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ラグビー コラム 2020年2月3日

王者の風格。鉄の男達がスタイル貫徹の97得点完封。トップリーグ第4節

ラグビーレポート by 多羅 正崇
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鉄の男達はスタイルを80分間貫いた。大量リードに気を緩めることなく、成すべき事を成した。

2連覇を見据える神戸製鋼。9446人が集った地元で、堂々たるパフォーマンスだった。

2日2日(日)、兵庫・神戸総合運動公園ユニバー記念競技場で行われたトップリーグ第4節は、3勝0敗の神戸製鋼コベルコスティーラーズと、1勝2敗のNTTドコモ レッドハリケーンズの対戦。

神戸製鋼は元ニュージーランド代表で28キャップを重ねたスクラムハーフ(SH)で、共同キャプテンを務めるアンドリュー・エリスが存在感を示した。

序盤の前半8分、チームが堅陣を敷いてボールを奪い返すと、ラックサイドへの仕掛けからウイング(WTB)山下楽平のトライをお膳立て。

さらに直後のキックオフでは、反則からのクイックスタートを献身的にサポートし、みずから右中間にトライ。35歳のいぶし銀が2つのトライに絡み、スタートダッシュを助けた。

NTTドコモはディフェンスではロック(LO)杉下暢、アタックではWTBジョセファ・リリダムらが気を吐くが、たびたびジャッカルにあうなどして攻撃が続かない。

一方の神戸製鋼は前半13分、この日が誕生日だった流経大卒のナンバーエイト(NO8)、タウムア・ナエアタがフィニッシャーに。

さらに同23分には、そのNO8ナエアタの突破を足掛かりとして、日本代表フルバック(FB)山中亮平がチーム4トライ目を奪取。26-0

直線的なランにはしっかり対抗するNTTドコモだが、細かいパスも活かしながら巧みにスペースを突く神戸製鋼のアタックに翻弄された。

前半26、38分にも流経大卒のNO8ナエアタがスコアし、40-0の大量リードで後半へ。

前半を40得点完封で折り返した神戸製鋼だが、勝利濃厚と見て、後半開始からリザーブメンバーを多く投入することはしなかった。

緩みのない王者は、FW・BKが細かいパススキルとフィジカルを組み合わせ、効果的にスペースを攻略した。

エッジ(エリア大外)ではセンター、ウイングとFW第3列(フランカーとNO8)がパスを繋いでゲイン。時にはボールを継続するのみならず、ショートキックも使ってスペースへアプローチした。

スタイルを崩さない神戸製鋼は後半1分、NO8ナエアタがいきなり防御線を一点突破してトライ。

同6分には帝京大卒のフランカー(FL)ブロディ・マクカランが、スタンドオフ(SO)ダン・カーターのラストパスを受け、トップリーグ初トライを記録した。52-0

この日はFWの細かいパスが効果てき面で、ロックで先発した日本代表・中島イシレリも巧みなショートパスで、味方FWの突破を助けた。

後半16分にはそのFWユニット内のショートパスから、途中出場のニュージーランド代表、ブロディー・レタリックが豪快にトライラインをこじ開けた。59-0

トライ後のキックオフボールを再獲得する前にトライを奪われ、防戦一方のNTTドコモ。

ラインアウトのディフェンスでは見せ場も作り、途中出場のフロントロー(HO緑川昌樹、PR西浦洋祐、PR北島大)を最前列に並べたスクラムでは、力強くペナルティキックも奪った。

ただ直後のラインアウトでミスが起こり、チャンス喪失。セットピースの精度も課題になった。

さらに1トライを追加した神戸製鋼は後半27分に圧巻のトライ。

自陣ゴール前からボールを繋いで、日本代表CTBラファエレティモシーのフリックパス(片手の逆手オフロードパス)もまじえ、NO8ナエアタがなんとこの日自身5トライ目。

日本代表WTBアタアタ・モエアキオラも終盤に2トライを追加して、97-0という圧倒的な完封劇。

15トライ11ゴールで挙げた97得点はリーグ史上最多。マン・オブ・ザ・マッチは、神戸製鋼のNO8ナエアタ。26歳の誕生日に栄誉を受けた。

終盤に緩まず、高い集中力を保った神戸製鋼。

王者の風格も漂うチームは次節、好調ムードのままBYEウィーク(休みの週)へ突入。2月15日(土)、1勝3敗のリコーと対戦する。

一方、今季3敗目を喫したNTTドコモ。次戦はこちらも15日、3勝1敗のヤマハ発動機と対戦する。

大敗を許したが、一週間のBYEを利用して立て直し、今季2勝目を掴み取りたい。

文:多羅 正崇

【ハイライト】神戸製鋼コベルコスティーラーズ vs. NTTドコモレッドハリケーンズ|ジャパンラグビー トップリーグ2020 第4節

多羅正崇

多羅 正崇

スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。

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