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今季のシャークスは強い。
南アフリカのダーバンを本拠地とするシャークスが、2月29日(土)、スーパーラグビー第5節で、1勝3敗のレッズ(オーストラリア)と敵地で激突し、33-23で競り勝った。
レッズの牙城であるサンコープスタジアムで、地力を見せた。
3-3で迎えた前半15分。
敵陣でラインアウトモールを組み、昨秋のW杯に追加招集されたPRトーマス・デュトイの推進力もあり大きく前進。HOキーロン・ファンヒューレンが先制トライを挙げた。3-8
シャークスは開幕前にFWの迫力不足を懸念されていた。看板FWだった南アフリカ代表のテンダイ・ムタワリラ、ジャンルックとダンのデュプレア兄弟らがチームを去ったのだ。
しかし蓋を開けてみると、NO8シクンブーゾ・ノーチェら新戦力が躍動。花形バックスを支えている。この日もFW一丸のモールトライで先制し、勢いに乗った。
ただホームゲームを落とせないレッズも反撃。
前半18分にSOジェームズ・オコナーのパスを受けてWTBヘンリー・スペイトが左隅に同点トライ。8-8とした。
前半はPG(ペナルティーゴール)で3点を加えたレッズが11-8でリード。迎えた後半は、シャークスが機先を制した。
後半5分、敵陣でのスクラムからCTBルカンヨ・アム主将が左隅でゲイン。振り戻しのアタックでNO8ノーチェがDFをノックアウトさせるビッグヒット。
さらに爆発的な加速力を持つPRオクス・ンチェがゲインすると、U20南アフリカ代表の21歳、FLディラン・リチャードソンが逆転トライ。強力ランナーがハイテンポで走り込む攻撃で11-15と逆転した。
粘るレッズは後半11分に1トライを返したが、シャークスはSOカーウィン・ボッシュの2本のPG、CTBアム主将のインターセプトトライ(後半30分)で突き放すと、決定打は後半35分だった。
今季ストーマ-ズから移籍してきたNO8ノーチェが自陣からビッグゲイン。ハンドオフとステップを駆使して独力で突破した。
最後は昨年のカリーカップ(南ア国内選手権)トライ王、22歳のWTBマドッシュ・タンブエが快足を飛ばしてトライ。
レッズもロスタイムで攻め続け、88分にモール攻撃から意地の1トライ。
しかし10点差(23-33)で終戦し、7点差以内の敗戦によるボーナスポイントの獲得もならず。今季4敗目を喫した。
充実のシャークスは、今回のオーストラリア遠征で2連勝。4勝1敗と大きく勝ち越した。
勝ち点は16に伸び、全15チーム中で堂々の2位だ。
ちなみに第5節終了時の総合順位は1位ストーマーズ、2位シャークス、3位ハグアレス。試合数の差はあるものの、南アフリカ・カンファレンス勢が上位を独占している。
過去4度の準優勝を誇るシャークスだが、過去4年はプレーオフの8強止まり。
首脳陣は今年、2014年以来のトップ4、そして初の栄冠を思い描いているはずだ。シャークスの快進撃はどこまで続くのだろうか。
文:多羅 正崇
【ハイライト】レッズ vs. シャークス|スーパーラグビー2020 第5節
多羅 正崇
スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。
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