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スーパーラグビーは、レギュラーシーズンの1/3にあたる第6節が3月6日(金)~8日(日)に行われた。
南アフリカカンファレンス、また全体でも最下位のブルズがニュージーランドカンファレンス最下位で、全体13位のハイランダーズをホーム・プレトリアのロフタス・ヴァースフィールドに迎えた。
優勝3回を誇るブルズだが、南アフリカ代表6人を含む主力が抜けた影響もあり、開幕戦からここまで4連敗、勝ち点1と苦しい戦いが続いている。
南アフリカを代表する名門チームは前節のハグアレス戦から、NO8(ナンバーエイト)ムラ―・アイス、LO(ロック)イアン・グロエンワルドと、スーパーラグビーデビューの2人を含む、先発4人を変更して初勝利に臨んだ。
一方、ジェイミー・ジョセフ日本代表HC(ヘッドコーチ)がチームを率いていた2015年に初優勝を果たしたハイランダーズも、開幕から調子が上がっていない。
今シーズンもアシスタントコーチにマーク・ハメット、トニー・ブラウンと日本代表と関わりの深いコーチングスタッフで臨んでいるが、ここまで1勝3敗の勝ち点5と、好調なニュージーランド勢の中で、他のライバルに大きく水を空けられている。
また、キャプテンのFL(フランカー)ジェームズ・レンティースが、先週のレベルズ戦で負傷し、今シーズンのプレーが絶望的となってしまったこともあり、FW(フォワード)5人、BK(バックス)1名を変更し、2勝目に挑んだ。
最高気温26度の強い日差しの下、ブルズのSO(スタンドオフ)マニー・リボックのキックオフで試合は始まった。
ハイランダーズが青と緑を基調としたセカンドジャージーで臨んだが、ブルズのファーストジャージーとよく似ていたため、ファンは区別しづらかった。ただ、後半開始からブルズがアウェイのジャージに着替えたため、それも解消された。
序盤はお互い探り合う様子で試合が動いていたが、均衡が破れたのは前半11分、ハイランダーズはブルズのディフェンスが薄くなったところで、SH(スクラムハーフ)アーロン・スミス、CTB(センター)テイホランギ・ウォールデンとつなぐ。
そして最後はCTBジョシュ・イオアネがトライ。イオアネはゴールも自身で決めてハイランダーズが7-0と先制した。
なんとしてもホームで初白星を挙げたいホームのブルズも、16分、敵陣左10mのラインアウトをキープし、モールをドライブして、HO(フッカー)ヤコ・ヴィサヒがグラウンディングしてトライ。SOリボックのコンバージョンは外れたが、5−7とする。
その後はハイランダーズがハイパントキックを軸に攻めるが、ブルズも冷静に対応して、しっかりタッチに蹴って失点を許さないという拮抗した状況が続く。
35分、ハイランダーズがボールを継続して敵陣まで迫り、ラックで相手のペナルティを誘う。35分、SOイオアネのPG(ペナルティゴール)で3点を加えたハイランダーズが、10-5とリードして前半を折り返した。
後半、白とイエローのセカンドジャージーに着替えて戻ってきたホームのブルズだったが、先に点を取ったのはアウェイのハイランダーズだった。
ブルズのNO8(ナンバーエイト)マルコ・ファンステーデンがプレーを遅らせようとしてラックで手を使いペナルティを取られ、ハイランダーズはショットを選択。後半3分、CTBイオアネが左25mのPGを成功させ、13-5と点差を広げた。
8点差とされたブルズはここからギアを上げる。後半9分、SHエンブロス・パピエーが出したボールを右に展開し、FB(フルバック)ウォリック・ヘラントがディフェンダーをかわしながらコーナーに飛び込んでトライ。SOリボックのゴールも決まって12−13と1点差に迫る。
ブルズはさらに粘り強く攻め続け、16分、17フェーズを重ね、ラックからセブンズのスター選手でもあるWTB(ウイング)ロスコ・スペックマンが飛び込んでトライ。SOリボックのゴールも成功し、ついにブルズが19−13と逆転する。
勢いに乗ったブルズは21分、敵陣からWTBコーナル・ヘンドリックスがブレイクし、CTBディヴァン・ロッソウのオフロードからWTBスペックマンが連続トライ。26−13とリードを広げる。
さらに32分、ブルズは敵陣ゴール前から右へ展開し、SOリボックから替わったばかりのベテランSOモルネ・ステインが、左に走っていたWTBスペックマンにパスし。
スペックマンはハットトリックとなるトライ。SOステインのゴールも決まって33-13とハイランダーズを突き放す。
終了間際の40分にも相手のボールをインターセプトしたWTBヘンドリクスが、そのまま走り切りダメ押しトライ。結局、ホームのブルズが38-13と今季初白星を飾るだけでなく、3トライ差のボーナスポイントも獲得した。
ようやく今シーズン初勝利を挙げたブルズのポート・ヒューマンHCは、「待ちに待った勝利が飾れた。とにかく選手が良くやってくれたと思う」。
「スクラムもモールも強かった。いくつか不用意なペナルティは取られてしまったが、後半はブルズのラグビーができた。このようなパフォーマンスをこれからも続けていきたい」と満足た様子で語った。
キャプテンのPR(プロップ)トレヴァー・ニャカネも「僕たちにはとにかく勝利が必要だった。そのために少し空気を変える必要があって、楽しんでやることが大切だった」。
「そういった意味で選手たちは皆、特に若い選手たちが力を発揮してくれた。この勝利で自信を取り戻すことができたと思う」と、笑顔で語った。
ハットトリックを達成したWTBスペックマンも「若い選手がエナジーをくれた。ターンオーバーから作ってくれたチャンスは、絶対にトライにつなげようと思った」と感謝した。
一方、3連敗を喫したハイランダーズのアーロン・メイジャーHCは、「チャンスを作ってプレッシャーをかけようとしたが、うまくいかなかったのがチームの現状を反映している」。
「ケガ人も多く、若いチームだが、自分たち自身がまずプレッシャーに勝たないといけない」と肩を落とした。
ゲームキャプテンを務めたSHスミスも、「後半に多くの課題が出た。前半はゲームをコントロールして、テリトリーも取っていたが、やはりもっと点を取らなければいけなかった」。
「ブルズはボールをワイドに展開していたので、少しでもこちらがミスをすれば、危険なバックスリーにやられてしまった」と悔しさを隠さなかった。
ようやく初白星を挙げ、勝ち点を6としたブルズは、南アフリカカンファレンス4位、全体11位に浮上した。次節は3月14日(土)、オーストラリア・ブリスベンに移動して、アウェイでレッズと対戦、このままの勢いで連勝を目指したい。
勝ち点を積み上げることができず、勝ち点5のままニュージーランドカンファレンス最下位&全体でも13位のハイランダーズは、3月15日(日)にアルゼンチン・ブエノスアイレスでハグアレスと激突する。なんとかアウェイで勝利し、悪い流れを断ち切りたい。
文:斉藤健仁
スーパーラグビー2020 第6節
【ハイライト】ブルズ vs. ハイランダーズ
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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