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写真:スローガンを掲げる渡瀬CEO(左)と大久保HC
11月26日(火)、東京都内のホテルで5年目を迎える、日本を本拠地とするスーパーラグビーチームである「ヒト・コミュニケーションズサンウルブズ」の2020シーズンのチーム発表が行われた。
登壇者はサンウルブズを運営するジャパンエスアールのCEOの渡瀬裕司氏と、日本人で初めてスーパーラグビーのHC(ヘッドコーチ)に就任した元日本代表の大久保直弥氏の2人だった。
渡瀬CECは「みなさんの熱い支援があってやっていけているので、御礼申し上げたい。ワールドカップの次の年ということで、いろいろ期待はありますが、次のチャレンジは始まっているとフォーカスしてやっていきたい」。
「2020年でスーパーラグビーとの契約が切れる。継続できるかできないが非常に厳しいが、日本協会と一緒になっていろいろ策を講じていきたい。まず、20年のシーズン、しっかり戦って行きたいと思っています」と挨拶した。
今年のスローガンはワールドカップ日本大会の成功を最大限に活用しながらも、現状に満足せず、選手、スタッフ、1人ひとりが「Hunt」(チャレンジする)という意味を込めて、「KEEP HUNTING」となった。
11月26日の段階で発表されたスコッドは15人で、2019年ワールドカップメンバーも含めて日本代表経験者はゼロとなった。
ジョージア代表HO(フッカー)ジャバ・ブレグバゼ、ニュージーランド出身のLO(ロック)トム・ロウは昨年につづいてサンウルブズで戦う。
新たにオーストラリア代表歴のあるNO8(ナンバーエイト)ジェイク・シャッツ、元トンガ代表FL(フランカー)/NO8オネフンガ・カウフシ、元イングランド代表CTB(センター)ベン・テオも加入した。
また、日本の大学から、サンウルブズの練習生にもなったことのある早稲田大学のSH(スクラムハーフ)齋藤直人(4年)、天理大学3年のCTB(センター)シオサイア・フィフィタも選出された。
今後、順次スコッドは増えていき、1月5日のキャンプイン前には30名になる見込みで、最終的には40~45人のスコッドで戦う予定だ。
2023年のワールドカップまで日本代表を指揮することになったジェイミー・ジョセフHCは、サンウルブズに対して「来季は日本代表として大事な年です。トップレベルのラグビーに参戦しないといけません」。
「日本代表チームをやっていく上で、次のレベルのラグビーにチャレンジすること、次の世代の日本人の選手を育成することが大事なので、一緒に日本代表とサンウルブズがハードワークすることが大事です」。
「4年経ったときに、それまでやってきた努力が頼れるところです。チャレンジはすでに始まっています」とコメントを寄せた。
「日本人として初めてサンウルブズのHCに就任した大久保氏(写真)は「プレッシャーありません。楽しみしかありません。私の使命は一つです。優秀なスタッフと選手、チームの力を最大限の力を引き出すこと」。
「そして、過去5年で最高のシーズンを送ることです。このために半年間、真剣に必死に選手たちと向き合って、1日1日、成長していきたいと思っています」。
「2019年のワールドカップは大成功しましたが、もう過去のものだと思います。次のワールドカップ、未来に目を向けてラグビー界全体がスタート、第1歩を踏み出さないといけない」。
「その第1歩がサンウルブズであるべきだと思います。KEEP HUNTINGというスローガンは勝利に飢えている、トライに飢えている姿勢、プレースタイルにとってふさわしい言葉だと思います」と意気込んだ。
また、今シーズンの目標を聞かれて、大久保氏HCは「過去8勝しかしていませんが、プレーオフに出たい。プレーオフに出るためにはホームで勝たないといけない。2月1日(の開幕戦)、テストマッチのつもりでいきます。1戦必勝で臨みます」。
「あと、昨年から市原市に移ってからホームで勝つことができていない。市原市のみなさん、台風の被害にあった方にいいニュースを届けたい。市原市の方とスクラムを組んでやっていきたい」と語気を強めた。
また、スタッフとしてコーチングコーディネーターに、サントリーや日本代表で手腕を振るった沢木敬介氏、スクラムコーチにヤマハ出身の田村義和が就任することも明らかになった。
5年目の新生サンウルブズは、新年早々の1月5日から始動し、1月25日(土)、福岡・ミクニワールドスタジアム北九州で、トップチャレンジの選手からなる特別編成チーム「チャレンジバーバリアンズ」と強化試合を行う。
そして、2月1日(土)、福岡・レベルファイブスタジアムでレベルズ(オーストラリア)との開幕戦を迎える。
◆サンウルブズ2020シーズンスコッド15名(11月26日現在)
※数字はスーパーラグビーキャップ数
PR シオネ・アシ(ニュージーランド出身、0)
PR ジャレッド・アダムス(ニュージーランド出身、0)
HO レニ・アピサイ(ニュージーランド出身、31)
HO ジャバ・ブレグバゼ(ジョージア代表、21)
LO ベン・ハイン(オーストラリア出身、5)
LO トム・ロウ(ニュージーランド出身、12)
FL ブレンドン・オコナー(ニュージーランド出身、44)
FL ミッチ・ジェイコブソン(ニュージーランド出身、3)
NO8 ジェイク・シャッツ(オーストラリア代表、92)
FL/ NO8 オネフンガ・カウフシ(トンガ代表、4)
SH 齋藤 直人(早稲田大4年、0)
SO ガース・エイプリル(南アフリカ出身、21)
CTB ジョーダン・ジャクソン ホープ(オーストラリア出身、15)
CTB ベン・テオ(イングランド代表、0)
CTB シオサイア・フィフィタ(天理大3年、0)
文/写真:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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