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ラグビー コラム 2020年2月28日

小倉、中野にティム・ホラン息子。見どころ満載の「ハリケーンズ×サンウルブズ」。スーパーラグビー第5節

ラグビーレポート by 多羅 正崇
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海外遠征中のサンウルブズが、ニュージーランド(NZ)の強豪ハリケーンズに立ち向かう。

南半球を中心とした5か国15クラブによる最高峰リーグ「スーパーラグビー2020」。

リーグ参戦5年目で1勝2敗の日本チーム・サンウルブズは、2月29日(土)第5節、NZ北島のネイピア(マクリーンパーク)で、2勝1敗のハリケーンズと激突する。

ハリケーンズは2016年以来2度目の優勝をめざしている強豪。過去5年シーズンで優勝1回、準優勝1回、四強3回と安定している。

ゲームデイは最高気温が30度に迫る予報もあり、厳しい闘いが待ち受けているだろう。

ただ今季のハリケーンズは不調からのスタートだった。

アシスタントコーチから昇格したジェイソン・ホランドHC(ヘッドコーチ)が新指揮官となったが、ストーマーズ(南アフリカ)との開幕戦で0-27の完封負け。

アルゼンチンに移動しての第2戦は、地元ハグアレスに26-23で辛勝。FBジョーディー・バレットがNZのペナルティーゴール(PG)成功最長飛距離を更新する63mのPGを決めるなどし、なんとか競り勝った格好だった。

そして今季初のホームゲームだった第3節で、好調のシャークス(南アフリカ)を38-22で下して2勝目を挙げた。

調子は右肩上がりだが、優勝した’16年のような選手層、完成度は見られず、これから自信を深めていくチームだろう。

絶対的司令塔だったボーデン・バリットのブルーズ(NZ)の移籍はいまだ不安要素。空いた10番はフレッチャー・スミスとジャクソン・ガーデン・バショップが競り合い、安定していない。

他にも主力だったLOサム・ラウシ(英スカーレッツ)、マット・プロクター(英ノーサンプトン)が北半球へ移った。

ただサンウルブズ戦の出場メンバー23人を見てみると、やはりラグビー王国らしく充実したメンバーが並ぶ。

NZ代表のスクラムハーフ、TJペレナラはチームの顔。ジャッカルも得意なリーダーだ。

コンビを組む10番のフレッチャー・スミスは完封負けを喫した開幕戦以来の先発。10番定着へ重要な一戦になる。

NZ代表経験のある先発メンバーでは、好タックラーのPRタイレル・ロマックス、優れたキャリアーであるFLヴァエア・フィフィタ、万能型のNO8ガレス・エヴァンス。

惜しくも’19年W杯メンバーから落選したCTBンガニ・ラウマペは、命知らずの弾丸ランが見物だ。防御網へトップスピードで突っ込み、活路をこじ開ける。

WTBベン・ラムは’18年のトライ王。今季終了後の仏ボルドー入りが報じられており、渡仏前に大きな結果を残したいシーズンだ。

若返りも図る今季のハリケーンズで、22歳のFLデュプレッシー・キリフィは出色。昨季デビューで身長180センチと小柄だが、タックルとジャッカルを得意とする有望な正統派フランカーだ。

そして、同じく22歳で、すでにNZ代表2キャップを持つHOアサフォ・アウムア。驚異的な脚力とハンドオフが売りで、リザーブに入ったPRアレックス・フィドウと共に20歳以下の世界大会で大活躍した。

アウムアと同ポジションで実績で勝るリッキー・リッチテリはリザーブ入り。'19年W杯に出場したHOデイン・コールズは負傷によりメンバー外。同じくW杯出場のFBジョーディー・バレットも出場はない。

そんな強力布陣のハリケーンズを相手に、サンウルブズは’11年W杯の会場でもあったマクレーンパークで番狂わせを狙う。

5-64で大敗した先週のレッズ戦(オーストラリア)から、先発は9人変更された。レッズ戦後に負傷離脱したクリス・イーヴズ、ジョーダン・ジャクソン=ホープ、べン・テオの影響もある。

スクラムを最前列で組むフロントロー(FW第1列)では、今季好調のジョージア代表HOジャバ・ブレグバゼ。

ロックコンビは先発復帰の谷田部洸太郎(パナソニック)と、ここまで全試合に先発のマイケル・ストーバーグ(近鉄)。

両フランカーは好タックラーのFLミッチ・ジェイコブソンと、先週は途中出場からジャッカルも披露したテビタ・ツポウ(パナソニック)。

ハーフバック団は怪我から先発復帰のルディー・ペイジ。そして10番には、NTTコムからシーズン途中でサンウルブズに加入したSO小倉順平。’17年シーズン以来のスーパーラグビー出場となる。

SO小倉は早大出身だが、12番のCTBで後輩の中野将伍が初先発を飾る。

中野は先週も途中出場から好タックルを見せており、13番のCTB森谷圭介(パナソニック)とコンビを組む。

今年大学日本一に輝いた早大4年の中野は、大学NO1センターの声もある大型センター。そして対峙する相手センターは、ラウマペ、ヴィンス・アソという世界最高峰のプレイヤーだ。

日本の大学ナンバーワンは、世界の一線級にどこまで食い込めるのか。今からキックオフが待ち遠しい。

両ウイングは、攻守に身体を張れるジェームス・ダーガヴィルとシオサイア・フィフィタ(天理大)。

そしてフルバックは、スーパーラグビー初出場・初先発となる22歳のアレックス・ホラン。

父はW杯2大会で優勝(’91、’99年)している名選手、元豪州代表センターのティム・ホランだ。歴代最高の豪州代表12番の話題では、100人中100人が候補にその名を挙げるであろうレジェンドだ。

まさかあのティム・ホランの息子が、サンウルブズでスーパーラグビー・デビューを飾ることになるとは――往年のラグビーファンは、つい背番号15を追いかけてしまうかもしれない。

サンウルブズはハリケーンズと過去3戦3敗。初勝利となれば、昨年のチーフス戦以来2度目のNZチームからの白星となる。

見どころは満載だ。スーパーラグビー2020の第5節「ハリケーンズ×サンウルブズ」は2月29日(土)午後0:30からJ SPORTS 4で生放送、J SPORTSオンデマンドでLIVE配信される。

文:多羅 正崇

多羅正崇

多羅 正崇

スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。

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