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地域密着を推進する成長株同士が、開幕節で激突する。
ラグビー日本代表の躍進で注目される国内最高峰「トップリーグ」。
17シーズン目のトップリーグは、参加16チームの総当たり戦(全120試合)により争われる。
開幕節の1月12日(日)は、東京・秩父宮ラグビー場で、昨シーズン14位の日野レッドドルフィンズと、同5位のNTTコミュニケーションズ シャイニングアークスが相まみえる。
東京・日野市を本拠地とする日野は、1950年創部の日野自動車ラグビー部が母体。
しかしトップリーグに初昇格した2018年、地域密着を目指してチーム名を「日野自動車」から「日野」に変更。トップリーグで初めて企業名を使用しないチームとなった。
以降は地元飲食店とコラボイベントを開催するなど、積極的に地域と連係。リーグ戦前に地元商業施設で行われる「出陣式」は恒例になりつつある。
積極的な補強も奏功し、2017年度にトップリーグに初昇格した日野は、前シーズンは近鉄との入替戦を制してトップリーグ残留。
今年は東芝からプロップ(PR)浅原拓真、ヤマハ発動機からナンバーエイト(NO8)堀江恭佑といった大型新戦力が加入。戦力は右肩上がりだ。
スクラムハーフ(SH)オーガスティン・プルと共同キャプテンを務める村田毅(ロック、フランカー)は、今シーズンの目標を「ベスト8」と語った。
「僕たちのチームにはワールドカップ選手はいませんが、その分、チームとしてどうあるべきかを考えてきました。目標はベスト8」(村田キャプテン)
迎える開幕節の先発メンバーには、サンウルブズでもプレーしたプロップ(PR)パウリアシ・マヌ。
村田(共同)主将とロックコンビを組むのは、ヤマハ発動機から今シーズン移籍したディネスバラン・クリシュナン。NO8堀江もスタメンで登場する。
仲間からの信頼が厚いSHプル(共同)主将は、強烈なタックルもできるアタッキングハーフ。新加入のスタンドオフ(SO)ジャック・デブラシーニは魅力的なロングキッカーだ。
7人中5人が海外出身選手のバックスにあって、ルーキーイヤーから先発抜擢のウイング(WTB)竹澤正祥はドライブ力が強烈。
リザーブには日本代表キャップを保持する浅原、トヨタ自動車から新加入の北川俊澄、突破役として魅力的な千布亮輔、攻撃的SHとして注目される橋本法史らが控える。
また、そんな日野メンバーに声援を送る応援団のエネルギーは目を見張るものがある。点差に関係なく声を枯らす応援団にも注目してほしい。
一方のNTTコミュニケーションズ シャイニングアークスは千葉県浦安市が本拠地だ。
2018年には浦安市と連係強化の協定書をかわし、相互に連携しながらスポーツ振興、地域貢献を進めている。
本拠地グラウンドを活用したラグビー教室、キャリア教育などに加え、1トライにつき1つのオモチャを地元保育園に届けるクリスマス企画『1TRY×1TOY』など、選手主導のユニークな地域貢献に取り組む。
トップリーグには2010年に昇格。前シーズンはパナソニックとの順位決定戦を制し、過去最高タイの5位でフィニッシュ。
キャプテンの金正奎(フランカー)は「しっかりトップ4を狙っていく」。初優勝も視界の先にある。
日野戦の出場メンバーを見てみると、先発FWには世界的フッカー(HO)である新加入のマルコム・マークスがいきなり登場。NO8にはNTTコムから飛躍した、日本代表のアマナキ・レレイ・マフィがおり脅威だ。
さらに両フランカー(FL)は金正奎キャプテン、鶴谷昌隆というブレイクダウンに強い大駒が並んだ。
司令塔の10番は小倉順平。神奈川・桐蔭学園時代の2010年度、松島幸太朗(サントリー)と共に東福岡との両校優勝を経験したスタンドオフだ。
サプライズは、オーストラリア代表の10番としてW杯を戦ったクリスチャン・リアリーファノのセンター(CTB)起用だろう。プレーと役割に注目が集まりそうだ。
両ウイングは抜群のスピードを誇る石井魁と、パナソニックから移籍した2015年W杯日本代表の山田章仁。
リザーブにはルーキーイヤーに活躍した3年目のバックファイブ(FW第2、3列)牧野内翔馬、オールラウンダーのCTB石橋拓也、ビッグヒッターのWTB小泉将らが並ぶ。
トップリーグ2020第1節「日野レッドドルフィンズ×NTTコミュニケーションズシャイニングアークス」は、2020年1月12日(日)午前11:00からJ SPORTS 1で生放送、J SPORTSオンデマンドでLIVE配信される。
日曜日は降水確率が高い予報もある。雨天時は周囲の迷惑になる傘ではなく、合羽などの雨具での観戦がマナーだ。
万全の防寒、雨対策をして、新シーズンに懸けてきた選手達の熱いプレーを楽しみたい。
文:多羅正崇
多羅 正崇
スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。
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