人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

ラグビー コラム 2020年3月27日

齋藤直人、2023年ワールドカップを目指したサンウルブスでの挑戦

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
  • Line

新型コロナウィルスの影響で、中断を余儀なくされているスーパーラグビー。参入5年目、そしてラストシーズンを迎えるヒトコム サンウルブズの中で、22歳ながら大いに存在感を示したのが、SH(スクラムハーフ)の齋藤直人(早稲田大学4年)だ。

4月からサントリーサンゴリアスでプレーすることが決まっているSH齋藤は、昨年12月に発表されたサンウルブズの2020年第1次スコッドの中で、大学生として名前があがった2人の選手のうちのひとりだった。

1月11日の大学選手権で、キャプテンとして早稲田大学の11シーズンぶりの優勝に貢献した齋藤だが、オフを4日とるだけで、すぐにサンウルブズに合流した。

「(優勝の)余韻に浸っていてはダメだ」と思ったという齋藤は「(合宿地の大分に)向かう飛行機の中で、自分の目標を書いて切り替えました。

一度、テストのために東京に戻りましたが、『優勝を忘れていたな』と思った。それくらいサンウルブズに集中しています」と話した。

北九州で行われたプレシーズンマッチにも出場し「去年までテレビを見て応援していたチームのジャージを着て、グラウンドに立てたのは嬉しいですが、まだ始まってもいないので、成長できるように頑張りたいです」と初のスーパーラグビーに意気込んでいた。

サンウルブズの大久保直弥HC(ヘッドコーチ)は「(齋藤は)プロ選手としてスーパーラグビーで何が必要か、そこのマインドセット(心構え)ができている。

プレー時間は少なかったですが、彼の持っている視野の広さ、パス、キックスキル。慣れてくれば今後、もっと生かせると思います」と期待を寄せていた。

そんな齋藤はすぐにチームに溶け込み、チーフス(ニュージーランド)戦、レッズ(オーストラリア)戦で先発し、その他の4試合では控えから出場。

開幕のレベルズ(オーストラリア)戦でも途中から出場して、素早いパスやタックルでチームの勝利に貢献した

「今までも外国のチームと対戦してきましたが、スーパーラグビー数試合でそういった感情は徐々がなくなってきた。

(外国勢の)大きい、速い相手に慣れてきました。すべてにおいて、まだまだ足りないですが、チームやブレイクダウンが劣勢での状況判断、パスが一番の課題です」。

試合前後で目立っていたのは、齋藤は他の大学生の選手や練習生とばかりいるのではなく、積極的に外国人選手に話しかけている姿だった。

サンウルブズには9カ国の選手が在籍しているため、当然、チームの公用語は英語。また、齋藤がポジションを争うライバルは、南アフリカ代表経験のあるSHルディー・ペイジだ。

齋藤は「スクラムハーフというポジションは信頼が必要なので、英語はしゃべれないですが、自分から積極的に関わる姿勢は見せているつもりです。

(周りの)全員がプロ選手ということで、グラウンド外の姿勢とかコンディションを整える行動とか、すべてが参考になります。こんな貴重な経験はムダにはできないですね」と説明してくれた。

桐蔭学園時代から注目されていた齋藤はジュニア・ジャパンで活躍し、大学3年時にはNDS(ナショナルディベロップメントスコッド)のニュージーランド遠征にも参加、2018年8月末には大学生で唯一、日本代表候補にも選出された。

いわば、2019年ワールドカップに最も近づいた大学生選手だったが、大学のシーズンや授業を優先しなければいけなかったこともあり、これまで日本代表キャップを得ることができなかった。

ただ、NDSで一緒に合宿したり、試合に出たメンバーが3人もワールドカップに日本代表として出場した。

自身もワールドカップ準決勝2試合をスタジアムで生観戦し、大いに刺激を受けており、「次のワールドカップこそは出場したい!」と語気を強めた。

2023年のワールドカップも日本代表を指揮することになったジェイミー・ジョセフHCも「2023年の『One Team』の一員になりたいと思っている若い選手も、今から挑戦を始めることが大切」と言った通り、大学ラグビーからすぐにマインドチェンジし、次の大会に向けて歩みを進めているというわけだ。

「もともと卒業式に出るつもりはなかった」「サントリーからはサンウルブズに集中して頑張れと言われていた」という齋藤は、1月からの3ヶ月間、チームメイトの元スプリングボクスのSHペイジに刺激を受けていた。

「ルディーはチームに声かけやプレーでエナジーを与えます。強気な判断もしていますし、まだまだ自分は足りないと感じています」

齋藤が「スーパーラグビーで対戦してみたい」と話していたオールブラックスのSHアーロン・スミスとのマッチアップは、行われるかどうかはわからないが、サンウルブズ、そしてスーパーラグビーで一回りも二回りも成長していることは間違いない。

世代のトップを走り続けてきた齋藤はこの経験を糧に、桜のジャージの「9」番をつかみとる。

文:斉藤健仁

スーパーラグビー2020 第1節

【ハイライト】サンウルブズ vs. レベルズ

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

J SPORTSで
ラグビーを応援しよう!

ラグビーの放送・配信ページへ