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ラグビー コラム 2020年3月16日

【ハイライト動画あり】サンウルブズ、王者・クルセイダーズに力負け。スーパーラグビー中断で遠征から帰国へ

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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スーパーラグビーは第7節を迎え、3月14日(土)、オーストラリアカンファレンス最下位のヒトコム サンウルブズは、ニュージーランドカンファレンスで2位につけている3連覇中のクルセイダーズと対戦した。

本来は秩父宮ラグビー場で開催されるはずだったこの試合だが、新型コロナウィルスの影響で、オーストラリア・ブリスベンのサンコープスタジアムに会場が変更となった。

なお、この試合は、サンコープスタジアムを本拠とするレッズvs.ブルズ(南アフリカ)の前に行われた。

サンウルブズは開幕戦で勝利を挙げて以来、4連敗でオーストラリアカンファレンスでも、全体でも最下位に沈んでいる。

厳しい戦いが続いているが、なんとか状況を打開すべく、大久保直弥HC(ヘッドコーチ)は、前節のブランビーズ戦から、FW(フォワード)2名、BK(バックス)2名を変更した。

LO(ロック)は開幕から先発出場を続けてきた谷田部洸太郎がリザーブに回り、ベン・ハインが初先発。ここまで全試合連続先発のマイケル・ストーバークとコンビを組んだ。

FL(フランカー)は、ジャスティン・ダウニーとニュージーランド出身のミッチ・ジェイコブソンが先発し、ベンチにはクルセイダーズでプレー経験のあるFLブレンドン・オコナーが入った。

BKは共同キャプテンの1人、CTB(センター)森谷圭介とFB(フルバック)ジェームズ・ダーガヴィルが復帰し、早稲田大学4年のCTB中野将伍が2試合ぶりに控えに入り、早稲田大学4年のSH(スクラムハーフ)齋藤直人とともにチャンスをうかがった。

一方、クルセイダーズはキャプテンのLOスコット・バレットを始め、PRジョー・ムーディー、HOコーディー・テイラー、SOリッチー・モウンガ、CTBジャック・グッドヒューと5人のオールブラックスが休養。

FWは5人、BKは3人の選手を入れ替えて、平均年齢23歳代という若い布陣で臨み、SHにはブリン・ホールが先発し、ゲームキャプテンを務めた。

また、昨年のワールドカップでニュージーランド代表として出場したWTB(ウィング)セヴ・リースとFBジョージ・ブリッジが前節に引き続き先発した。

ホーム扱いのサンウルブズは試合開始序盤、自分たちの反則などもあり、クルセイダーズに攻め込まれ、自陣での防戦が続く。それでも粘り強く戦うサンウルブズは相手のノックオンを誘い、ゴールラインを割らすことはなかった。

19分、クルセイダーズはキックカウンターを起点とした攻撃から、ラック後にFBブリッジがオフロードパスでCTBダラス・マクロードにつないで、最後は左サイドライン際にいたFLトム・クリスティーがトライ。

SOブレッド・キャメロンがゴールを決め、クルセイダーズが7点を先制する。対するサンウルブズは前半30分過ぎ、相手のペナルティから敵陣に攻め込み、チャンスをつかむ。

相手がミスしたボールをHOエフィ・マアフが持ち込みラックを形成後、この試合が初先発となったLOハインが左中間にねじ込みトライ。SOガース・エイプリルのゴールも決まって7-7の同点に追いつく。

だが、王者のクルセイダーズもすぐに反撃。36分、WTBレスター・ファインガアヌクが抜けだし、チャンスメイクすると、最後はWTBリースがインゴールを陥れ、サンウルブズは7-14と再びリードされてしまった。

サンウルブズは前半ラストプレーで、相手ゴール前でモールを組んで押し込むが、惜しくもトライならず、そのまま7-14で前半を折り返した。

後半、7点ビハインドのサンウルブズは、何としても先に得点を取りたかった。しかし2分、再びキックカウンターから攻め込まれて、相手のLOルーク・ロマノにトライを許して7-21とされる。

それでも粘るサンウルブズは14分、ラインアウトからのアタックでボールを継続して、SHルディ・ペイジのパスからSOエイプリルが中央突破し、そのままトライ。ゴールも決めて14-21と再び、7点差に追いつく。

だが、残り20分強、遠征が続いているサンウルブズには、王者をこれ以上追い詰めるパワーは残されていなかった。

17分には再びキックカウンターからWTBリースに、23分にはオフロードパスをつながれてFLシオネ・ハヴィリにトライを奪われ、一気に、14-35と点差を広げられてしまった。

ただ、残り10分強ほどクルセイダーズの規律が一気に乱れる。27分、入ったばかりのクルセイダーズでのデビュー戦だったHOフュー・ローチが、肘をPRヘンカス・ファン・ヴィックの頭に当てる危険なプレーでレッドカードの一発退場。

さらに29分、故意のノックオンによりWTBリースがイエローカードとなりシンビン(10分間の一時的退場)となり、サンウルブズは15人対13人と2人も数的に多い有利な状況となった。

しかし、絶好の機会にサンウルブズはアタックを仕掛けるものの、焦りや疲れからかミスをし、そのボールを逆にクルセイダーズがうまく活かされて、36分、WTBブレンドン・エノーにトライを献上。

ロスタイムにも、途中出場の20歳のSOファーカス・バークにトライを許し、そのまま14-49でノーサイドを迎えた。

スーパーラグビー2020 第7節

【ハイライト】ヒトコム サンウルブズ vs. クルセイダーズ

5連敗となってしまったサンウルブズの大久保HCは「クルセイダーズが、なぜスーパーラグビーのチャンピオンなのかという理由が、今日の試合でわかったと思います。

彼らは後半、13対15になった時でも、自分たちがどうディフェンスするべきかしっかり理解していました。

逆に我々は、そういった場面で曖昧な部分がゲームにそのまま出てしまったと思います。クルセイダーズは何をここでやらなければいけないかが明確でした。学ばなければいけません」とクルセイダーズの強さを振り返った。

続いて「前半のようにハイテンポのアタックを少なくとも、50~60分継続しなければ勝負できません。

スクラムにしても、ラインアウトにしても、バックスのコンビネーションにしても、小さな違いが結果を大きく変えてしまうことに繋がることを、ここまでの試合で何度も見てきました。精度を上げることはまだまだ改善できると思います」と話した。

共同キャプテンのひとりCTB森谷は、「チームとして動けていた時はやはりいいプレーができます。

しかし、そういったプレーが途切れてしまうのは、コネクションが足りない部分もありますが、自然とコミュニケーションをとって集中している時は、前半のように戦うことができるチームにはなっていると思います。

獲りきれるところをしっかり獲りきり、最後にスコアに結びつけられるようにされなれば、勝てるチームになると思います」と課題を挙げながらも前を向いた。

もう1人の共同キャプテンNO8(ナンバーエイト)ジェイク・シャッツは、「私たちは少し経験不足で、1対1のタックルをミスし、余裕がなかった」と唇を噛んだ。

一方、3トライ差以上のボーナスポイントを含め勝ち点5を挙げ、4連勝としたクルセイダーズのゲームキャプテンSHホールは「ちょっと荒くなった部分もあったが、(13人になっても)チームの回復力と個性を見せることができたと思う」とチームを称えた。

サンウルブズは勝ち点を取れぬまま最下位を脱することができず、逆にクルセイダーズはニュージーランドカンファレンス首位に返り咲いた。

この試合のキックオフ前にコロナウィルスの問題で、ニュージーランド政府の14日間の入国の際の隔離政策が発表された影響もあり、スーパーラグビーを運営するSANZAAR(サンザー)から、今週末の試合をもって2020年のスーパーラグビーを一旦中断することが決まった。

本来ならば、あと2週間オーストラリアに滞在し、2試合を行うはずだったサンウルブズも帰国することが決まった。再開の時期は未定だが、事態が早く収束してーパーラグビーが再開し、サンウルブズの勇姿が見たい。

文:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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