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ラグビー コラム 2019年12月29日

Aシード京都成章、「史上最大のFW」で悲願の初優勝を目指す。全国高校ラグビー大会

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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写真:史上最大のFW陣、左から山本、西野、延原、三木、岡、村田、本橋

12月27日に開幕した「花園」こと、全国高校ラグビー大会。「悲願の初優勝へ」――。そう気合いが入っているのが、近畿大会王者&選抜ベスト4で、Aシードに選出された京都成章(京都)だ。

京都府予選決勝で、今年もライバルの京都工学院(旧・伏見工業)に31-5と快勝し、6年連続12回目の出場を決めた。

今シーズンの京都成章の武器は何と言っても「超高級」「史上最大」とも言われる、平均身長181cm、平均体重100kg超のFW陣である。

チームを率いて34年目の湯浅泰正監督が、「それぞれのいいところを出してくれればいい」と期待を寄せるのは、FW(フォワード)の後ろ5人のバックローファイブである。

写真:LOは3人とも190cmオーバー(左から山本、岡、本橋)

LO(ロック)には190cmを超える選手が、山本嶺二郎、岡大翔(ともに3年)、本橋拓馬(2年)と3人いる。

さらにFL(フランカー)村田陣悟、NO8(ナンバーエイト)延原秀飛(ともに3年)も身長182cm、185cm。なお、PR(プロップ)の西野拓真(3年)も身長187cm、116kgの巨漢だ。

写真:PR西村(左)とFL三木の共同キャプテンの2人

共同キャプテンの1人、FL(フランカー)三木皓正(3年)は「キックでエリアを取って、 大きなFWでチャイスして敵陣でプレッシャーをかける。そして、PG(ペナルティゴール)かモールで得点を挙げるのが、僕らのスタイル」と話す。

また、もうひとりのキャプテンPR西村優希(3年)は「日本で一番のFWと言われているので花園では、FWがラインアウト、モールなどアタックのすべてのプレーで起点になりたい」と語気を強める。

高校入学時は体重80kgだったが、現在は104kgまで増やしたLO山本も「今年はFWが大きいので、FWで相手のディフェンスをこじ開けて、最後はBK(バックス)で決める」と胸を張った。

日本代表の姫野和樹選手に憧れている、2年生のLO本橋は「先輩たちは頼りになります。敵だったら当たりたくないし、FWでは負ける気がしない」と言うように、大型FWを前面に押し出して戦うことでアドバンテージを取ることができよう。

2年生ハーフ団のSH(スクラムハーフ)宮尾昌典、SO(スタンドオフ)辻野隼大がパスだけでなく、キックでゲームコントロールする。

「めちゃくちゃいい。勝負師だし、一番、努力している」と指揮官が手放しでほめるSH宮尾はスピードもあり、大きなFWが作った隙を突きトライをうかがう。

「(パスで)リズム作って、余裕が出てきたら、相手のディフェンスにも穴が出てくるので仕掛けたい」(SH宮尾)。

また、「辻野よりキックが上手い」と湯浅監督が太鼓判を押す1年生FB(フルバック)大島泰真がハーフ団と協力して、しっかりとキックでエリア取りをして試合を優位に進めるはずだ。

写真:部員140名の大所帯

京都成章は3学年合計120名ほどで、女子も入れると140名と部員数が多い。そのため、学生による投票がちょうど割れたこともあり、今シーズンは初めてPR西村、FL三木の共同キャプテン制を敷いた。

FL三木が「見えないところを、西村がカバーしてくれる」と言えば、PR西村も「大所帯なので目が届きやすいのでやりやすいです」と話す。

春の選抜大会では優勝した桐蔭学園(神奈川)に20-21で逆転負けを喫した。そのため、選抜大会後は攻撃力を高めるため、ボールを大きく動かす練習にも積極的に取り組んだという。

写真:ディフェンス練習に精を出すフィフティーン

もちろん京都成章と言えば、「ピラニアタックル」と呼ばれる、激しく前に出るディフェンスは健在だ。

府予選決勝でも、ディフェンスが前に出て相手を囲み、チョークタックルからのモールアンプレアブル(モール停滞により、守備側のスクラムで再開)を決めていた。

身体の大きいFW陣を含めて、相手を抱えてモールアンプレアブルにもっていくシーンが多く見られそうだ。

写真:指導する34年目の湯浅監督

予選決勝から花園までの期間は、湯浅監督は「アタックは水ものだが、ディフェンスは不変にしないといけない」と、もう一度、組織ディフェンスとフィジカルトレーニングに重点を置いたトレーニングをして本番に備えた。

花園に向けて共同キャプテンのFL三木は「選抜大会で負けた桐蔭学園に勝ちたいですが、関西にも強豪チームがたくさんいる。優勝を狙っているが一戦一戦、目の前の敵を倒していきたい。僕らの伝統であるディフェンスを見せたい」と語る。

また、湯浅監督は「今年度はどこかのチームが飛び抜けていないと思います。優勝は花園時のコンディションによる。ディフェンスと30人の力で勝負する」と語気を強めた。

京都成章は選抜大会こそ決勝まで駒を進めたことがあるが、花園の最高成績はベスト4である。今シーズンこそ準決勝の壁を破って決勝進出、そして初の栄冠に輝くことができるだろうか。

◆全国高校ラグビー大会2回戦
・12月30日(月) 14:30 京都成章(京都) vs. 尾道(広島)

文/写真:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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