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ラグビー コラム 2020年6月15日

【ハイライト動画あり】4万3000人が王国ラグビーを堪能!ブルーズが本拠地イーデンパークで快勝発進。スーパーラグビー・アオテアロア

ラグビーレポート by 多羅 正崇
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4万3000人がハイレベルなラグビーを堪能した。

世界で猛威をふるう新型コロナウイルスを克服したラグビー王国ニュージーランド(NZ)。

入場制限を設けない大会として開催に漕ぎ着けた国内大会が「スーパーラグビー・アオテアロア」だ。

記念すべき開幕節の6月14日(日)は、NZ最大の都市オークランドを拠点とするブルーズが、首都ウェリントンからやってきたハリケーンズを迎え撃った。

同会場で開催されるブルーズの試合は例年空席が目立っていたが、この日はチケットが完売。

テストマッチ並みの約4万3000人が集結し、ブルーズにとっては2005年以来15年ぶりとなる4万人超の大観衆となった。

試合前には会場からエッセンシャル・ワーカー(生活必須業従事者)へ拍手が送られ、大観衆のカウントダウンでキックオフ。5月18日の練習再開から約1か月準備を重ねてきた両軍は鬱憤を晴らすように、前半から好プレーを披露した。

先制点は前半9分、ハリケーンズが相手反則からPGで3点を奪った。これはタックラーが球出しを邪魔する反則「ノットロールアウェイ」をレフリーが厳格にとったためだった。

今大会では試験的ルールが採用されており、特にタックル後のボール争奪戦「ブレイクダウン」でのルール厳格化が話題になっている。ブレイクダウンをめぐる攻防は今後も注目だろう。

両軍通じて初めてのトライは地元のブルーズだった。

3点を追いかけるブルーズは、CTBリーコ・イオアネが相手ディンフェスをかわしてラインブレイク。

ボールを受けたWTBケイリブ・クラークが左サイドを攻略し中央にトライ。7-3と逆転して地元ファンを沸かせた。

するとハリケーンズも反撃。

敵陣に入ったハリケーンズは前半15分、複数のデコイ(おとり)を使いながら狙い通りに大外へ展開。

ブルーズ ボーデン・バレット(中央)

待っていた快足フッカー、33歳のNZ代表デイン・コールズが右隅を疾走。昨季までチームメイトだったボーデン・バレットを吹き飛ばし、右隅へ豪快に逆転トライ。8-7

トライ後にはハリケーンズメンバーが今季よりブルーズ移籍の元チームメイト、FBボーデン・バレットを祝福の輪に巻き込む一幕もあった。

1点差(8-7)に迫られたブルーズだが、今年はやはりひと味違うようだ。

中止前のスーパーラグビー2020で5勝2敗と好調だったブルーズだが、勢いの持続を感じさせる連携プレーを展開。
ヤマハ発動機でプレーしたワイサケ・ソトゥトゥを父に持つNO8ホーキンス・ソトゥトゥ、WTBクラークら効果的な突進をすると、ハイテンポでボールを動かし翻弄。

すると前半19分にはセンターのTJファイアネが、オフロードパスを受けて2トライ目を奪取した。

ハリケーンズも前半22分にWTBベン・ラムが1トライを返すが、地元ブルーズが14-13で後半へ。

迎えた後半40分間で、機先を制したのはやはりブルーズ。

後半10分には途中出場のFLダルトン・パパリィが絶妙なキックをグラウンディング。司令塔のSOオテレ・ブラックが難しいゴールキックを決め、21-13とリードを広げた。

この日のハリケーンズはラインアウトの成功率が73.7%と低調(ブルーズは85.7%)。さらにブレイクダウンでの新ルール適応にも苦しみ、後半20分までペナルティを連発した。

この機に乗じたブルーズは後半15、19、26分に3つのPGを成功。SOブラックのキック、プレーの安定性も光り30-13と突き放した。

一刻も早く追いつきたいハリケーンズだが、後半30分には敵陣右ゴール前のラインアウトで痛恨のミス。ボールロストし得点機を活かせない。

後半38分にサンウルブズにも所属した途中出場のSHジェイミー・ブースが、ラック脇にようやくグラウンディングするが、時すでに遅し。

ブルーズが地元の大声援に応えて、30-20で白星スタートを切った。ハリケーンズのイーデンパークにおける対ブルーズ連勝記録は5でストップとなった。

試合後には観客のピッチ入場が特別に許可され、待ちわびていた子供達が一斉に駆け出し、お目当ての選手にサイン攻め。

NZが勝ち取った記念碑的な試合は、選手と子供達が交流する幸せな光景で幕を閉じた。

文:多羅正崇

スーパーラグビー2020 アオテアロア 第1節

ブルーズ vs. ハリケーンズ ハイライト

多羅正崇

多羅 正崇

スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。

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