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ラグビー コラム 2020年1月13日

早稲田大学、11年ぶりの頂点。「荒ぶる」までの1年を振り返る。ラグビー全国大学選手権

ラグビーレポート by 早稲田スポーツ新聞会
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早稲田大学ラグビー蹴球部、相良南海夫監督(平4政経卒=東京・早大学院)体制2年目のシーズン、首脳陣は大きく変わった。

現役時代に優勝を経験した権丈太郎氏(平20スポ卒=福岡・筑紫)、後藤翔太(平17教卒=神奈川・桐蔭学園)の2人をコーチとして招へい。また、武川正敏氏(平15教卒=山梨・日川)をヘッドコーチに据えた。他にもさまざまな部分を一新し、挑んだ。

春シーズンは数多くの実戦経験を積んだ。関東大学春季大会はAグループに所属し、数々の強豪校と対戦。「ディフェンス」と「スクラム」の向上をテーマに挑んだ。

徐々に前者は好転し、招待試合である明治大学戦では「(得点を)取られはしたが、粘れた」と(相良南監督)手応えをつかんだ。しかし、その一方でスクラムの課題が顕著に。だが、多くの選手が赤黒を着てAチームデビューを果たすなどの好材料も多く得た。

長野の菅平で行われる夏合宿までの間、チームはフィットネス強化とスクラム強化に重点を置き練習を重ねた。チームの長所である部分と短所を強化したかたちだ。その成果は夏合宿の天理大学戦で発揮される。

序盤、スクラムを押し込まれ失点しまう。だが、強化してきたディフェンスが機能。失点を連続させない。前半終了間際にスクラムトライを奪い、充実ぶりをにじませた。

後半もフィットネスで上回り、天理大学を圧倒。33-14と昨年度ファイナリストを一蹴した。帝京大学にも2年連続となる勝利を収め、Aチームは夏合宿の対外試合を全勝で締めくくった。

◆関東大学対抗戦
・ 8月31日(土)○早稲田大学 68-10 日本体育大学●
・ 9月08日(日)●青山学院大学 0-92 早稲田大学○
・ 9月15日(日)●筑波大学 8-52 早稲田大学○
・11月04日(月)○早稲田大学 120-0 成蹊大学●
・11月10日(日)○早稲田大学 34-32 帝京大学●
・11月23日(土)○早稲田大学 17-10 慶應義塾大学●
・12月01日(日)○明治大学 36-7 早稲田大学●

そのまま、同じ菅平で関東大学対抗戦が開幕。対戦相手は日本体育大学であった。開始早々に先制点を献上し、流れを奪われてしまう。だが、徐々にディフェンスで修正。68-10と快勝した。

連勝を重ね、迎えた一昨年度の学生王者・帝京大学との一戦。試合は壮絶な点の取り合いとなる。リードされ続けたが、ロスタイムにSH(スクラムハーフ)齋藤直人主将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)がインゴールに飛び込み、逆転。34-32で対帝京大、対抗戦では9年ぶりとなる勝利を収めた。

伝統の早慶戦では雨の影響かミスが続出。しかし、地力の差を見せ辛勝した。そして迎えた対抗戦の最終戦である早明戦。

試合は、明大ボールのスクラムから反則を犯し、自陣に攻め込まれる。強烈なフィジカルで突破を許し、失点。しかし、早大もすぐさまSO(スタンドオフ)岸岡智樹(教4=大阪・東海大仰星)のトライで反撃するが、その後は明大ペース。

セットプレーで劣勢に立たされ、アタックを継続できず。計5トライを奪われ、対抗戦を2位という結果で終えた。

敗戦後チームは『REBORN』をテーマに掲げた。生まれ変わり、もう一度決勝で明大と再戦し、リベンジすること。そのことを強く決意し、全国大学選手権に臨んだ。

ラグビー全国大学選手権 決勝

早稲田大学、優勝後の『荒ぶる』

◆全国大学選手権
・12月21日(土)準々決勝:○早稲田大学 57-14 日本大学●
・ 1月02日(木)準決勝:○早稲田大学 52-14 天理大学●
・ 1月11日(土)決勝:●明治大学 35-45 早稲田大学○

初戦は日本大学と激突。渾身のタックルになかなか得点を奪えずにいたが、CTB(センター)長田智希(スポ2=大阪・東海大仰星)や、(フルバック)河瀬諒介(スポ2=大阪・東海大仰星)らの活躍もあり、日大のチャレンジを撥ね退けた。

昨年度敗退した『1月2日』、準決勝の舞台。シーズン当初からこの舞台で勝利することをひとつの目標としていた。試合は早大が3連続でトライ。天理大学はミスが多く、なかなかパスがつながらない。その隙を見逃さず、次々と得点を奪い快勝。6年ぶりに決勝へと進んだ。

23年ぶりとなった早明頂上決戦。対抗戦の時とは全く逆の展開を見せる。早大が猛攻。前半だけで31得点をマークする。反撃したい明大に全く付け入る隙を見せない。

だが、エンドが変わった後半に昨年度王者が意地を見せ、猛追されてしまう。しかし、早大も2トライでリードを広げて逃げ切り、11季ぶり16度目となる優勝を決めた。

優勝後、齋藤主将は周囲への感謝を口にした。全部員の貢献なくしては『荒ぶる』という結果は成し得なかったからだ。

「全部員のこれまでの努力を勝って肯定できたことはよかった」と責務を果たした齋藤主将の顔は輝きに満ちていた。

11年ぶりの頂に立った早大。歓喜の瞬間は全部員の努力なくしてはあり得ない偉業だ。この経験を胸にさらなる空へ羽ばたいていく。

文:小田真史(早稲田スポーツ)

ラグビー全国大学選手権 決勝

早稲田大学vs.明治大学

早稲田スポーツ新聞会

早稲田スポーツ新聞会

1959(昭和34)年創刊。人気の野球、ラグビーを中心に早大体育会44部をくまなく取材し、年12回の新聞発行およびWebやSNSによる情報発信を行う。現在部員170名で活動。»早スポHP»Twitter»Facebook

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