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1月12日に始まったジャパンラグビートップリーグは4節を終えて、先週の休みを挟み、2月15日(土)16日(日)の今週末は第5節を迎える。
2月15日(土)は、埼玉県・熊谷ラグビー場で現在、首位を走っているパナソニックワイルドナイツと、3位の東芝ブレイブルーパスの開幕全勝同士の2チームが激突する。
パナソニックは、前節のキヤノンイーグルス戦で、キャプテンのHO(フッカー)坂手淳史が試合開始早々に危険なプレーで一発退場となってしまい、ほぼ80分を14人での戦いを余儀なくされた。
それでもチーム一丸となって戦い、7トライを挙げ51-17で快勝。すべての試合でボーナスポイントを獲得し、開幕4連勝で勝ち点20と首位を走る。
PR(プロップ)稲垣啓太が「(2013年度から)3連覇したときとチームの雰囲気が似ている」と話すように、チームは自信と手応えを感じている。
だが、HO坂手は3試合の出場停止となったため、今回の試合では日本代表のベテランHO堀江翔太が先発し、ゲームキャプテンも務める。
リザーブには天理大学出身のルーキー・島根一磨が初めてメンバー入りし、トップリーグデビューのチャンスをうかがう。
ほかには3番PR(プロップ)がクリス・キングから平野翔平に代わった以外は、ニュージーランド代表LO(ロック)サム・ホワイトロックら、キヤノン戦とFW(フォワード)の先発メンバーは変わらない。
BK(バックス)陣もWTB(ウイング)竹山晃暉が11番に、梶伊織が14番と入れ替わった以外は前節と同じメンバーで、日本代表のSO(スタンドオフ)松田力也が3試合連続で先発。
ここまで全試合先発の南アフリカ代表CTB(センター)ダミアン・ディアリエンディ、前節でMOM(マン・オブ・ザ・マッチ)に輝いた22歳のCTBディラン・ライリーらが出場する。
また、ベンチにもオーストラリア代表FL(フランカー)デービッド・ポーコック、日本代表経験のある熊谷出身のSO山沢拓也ら強力なメンバーが控える。
ロビー・ディーンズ監督は、「1週間空くので、(選手たちには)心身ともにリカバリーしてもらいます。ホーム(の熊谷)で東芝と戦えることは楽しみです」とコメント。
ゲームキャプテンのHO堀江も「(東芝は)いいチームなので、ラグビー忘れるくらいしっかり休んで東芝戦に備えたい」と前節の試合後に語ったように、休養明けのホームでの対戦に自信をのぞかせている。
一方、昨シーズン11位と低迷した東芝だが、今シーズンはトッド・ブラックアダー新HC(ヘッドコーチ)の下、開幕戦でライバルのサントリーを26-19で下して勢いに乗った。
開幕から4連勝、2位の神戸製鋼コベルコスティーラーズと同じ勝ち点18で、得失差で3位につけている。今週は前節の三菱重工相模原ダイナボアーズ戦から先発6名を入れ替えて、全勝対決に臨む。
FWは元日本代表のPR三上正貴以外は、フロントローを2人入れ替え、HO森太志、PR深村亮太が先発。LOは前節のリンドン・ダンシェアに代えて小瀧尚弘がスターターに名を連ね、NO8(ナンバーエイト)には日本代表キャプテンのリーチ マイケルが入った。
BKは共同キャプテンの1人、SH(スクラムハーフ)小川高廣が、SOジャック・ストラトンとハーフ団を構成。
前節CTBでプレーしたティム・ベイトマンが、新人の桑山聖生にかわってFB(フルバック)を務め、WTBは松延泰樹に代わり、新人の濱田将暉。CTBはジョニー・ファアウリが入った。
ブラックアダーHCは、「『ここからの試合は強いチームとの対戦となり厳しい試合が続くが……』と周囲から言われるだろう。しかしそれは違う」。
「我々自身も強いチームであり、他チームも我々と対戦するこれからを厳しい状況だと感じているはずである」。
「『厳しい試合』とは、他チームが我々ブレイブルーパスと戦うことを意味しているのだから」(東芝公式サイトより)と、先週の試合後のミーティングで語っているように、やはり連勝で培った手応えを感じている。
個々の選手の能力の高いパナソニックは、開幕から伝統の堅守速攻を武器にトライを量産している。東芝はブラックアダーHCの下、激しさだけでなくボールを動かすラグビーが徐々にチームに浸透しつつある。
また、パナソニックのディーンズ監督と東芝のブラックアダーHCは、スーパーラグビーのクルセイダーズで、HCとキャプテンとしてチームを3度の優勝に輝いている。
そして、ディーンズ監督がHCを退任した後の後任として、ブラックアダーHCがクルセイダーズを率いている。今回、日本のトップリーグで初めて師弟対決となった。
4シーズンぶりの5度目の優勝を狙うパナソニックと、2009年度以来となる6度目の制覇を目指す東芝。今シーズンの優勝を占う大一番は、両者にとって負けられない対決となった。
試合は2月15日(土)午後2時に埼玉県・熊谷ラグビー場でキックオフされる。
文:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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