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写真:注目のランナー報徳学園FB山田響
前日開幕した「花園」こと、全国高校ラグビー大会は12月28日(土)、東大阪市花園ラグビー場で1回戦の残り11試合が行われた。
◆第1グラウンド 試合結果
○報徳学園 162-5 山形中央●
○日川 24-12 山口●
○石見智翠館 132-0 富山第一●
第1グラウンドの第1試合は、予選決勝で選抜ベスト8の関西学院を下して出場した報徳学園(兵庫)と山形中央(山形)が対戦した。
試合開始早々から報徳学園は主将のFB(フルバック)山田響が、ロングパスやグラバーキックでチャンスを演出。
FW(フォワード)、BK(バックス)でトライを量産。前半だけで80-0でリードし、メンバーが替わった後半もトライを重ねて162-5で勝利した。
162得点は、2016年度大会で東福岡(福岡)が浜松工業(静岡)から奪った139点を上回る、史上最高得点記録となった。
第2試合は山梨県の伝統校・日川に山口(山口)が挑戦したが、日川が持ち味の展開ラグビーを見せて、WTB(ウィング)城之内魁士(3年)の2トライなどで17-7と前半をリード。そのまま24-12で勝利した。
第3試合は石見智翠館(島根)が20トライの猛攻を見せて、富山第一(富山)を132-0で下した。SO(スタンドオフ)久富連太郎(3年)のリードが光った。
写真:高知中央の選手に声をかける秋田中央の選手
◆第2グラウンド 試合結果
○静岡聖光学院 36-12 名護●
○茗渓学園 50-21 鹿児島工業●
○城東 21-7 新潟工業●
○秋田中央 26-24 高知中央●
第2グランドでは第4試合に大逆転劇が起きた。秋田中央(秋田)は高知中央(高知)のトンガ人留学生のパワーに押されて、前半は5-24と19点リードで前半を折り返した。
「ボールをキープして開き直って攻めるしかない」と決めた秋田中央は、CTB(センター)小田嶋生吹(3年)らBK陣が躍動する。
最後はSH(スクラムハーフ)柴田祥太郎(3年)が、相手FW陣の隙を突いてトライを挙げて26-24と逆転。最後もチーム全員が身体を張って失点を許さず、そのまま逆転勝利を収めた。
古谷和義監督は「前半、相手の留学生のFBが力強くて、カウンターで後手に回った。後半、思い切って攻めた。キック使わないでマイボールをキープしたのが大きかった」と選手たちの頑張りを称えた。
第1試合はセットプレーからのアタックが冴えた静岡聖光学院(静岡)が、名護(沖縄)に36-12で快勝。
第2試合は優勝経験もある茨城の名門・茗渓学園が主将SH大越元気(3年)を中心に攻めて前半だけで31-0と勝負を決めて、51-21で勝利した。
写真:モールで攻め込んだ新潟工業
第3試合は、選抜でも2勝を挙げていた城東(徳島)がモールを武器とする新潟工業(新潟)に21-7で勝利した。
新潟工業は、日本代表PR(プロップ)稲垣啓太(パナソニック)の母校であり、稲垣がグラウンドの天然芝化の初期費用を負担したことでも話題を呼んだ。
その芝で練習してきた選手たちだが、稲垣先輩に勝利を届けることができなかった。
樋口猛監督は「うちの力が通用しなかった。力で圧倒するということができなかった。城東がすばらしかった」と肩を落としたが、「来年度は稲垣効果でたくさん(部員が)入ってきてくれるでしょう」と先を見据えた。
◆写真:前半はタックルで止めていた仙台育英
◆第3グラウンド 試合結果
○尾道 57-7 仙台育英●
○若狭東 36-21 郡山北工業●
○光泉 31-19 本郷●
○朝明 36-5 近大和歌山●
第3グラウンドは第1試合から、過去ベスト4に入ったことのある尾道(広島)と仙台育英(宮城)が激突した。
前半は仙台育英の前に出るディフェンスが機能し、12-7と接戦となった。しかし後半は、尾道がキックを上手く使ってペースを掴み、7トライを挙げて57-7で快勝した。
今年度、コーチから監督に昇格し、花園での初勝利をあげた尾道の田中春助監督は「(初勝利は)嬉しかった。前半は緊張したが、後半は自分たちのやりたいことができた」と声を弾ませた。
第2試合は若狭東(福井)が郡山北工業(福島)に36-21で逆転勝利。前半は17-21でリードされたが、後半はHO(フッカー)井根本陸矢(2年)らのトライで接戦を制した。
第3試合は光泉(滋賀)と本郷(東京第2)が対戦した。本郷は12-14でリードしていた前半27分、危険なタックルでWTB長峰奨真(3年)がレッドカードで退場。
その影響が大きく、後半は展開力に上回る光泉ペースとなり、主将FL(フランカー)森大起(3年)らのトライで31-19と逆転勝利を収めた。
第4試合は、朝明(三重)と近大和歌山が戦った。CTB北村一真が躍動した朝明は6トライを挙げて36-5と快勝し、2回戦に進出した。
12月27・28日の2日間で1回戦の19試合が終わり、12月30日(月)にはいよいよシード校が登場し、2回戦の16試合が行われ、ベスト16が決まる。果たしてノーシード校がシード校を倒す「シードバック」は起きるか。
文/写真:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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