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ラグビー コラム 2020年2月25日

これがスーパーラグビー。海外遠征初戦でサンウルブズが大敗。スーパーラグビー第4節

ラグビーレポート by 多羅 正崇
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海外遠征の初戦で、狼軍団は大敗を喫した。

スーパーラグビー参入5年目のサンウルブズ(日本)が2月22日、オーストラリア・ニュージーランド遠征の初戦、第4節レッズ戦(オーストラリア)に臨み、5-64で今季2敗目を喫した。

2月1日の開幕戦でレベルズ(オーストラリア)を36-27で破り、世界のラグビーファンを驚かせたサンウルブズだが、今回は守備の整備不足が大きく響いた。

ただ1月6日に始動して、まだ約7週間だ。年単位の強化計画のもとで「1年目はアタック、2年目はディフェンス」といった具合に完成度を高めるチームもあるなか、昨季からメンバーも一変しているサンウルブズにすべてを求めることはできないだろう。

相手となったレッズは、元NZ代表のレジェンドであるブラッド・ソーンHCが就任3年目。ソーンHCは地元の国内選手権チーム(クイーンズランドカントリー)も指揮するなど、地域レベルから地道に強化を図ってきた。

しかし今季のレッズは惜敗続きで開幕3連敗。勝利に飢えており、レッズにしてみれば本拠地で惨めな姿を見せるわけにはいかなかった。

サンウルブズの守備は序盤から綻んでいた。

開始47秒でノックオンにより攻守交代が起きると、相手のファーストアタックから接点で守勢に回った。

レッズは早々に手応えを感じたのだろう。前半4分、レッズは敵陣エリア中央でPK(ペナルティキック)を得たが、ペナルティゴール(PG)は狙わず。

ラインアウトモールに懸け、狙い通りにFLリアム・ライトが先制トライを奪った。5-0

後半7分には体重132キロの巨漢プロップ、タニエラ・トゥポウを止められず連続失トライ(12-0)。

「今日はイージーミスでトライに繋げられるなど、厳しい試合展開が続きました」(FL吉田杏) サンウルブズは個人では献身的なタックルも光り、FLミッチ・ジェイコブソン、WTBジェームス・ダーガヴィル、SH齋藤直人らが鋭く刺さった。

ただ組織としては守勢に回り、特に攻守交代直後に広いスペースをたびたび攻略された。

相手のラインアウトモールを止める見せ場もあったが、レッズは前半15分、アングルをつけてゴール前防御を切り裂いたCTBハンター・バイサミが3トライ目。19-0

前半24分頃にはラインアウトモールで取りきれず得点機を逃し、スクラムでも劣勢となって自陣へ後退。

手詰まり感が漂い、五分五分のパスに勝機を見出すが、ここでミスが起こる悪循環に陥った。

さらに1トライを失った前半32分、攻守に機能するCTBベン・テオが危険なタックルでシンビン(10分間の一時退場)。14人の間にさらに2トライを奪われ、36点ビハインドで後半へ向かった。

後半もサンウルブズは劣勢に立たされる。

後半4分にSH齋藤のパスが自陣で繋がらず、相手9番のテイト・マクダーモットが後半最初のトライ。同8分にもパスミスからトライを奪われ、ビハインドはついに大台の50点となった。

ただ大量失点のサンウルブズで、存在感を発揮する途中出場組もいた。

後半16分より途中出場していたテビタ・ツポウ(日本航空石川-大東大)がジャッカル成功。

こちらも途中出場の森⾕圭介が正確なクロスキックをWTBシオサイア・フィフィタに通して、この日チーム初トライ。50-5

しかしサンウルブズの得点は以降はナシ。

トライ直後に不用意なキックからカウンターを許し、レッズは途中出場でU20豪州代表だった20歳、ジョシュ・ナッサがスーパーラグビー初トライ。

サンウルブズはSH齋藤に代わって途中出場のルディー・ペイジが、巧みな配球でWTBダーガヴィルの右隅トライをお膳立てするが、ここは直前の反則によりノートライ判定。

後半32分にもトライを許していたサンウルブズは64-5で敗北を喫した。

今季2敗目となった大久保直弥ヘッドコーチは「今シーズン初めての海外遠征、アウェイ戦となりましたが、ハードな移動、環境の変化、そういった中でも常にベストパフォーマンスを出さなければいけないのがスーパーラグビーの世界です」

「しかし今夜は明らかにレッズの方が我々よりも勝ちに対してハングリーだったと思います」と語り、モチベーションの差に言及した。

また選手では、天理大のWTBフィフィタが「今夜の試合は非常にミスが多かったです。自分たちのラグビーが全くできず、苦しい時間帯の方が多かった」

「真冬の日本から移動し、厳しい環境の変化はありましたが、今夜の試合は準備日の練習時よりも涼しかったですし、環境の変化は言い訳にはなりません」と殊勝な敗戦のコメントを寄せた。

サンウルブズはオーストラリアからタスマン海を渡ってニュージーランドへ移動し、2月29日(土)、2勝1敗のハリケーンズ(ニュージーランド)と対戦する。過酷なシーズンは始まったばかり。気落ちしている暇はない。それがスーパーラグビーだ。

文:多羅 正崇

【ハイライト】レッズ vs. サンウルブズ|スーパーラグビー2020 第節

多羅正崇

多羅 正崇

スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。

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