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ラグビー コラム 2020年2月3日

14人のパナソニックがキヤノンを圧倒し4連勝。トップリーグ第4節

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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写真:ゲームキャプテンを務めたHO堀江

2月2日(日)、ジャパンラグビートップリーグ第4節、キヤノンイーグルスとパナソニック ワイルドナイツの一戦が、東京都・町田GIONスタジアムで行われた。

ワールドカップに出場した日本代表が6人がメンバー入りしたこともあり、スタジアムは満員の9120人が集った。

2勝1敗で勝ち点9、6位につけているホームのキヤノンは日本代表のSH(スクラムハーフ)田中史朗が、古巣のパナソニックと初めての対戦となり、同じく日本代表SO(スタンドオフ)田村優とハーフ団を組んだ。

すべて3トライ差以上のボーナスポイントを取って、3連勝で首位に立つパナソニックは、キャプテンのHO(フッカー)坂手淳史をはじめ、PR(プロップ)稲垣啓太、SO松田力也、控えのHO堀江翔太と4人の日本代表がメンバー入りした。

また、キヤノンには南アフリカ代表CTB(センター)ジェシー・クリエル、パナソニックにはニュージーランド代表LO(ロック)サム・ホワイトロック、南アフリカ代表CTBダミアン・デアリエンディ、オーストラリア代表FL(フランカー)デービッド・ポーコックと、昨年のワールドカップで活躍した各国代表のスター選手も名を連ねた。

写真:試合中に話し合うキヤノン田中と田村

キヤノンのSH田中が12シーズン在籍した古巣との対決や、日本代表の2人のスタンドオフ対決など注目を浴びた試合は13時にキックオフされたが、試合開始早々から思わぬ展開になり、いきなり試合が動いた。

前半3分、パナソニックのキャプテンHO坂手が、タックルに来たキヤノンのCTB(センター)三友良平の顎に肘が当たってしまい、危険なプレーとみなされてレッドカードとなり一発退場。

数的有利となったキヤノンは前半5分、敵陣でボールを大きく動かし、最後はCTBクリエルが右隅にトライ。SO田村のゴールは外れたが5-0と先制する。

しかし、1人少なくなったパナソニックも負けていない。前半8分のSO松田のPG(ペナルティゴール)は外れてしまうが、直後の10分、CTBディラン・ライリーがラインブレイク。

オフロードパスを通して、CTBデアリエンディがゴール正面にトライ。SO松田のゴールも決まって7-5と逆転に成功。

写真:難しい試合も落ち着いたゲーム運びを見せたパナソニックSO松田

16分、スクラムを組むため、パナソニックはFLベン・ガンターが退き、HO堀江が入った。

前半22分にパナソニックはSO松田のPGで3点を追加し、10-5とする。だが、FW(フォワード)が1人多いキヤノンは28分、FWのモールでプレッシャーをかけ、最後はFB(フルバック)エスピー・マレーが右隅にトライを挙げて10-10と同点に追いつく。

しかし、前半残り5分となったところで、パナソニックが猛攻を見せる。35分、相手のラインアウトミスからボールを展開し、最後はSH内田啓介がトライ。

さらに38分、ラインアウトの攻撃からCTBデアリエンディがチップキックを蹴って自ら拾うと左に展開。最後は右オープンスペースのFB野口竜司が内に切れ込んでトライ。SO松田のゴールも決まり、22-10としてパナソニックのリードで折り返す。

後半、ホームのファンの前で意地を見せたかったキヤノンだが、1人少ないパナソニックのペースで試合が進む。

パナソニックは前半以上に、アタックではシンプルにゲインラインを取り、ディフェンスでは接点に人をかけないプレーを徹底。後半3分、SO松田のPGでさらに3点を重ね25-10。

さらに後半11分、スクラムを起点にパナソニックは連続攻撃を見せて、最後は帝京大学出身のルーキーのWTB(ウイング)竹山晃暉が右中間にトライ。32-10と大きく突き放す。

キヤノンは16分、敵陣ゴール前でのラインアウトからフェーズを重ね、SO田村からWTB山田聖也にパスが渡り、ゴール右隅に飛び込んでトライ。難しい角度からSO田村がコンバージョンを決めて17-32とする。

しかし、キヤノンの反撃はここまで。パナソニックは29分にゴール前のスクラムからCTBライリーが、35分には相手パスをインターセプトしたNO8(ナンバーエイト)ジャック・コーネルセンが、39分には再びWTB竹山がトライを挙げた。

結局、75分以上1人少ない状況で戦ったにもかかわらず、7トライを重ねたパナソニックがキヤノンを51-17で下し4連勝、3トライ差以上のボーナスポイントを加えて勝ち点20で首位をキープした。

写真:MOMに選出されたライリーのオフロードパス

この試合のMOM(マン・オブ・ザ・マッチ)には、トライやアシスト活躍したパナソニックのCTBライリーが選出された。

ライリーは「僕自身がいいパフォーマンスをしたというより、チーム全員が頑張った成果。今のチームがひとつになっている。選手の間はもちろん、ゲームプランに対してもチーム全体が信じて、共有してプレーをしていました」と胸を張った。

写真:キヤノンのクッツェーHCと嶋田主将

大敗したキヤノンのアリスター・クッツェーHC(ヘッドコーチ)は、「非常に残念なパフォーマンス。ポジティブに受け止める要素はないパフォーマンスだった」。

「我々のチームはエナジーが試合を通して欠けていた部分があったし、ほかの試合に比べてエナジーが感じられない面が多く見られた」と落胆した。

キャプテンのFL嶋田直人は、「14人のパナソニックに15人のキヤノンが負けた。キヤノンの方は4試合で一番、よくないパフォーマンスだった」。

「まだまだシーズンが続くので、この負けからさらに成長できるように、しっかりリカバリーして、チームを見つめなおして分析して次の試合に向かっていきたい」と肩を落としつつも前を向いた。

写真:パナソニックのディーンズ監督、堀江ゲームキャプテン

一方、パナソニックのロビー・ディーンズ監督は、「チームはチャレンジを突き付けられたが、チームは勇敢に戦い、そのチャレンジにいいレスポンスができた」。

「リーダー陣がいいゲームマネジメントをしたり、コントロールしたりして、こういう結果になった。このレッスンを今後に活かしていきたい」と数的不利な中での快勝に笑顔を見せた。

退場となったHO坂手に代わって入ったゲームキャプテンのHO堀江翔太は、「14人になって焦って、やらなければいけないこと以外のことをしだすと、もっとチームが崩れるので、注意して話して入った。なんとか結果が出てよかった」と安堵の表情を見せた。

次週はトップリーグが休みとなるため、第5節は2月15日(土)16日(日)に行われる。2勝2敗となり、勝ち点9で10位に順位を下げたキヤノンは、15日(土)に、埼玉県・熊谷ラグビー場で11位のHonda HEATと対戦する。

また、4連勝で勝ち点20と単独首位に立つパナソニックも15日(土)、ホームの熊谷ラグビー場で、同じく全勝中で3位につけている東芝ブレイブルーパスと激突する。

文/写真:斉藤健仁

ジャパンラグビー トップリーグ2020

【ハイライト】キヤノンイーグルス vs. パナソニック ワイルドナイツ

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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