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ラグビー コラム 2020年3月17日

新型コロナウイルスの影響がついに… スーパーラグビー2020も第7節で中断

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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新型コロナウイルスの影響はついにスーパーラグビーにも及んだ。3月14日(土)夜、リーグを一時中断することが発表されたのだ。詳しくは後述するとして、中断前に行われた第7節を振り返っておこう。

写真:PGを決めて劇的な勝利へと導いたジョーディー・バレット

今節は3月13日(金)、ニュージーランド(NZ)北島ハミルトンで行われたチーフス対ハリケーンズのNZダービーで始まった。期待通りの僅差勝負になったが、互いにミスも多い展開となる。アウェイのハリケーンズは前半8分、WTBベン・ラムのトライで先制。チーフスのFBダミアン・マッケンジーのPGなどで応戦し、一進一退の攻防となった。17-14と、チーフスリードで迎えた後半17分、ハリケーンズに試練が訪れる。大黒柱であるSHのTJ・ペレナラのハイタックルでシンビン(10分間の一時退場)となったのだ。さらにトライとゴールを加えたチーフスが、24-14まで点差を広げる。しかし、ハリケーンズはあきらめず、24-24と同点に迫る。そして終了間際、FBジョーディー・バレットが約40mのPGを決めて劇的な勝利をあげた。

サンウルブズは、14日(土)、ブリスベンでクルセイダーズと対戦。王者クルセイダーズはオールブラックスの選手を休ませ若手主体のメンバー編成。一方のサンウルブズは前節から先発で5名のメンバー変更で臨んだ。立ち上がりから粘り強いディフェンスでピンチをしのいだサンウルブズは、前半18分、FLトム・クリスティーにトライを奪われたものの、31分、LOベン・ハインのトライとSOガース・エイプリルのゴールで7-7の同点に追いつなど健闘。後半16分までは、14-21と1トライ1ゴール差に食らいついた。

後半26分、クルセイダーズHOヒュー・ローチがサンウルブズのPRヘンカス・ファン・ヴィックの頭部に肘打ちをしたといてレッドカードを受け、直後にWTBセヴ・リースもサンウルブズのパスを叩き落とす故意のノックオンでシンビン(10分間の一時退場)。クルセイダーズは13人となる。しかし、前半からエンジン全開でプレーしたサンウルブズに逆転のパワーは残っていなかった。サンウルブズが相手陣に蹴り込んだキックは、ことごとくカウンターアタックされて失点しており、キックの使い方、その際のディフェンスに課題が出た。しかし、目指しているハイテンポのアタックを継続できないことこそ、最大の課題。試合を重ねてこれを改善してほしいところだが、一時中断によって先行きは不透明だ。

スーパーラグビー2020 第7節

【ハイライト】ヒトコム サンウルブズ vs. クルセイダーズ

このほか、南アフリカカンファレンスの首位攻防戦ではシャークスがストーマーズとの激闘を制した。この試合では、4PG、1ゴールを決めたシャークスのSOカーウィン・ボッシュの正確なプレースキックが光った。同カンファレンスは、1位シャークス、2位ストーマーズが変わらないが、3位につけるハグアレスの試合(対ハイランダーズ)は中止となった。オーストラリアカンファレンスは、ワラターズを47-14で破ったブランビーズが勝ち点23とし、2位のレベルズを10点引き離してダントツの1位。NZカンファレンスは、クルセイダーズが23点で1位、これを第7節で南アフリカのライオンズを43-10で下したブルーズが22点で2位、以下、チーフス、ハリケーンズが続いている。

写真:「チーム・オブ・ザ・シーズン」に選手されたLOマイケル・ストーバーグ

スーパーラグビーの公式サイトは、第7節を終えたところでの「チーム・オブ・ザ・シーズン」を発表。サンウルブズからLOマイケル・ストーバーグが選出された。ここまで全試合に出場しているストーバーグは、第1、3、5節で「チーム・オブ・ザ・ウィーク」に選出された。正確なラインアウトキャッチ、的確なタックルほか、好サポートからのトライも決めており、総合点で高く評価されている。

サンウルブズはまだ成長段階であり、各カンファレンスの順位争いの楽しみも膨らんだところでの中断は残念でならない。3月14日、スーパーラグビーを運営するSANZAARから出された声明の要旨は次の通り。「NZ政府の14日間の入国の際の隔離政策に伴い、今週末の試合をもって2020年のスーパーラグビーを一旦中断することが決まりました。選手やファン、報道陣の皆様にとって非常に残念な結果になってしまい申し訳なく思っています。しかしながら、複雑な試合のスケジュール、様々な国の場所で行っている試合をカバーすることを勘案すると、今回の結果にならざるを得ないと考えています」。

フランス最高峰リーグの「トップ14」ほか、世界各地のプロリーグも中断する事態となっている。1995年、アマチュアスポーツだったラグビーがオープン化され、プロが容認されるようになって世界中でプロリーグが発足した。以来、最大の危機を迎えたといえるだろう。新型コロナウイルス感染拡大の収まるのを願うばかりだが、日本でもトップ選手たちが、SNSで簡単にできるトレーニングなどを動画で紹介し、試合や練習ができない選手たちを励ますメッセージを発信している。いまできる範囲のことをする選手たちの前向きな行動には勇気づけられる。各リーグが再開されるまで、知恵を出し合い、この難局を乗り切りたい。

文:村上 晃一

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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