連勝を狙う。

15人制ラグビーがオーストラリアで再開され、選手の表情はキックオフ前からハツラツとしていた。ラグビーが日常にあることの幸福を噛みしめながら、さらなる熱戦に期待したい。

スーパーラグビー2020 オーストラリア 第1節

ブランビーズ vs. レベルズ ハイライト


文:多羅正崇

多羅正崇

多羅 正崇

スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。

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