人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

ラグビー コラム 2020年3月12日

「ガットランド・エフェクト」は続く?ニュージーランドの強豪同士が激突するスーパーラグビー第7節「チーフス×ハリケーンズ」

ラグビーレポート by 多羅 正崇
  • Line

約1か月前、チーフスが金星を上げると、SNS上に「ガットランド・エフェクト(Gatland effect)」の文字が踊った。

2月8日のスーパーラグビー第2節、ニュージーランド(NZ)北島ハミルトンを本拠地とするチーフスは、NZ南島からやってきた3連覇王者クルセイダーズを25-15で破った。

王者撃破の快挙を受けて、英誌「ラグビーワールド」に寄稿する著名コラムニストのポール・ウィリアムス氏は、自身の4万人のTwitterフォロワーへ向けて「ガットランド効果はすぐ現れた」と投稿した。

2020年シーズン、チーフスは地元ハミルトン出身のウォーレン・ガットランドを新指揮官に迎えた。

‘07年からウェールズ代表の指揮官を12年間務め、欧州6か国対抗「シックス・ネーションズ」で4度の優勝、同国初の世界ランキング1位など数々の金字塔を打ち立て、’19年W杯では4位の好成績を収めた。

そんなNZ出身の世界的名将はW杯後、コリン・クーパーHCの後任として出身地のハミルトンに帰還。

4年契約の初年度をスタートさせ、そして開幕2戦目で4連覇を狙う王者を破ったのだった。

フランスリーグで3シーズンを過ごし、今季古巣に復帰したSOアーロン・クルーデンは、ガットランドHCについて地元記者にこう語っている。

「彼はゲームプランを遂行する能力、経験を持っています。しかし同時にプランA、B、Cの選択肢についても考えている」

クルーデンは特に、新HCのディフェンスのラインスピードに関する知識が、チームに変化をもたらしたと分析している。

名将のもとで変化を始めたチーフスは、第2節後も東京・秩父宮ラグビー場でサンウルブズに快勝するなど、ここまで4勝1敗と好調をキープ。

第6節終了時点で、NZカンファレンスの首位に立っている。

第7節で迎え撃つ相手は、同じNZ勢のハリケーンズ。チーフスのガットランドHCは「厳しい戦いになる」と語った。

「ニュージーランド・ダービーは厳しい戦いになる。ハリケーンズは先週末の敗戦で傷ついており、カムバックするために必死で向かってくるはずだ」

ガットランドHCの指摘する通り、ハリケーンズは前節ブルーズ戦(NZ)に15-24で敗れ、今季2敗目(3勝)を喫した。敗戦の大きな理由は3枚のカードだった。

後半7分にPRタイレル・ロマックスが頭部へのノーバインド・タックルで一発退場。さらに同28分、34分と立て続けにシンビン(10分間の一時退場)があり、一時は12人で戦った。

規律意識の修正も必要となる第7節の敵地戦で、ハリケーンズは2人の共同主将が先発を飾り、チームを引き締める。

今季初先発となるHOデイン・コールズ、そしてスクラムハーフのTJペレナラだ。

他の先発メンバーでは、今季売り出し中の23歳のFLデュプレッシー・キリフィ、万能型のNO8ガレス・エヴァンスらがFWを牽引。

バックスでは、ボーデン・バリットのブルーズ移籍により空いた10番をフレッチャー・スミスが務め、15番をバリット兄弟の末弟ジョーディーが背負う。

今季よりハリケーンズを指揮するジェイソン・ホランドHCは「先週のブルーズ戦は前半30分間の正確性に欠いていた。今週はその修正にフォーカスし、ハードワークしてきた」と語り、序盤戦を制したい考えを示した。

では迎え撃つチーフスの先発メンバーも見てみよう。

15番には、NZ代表の出場制限により休養していたダミアン・マッケンジーが復帰。先週はフルバックだったソロモン・アライマロはウイングへ回る。

10番を担うのは、抜群の安定感でチームの機構を維持するSOクルーデン。彼の存在によりマッケンジーがフルバックに専念することができ、時にダブル司令塔のように機能することができる。

先発FWでは、NZ代表のFLサム・ケイン主将をはじめ、驚異的な運動量、ジャッカルへの嗅覚で活躍しているノンキャッパー、FLラクラン・ボーシェー。

さらには好タックラーのLOミッチェル・ブラウン、キャリアーとしても存在感を放つHOサミソニ・タウケイアホなど強力メンバーが並ぶ。

指揮するガットランドHCは「私たちは規律意識を高める必要がある。サポーターが誇りに思うパフォーマンスを見せたい」と今季5勝目を誓った。

果たして厳しいNZダービーは、どちらに軍配が上がるのか。ガットランド・エフェクトは続くのか。

熱戦が期待できる「チーフス×ハリケーンズ」は3月13日(金)午後2:55からJSPORTS 1で生放送、JSPORTSオンデマンドでLIVE配信される。

文:多羅 正崇

多羅正崇

多羅 正崇

スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

J SPORTSで
ラグビーを応援しよう!

ラグビーの放送・配信ページへ