人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

ラグビー コラム 2020年2月16日

全勝&師弟対決、パナソニックが最後に東芝を突き放す。トップリーグ第5節

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
  • Line

写真:2万2000人を集めた熊谷での全勝対決

1週間の休みを経て、迎えた2月15日(土)のトップリーグ第5節、埼玉県・熊谷ラグビー場では、開幕4連勝で首位を走るホームのパナソニック ワイルドナイツが、同じく全勝で3位につけている東芝ブレイブルーパスと激突した。

1試合目にはキヤノンイーグルスvs.ホンダヒートが行われ、2019年のワールドカップで活躍した多くの選手が出場することもあり、前売りチケットは完売。

熊谷ラグビー場で行われた開幕戦の1万7222人を超える2万2705人のファンが集った。そのためスタジアム周辺では試合前から渋滞が続き、最寄りの熊谷駅からバスやタクシーは40分待ちという盛況ぶりだった。

試合は東芝の共同キャプテンの1人、SH(スクラムハーフ)小川高廣が「パナソニックに対して自分たちは最高の準備ができたと思います。ゲームの内容も、やろうとしたことができた」と話した通り、序盤、試合を優位に進めたのはアウェイチームだった。

東芝は日本代表スキッパーNO8(ナンバーエイト)リーチ マイケルら、強いランナーを当てて、しっかりと空いたスペースにボールを運ぶラグビーを展開。

前半3分、アタックを継続し、最後はFB(フルバック)ティム・ベイトマンがトライ、SH小川がゴールも決めて、7-0と先制する。

ホームのパナソニックも負けていない。13分、左に大きく展開した後、帝京大学出身の新人のWTB(ウイング)竹山晃暉が抜けだし、最後は内をフォローしたFL(フランカー)長谷川峻太がトライを挙げて5-7とする。

16分、東芝もすぐに反撃して、WTB(ウィング)ジョネ・ナイカブラがインゴールで押さえて、14-5とリードを広げる。ただ、前半の残り20分はパナソニックの時間帯になる。

23分にSO(スタンドオフ)松田力也がPG(ペナルティゴール)を決めると、29分にはボールを継続して最後はLO(ロック)ヒーナン ダニエル、32分にはスクラムを起点に好調のCTBディラン・ライリーが抜け出してトライ。22-14と逆転に成功する。

東芝も前半終了間際、SH小川がPGを決めて、17-22と5点差に追い上げて前半を折り返した。

写真:ゲームキャプテンの堀江

後半、勝利に執念を見せる東芝が攻勢を強める。後半6分、BK(バックス)も加わってのモールから、途中出場のHO(フッカー)橋本大吾がグラウンディングし22-22の同点に追いつく。

さらに10分、相手のパスミスからラインアウトを得た東芝は、SOジャック・ストラトンが抜け出し、最後はWTBナイカブラが今日。2つ目のトライを挙げて27-22と逆転に成功した。

しかし、ここから強さを見せたのが「野武士軍団」こと、ワイルドナイツだった。この試合、ゲームキャプテンを務めたHO堀江翔太は「ペンチの選手が期待通りの動きをしてくれた」と話したとおり、途中出場の選手がチームに勢いを与えた。

18分、モールから途中出場のオーストラリア代表FLデービット・ポーコックが抜け出して、最後は地元出身のSO山沢拓也がフィニッシュして、再び29-27と試合をひっくり返した。

その後はパナソニックが猛攻をしかける。28分にはボールを継続して左隅にWTB竹山がトライ、32分には相手の隙を見逃さなかったSH小山大輝が、中央を抜けだしガッツポーズをしながらトライ。

ロスタイムには再び、SH小山がトライを挙げて、終わってみれば最後に4連続トライを決めたパナソニックが46-27で快勝した。

パナソニックは7トライを挙げて、3トライ差のボーナスポイントも加えて、開幕から無傷の5連勝で総勝ち点を25として首位をキープした。

この試合のMOM(マン・オブ・ザ・マッチ)には、セットプレーと接点で働き続けたパナソニックのLOサム・ホワイトロックが選出された。

良い時間帯もあったが、最後は突き放された東芝のトッド・ブラッグアダーHC(ヘッドコーチ)は「アタックは自分たちができる可能性の部分を示せた。いくつかの瞬間を除いては、それなりにディフェンスもできていた」。

「ブレイクダウンは微妙な判定もあったが、そういったものも含めて、試合にインパクトを与えた。ここからもっといいチームにしたい」と敗戦したものの、手応えを感じていた。

写真:パナソニックが終盤に突き放す

共同キャプテンのSH小川は「アタックもディフェンスもブレイグダウンで苦労してしまった。プレッシャーを受けた。パナソニックにいいディフェンスされて、その後のアンストラクチャーのボールをうまく活かされた」と唇をかんだ。

ホームで5連勝を達成したパナソニックのロビー・ディーンズ監督は「前半序盤、苦しい時間帯もあり、相手にプレッシャーをかけられたが、後半立て直した」。

「後半、ベンチから出てきたメンバーがインパクトを与えて、チームを上に持ち上げてくれた」と笑顔を見せた。

また、かつてクルセイダーズで教え子だった東芝のブラッカダーHCと指揮官同士で対戦したことに関して、ディーンズ監督は「試合前、直接彼と話をして、同じチームじゃないというのにすごい違和感だと話した」。

「彼と私の間には長い歴史があって、私の現役時代の最後の試合で彼と一緒にプレーをした。今日も東芝の監督として素晴らしい功績をあげている」と称えた。

ゲームキャプテンのHO堀江は「前半、何が悪かったのかしっかりと明確にして、自分たちがやってきたこと以外するな、という話をずっとしていた」。

「あとは選手たちがひとりひとりの判断だったり、やるべきリーダーだったりが率先してチームを引っ張ってくれた。最後、ボーナスポイント取れて良かったと思います」と安堵の表情を見せた。

首位をキープしたパナソニックは次節2月22日(土)に、大阪府・花園ラグビー場でNTTドコモレッドハリケーンズと対戦する。

今シーズン、初黒星を喫した東芝は、2月23日(日)に、兵庫県・神戸総合公園ユニバー記念競技場で、パナソニックと同じく開幕から全勝で2位につける神戸製鋼コベルコスティイーラーズと対戦する。

文/写真:斉藤健仁

ジャパンラグビー トップリーグ2020

【ハイライト】パナソニック ワイルドナイツ vs. 東芝ブレイブルーパス

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

  • Line

関連タグ

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

J SPORTSで
ラグビーを応援しよう!

ラグビーの放送・配信ページへ