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ラグビー コラム 2020年1月4日

監督や仲間、そして対戦相手への感謝。ベスト4に進んだ選手たちのコメント。全国高校ラグビー大会準々決勝

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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写真:3度目の正直で大阪桐蔭を破った桐蔭学園

1月3日(金)、大阪・東大阪市花園ラグビー場では「花園」こと、全国高校ラグビー大会準々決勝4試合が行われた。

ワールドカップからのラグビーブーム、そして近畿の5チームが出場するということもあり、準々決勝としては過去最多の3万人近い、2万9909人のファンが訪れた。

準々決勝第1試合は3年ぶり7度目の優勝を狙う東福岡(福岡)と、昨年度ベスト4の流経大柏(千葉)のBシード同士が対戦した。

東福岡は主将CTB(センター)廣瀬雄也(3年)の左右へのロングパスでグラウンドを大きく使った持ち前のラグビーを披露する。

前半3分にWTB(ウィング)高本とむがトライを挙げると勢いに乗り、LO(ロック)森山雄太(3年)、高本のハットトリックなどで前半だけで5トライの猛攻を見せて33-5でリードする。

後半も東福岡の勢いは止まらず、4トライを重ねて57-10で快勝した。流経大柏は2mのLOディアンズ・ワーナーのトライなどで2トライを返すのがやっとだった。東福岡は7年連続のベスト4進出を決めた。

◆パスにキックに大活躍だったCTB廣瀬雄也主将(東福岡)

「いい状態で試合に入った。(3回戦の)国学院栃木に何が足りないか気づかせてもらった。運びたいように自分たちのボールが運べなかったが、(今日は)相手のディフェンスに対応できた。

(ロングパスは)練習のときから、Bチームがしっかり相手の真似をしてくれ、100%のディフェンスをしてくれたのでできました。(4月に右肩を負傷し復帰して5試合目ということで)まだまだ30%くらいだが、最終的にチームを優勝に導きたい。

(昨年の大会で)桐蔭学園に気づかされて、1年間成長してきたことを(準決勝の相手)桐蔭学園さんに見せて決勝にいきたい」。

準々決勝第2試合は選抜準優勝のAシードの御所実業(奈良)と、2大会ぶり6度目の優勝をうかがう、Bシードの東海大仰星(大阪第3)の関西勢同士が激突した。

前半7分、御所実業がボールを展開しWTB澤口飛翔(3年)が相手の裏にキックし、最後はドリブルしてから押さえてトライ。

FB(フルバック)石岡玲英(3年)がゴールも決めて7-0と先制する。その後は攻める東海大仰星に対して、守る御所実業という展開が続く。

後半3分、御所実業がSO(スタンドオフ)高居海靖(3年)内返しのパスでFB石岡がゲインし、そのままトライ、自身でゴールを決めて14-0とリードする。

その後は、再び攻める東海大仰星、守る御所実業という展開になる。後半18分には危険なタックルで御所実業NO8(ナンバーエイト)西林勇登(3年)がシンビン(7分間の一時的退場)となり、東海大仰星が数的有利となる。

しかし、1人少なくなっても御所実業の組織ディフェンスが乱れることなく、最後まで集中していて相手にゴールラインを割らせず、そのまま御所実業が14-0で勝利し、3大会ぶり6度目のベスト4入りを決めた。

◆東海大仰星から御所実業に入学したPR(プロップ)島田彪雅(3年)

「相手が仰星でしたが、竹田先生を日本一の監督にするのが目標だったので勝てて良かった。身体で負けたくないという気持ちが一番強かったので、アタックもディフェンスもしっかり前に出られて良かった。

途中でシンビンが出たところは焦ったが、みんなで気持ちを1つにして前に出られた。ターンオーバーするまでが僕たちの守備なのでできていたところがあった。(課題としては)強みのモールでトライを取り切れなかったところがあった。

もっと自分らが竹田先生に教えてもらったことを出せたら、もっと良い試合ができたと思うので次はそうしたい。まだ頂点は正直、見えていない。目の前の試合を大事にして、1つずつ戦いたい」。

準々決勝の第3試合は初の単独優勝を目指すAシードの桐蔭学園(神奈川)と、連覇を狙うBシードの大阪桐蔭と、3年連続の『桐蔭』対決となった。

一昨年は準決勝、昨年は決勝と2年連続で負けている桐蔭学園が、試合序盤から主将SO伊藤大祐(3年)がキックを使いながらゲームをリードする。

すると今年はFW(フォワード)も力強い桐蔭学園は、前半16分にHO(フッカー)中山大暉(2年)、18分にはFL(フランカー)久松春陽大(3年)がトライを挙げて14-0とリードする。

27分、大阪桐蔭にゴール前に攻められたが、相手の反則から一気にカウンター。SO伊藤がキックで裏に蹴って、最後はCTB渡邉誠人(3年)からオフロードパスを受けたWTB西川賢哉(3年)がトライを挙げ、21-0とリードして前半を折り返した。

後半も先制したのは桐蔭学園だった。8分にPG(ペナルティゴール)を決めると、11分にはボールを継続する中でCTB渡邉がラインブレイク。そのまま中央に飛び込んで31-0と大きくリードする。

その後、大阪桐蔭も前回大会王者の意地を見せて16分にHO江良颯、25分には主将のNO8(ナンバーエイト)奥井章仁がトライを挙げたものの、試合はそのまま桐蔭学園が31-12で勝利した。初の単独優勝を狙う桐蔭学園がリベンジを果たした。

◆3年連続の花園での対戦でついに勝利したSO伊藤大祐主将(桐蔭学園)

「3度目の正直、でした。入りということを意識していたが、今年はディフェンスが強みだったので、キックを蹴って守備できたので良かった。1人ひとり頑張ってくれ、空いたスペースを僕が判断するだけだった。

2年生が大阪桐蔭に関してプレゼンしてくれた。ラグビーをする前に相手をリスペクトしてやると、相手が強いというイメージがついて、タックル強くいこうとかマインド変わってチャレンジしようということが試合に出た。

大阪桐蔭さんは自分たちが強くなった起点となった相手なので、大阪桐蔭さんの分まで戦いたい。反省点はいろいろあったので修正して、準決勝、決勝で完璧なラグビーをしたい」。

準決勝第4試合は過去に5度の優勝を誇る、地元大阪のBシード・常翔学園(大阪第2)が、初優勝を狙うAシードの京都成章(京都)にチャレンジした。

常翔学園がPGで先制するものの、大型FWを擁する京都成章が強さを見せて前半11分、12分にLO本橋拓馬(2年)らがトライを挙げて、12-3とリードする。その後はトライを取り合い、京都成章が19-8とリードして前半を折り返した。

後半、主将のPR為房慶次朗(3年)を中心に徐々にFWで対等に戦い、スクラムでは優勢だった常翔学園ペースとなる。

FWで優勢となるとBK(バックス)も躍動し、7分にはCTB岡野喬吾(3年)がトライ、さらに16分にはFB吉本匠希(3年)がトライを挙げて、ついに20-19と逆転に成功。

しかし、京都成章もAシード校の意地を見せて、24分には得意のモールを押し込み、最後はSH(スクラムハーフ)宮尾昌典(2年)が押さえて、24-20と再び逆転する。

それでも、常翔学園はあきらめることなく攻め続けて、ロスタイムにボールを展開し、最後はWTB生駒創太郎(3年)がトライを挙げて、27-25で逆転勝利を収めた。

◆強力なスクラムや接点でFWを鼓舞し続けた常翔学園の主将PR為房慶次朗

「(京都成章は)身長が大きいことはわかっていたが、力のところでは負けないと臨みました。そこでプレッシャーをかけることができた。FWが下がったら全体の意識が下がってしまうので、FWから声をかけていた。あきらめなければ勝てると思っていた。

逆転トライだったので嬉しかったです!近畿大会で(御所実業に0-7と)1トライ差で負けた。準決勝は(御所という)因縁の相手になった。絶対勝たないといけない。

自分たちの強みを活かせば勝てると思うので、FWの強さ、BKの速さを最大限に活かしたい。ベスト4進出が7年ぶりだったので、7年ぶりの優勝をつかみたい」。

文/写真:斉藤健仁

全国高校ラグビー大会 準々決勝

【ハイライト】京都成章(京都) vs. 常翔学園(大阪第2)

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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