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ラグビーワールドカップが終わって、大学ラグビーが再開された。来年1月11日(土)に新しい国立競技場で開催される大学選手権決勝を目指して、強豪校がしのぎを削っている。
そんな中で、2023年、そして2027年のラグビーワールドカップで日本代表になり得る、ポテンシャルを秘めた有望な大学生選手を紹介していきたい。後編はBK(バックス)の選手である。
写真:早稲田大学のSH齋藤直人主将
◆能力の高いライバルたちが切磋琢磨するSH
トップリーグや日本代表でも世界的な選手が揃うSH(スクラムハーフ)は大学生にも優れた選手が多い。
その筆頭は、ジュニア・ジャパンで活躍したり、サンウルブズの練習生に選ばれたり、大学生の中でもっとワールドカップに近づいた、早稲田大学主将SH齋藤直人(4年)だ。ボールを捌くテンポ、スキルが高く視野も広い。プレースキックも正確だ。
高校時代から齋藤のライバルだった筑波大学主将のSH杉山優平(4年)、帝京大学のSH末拓実(4年)らの能力も高い。今後、トップリーグに進んでもライバル争いは続いていくはずだ。
1つ下の学年にはU20代表やジュニア・ジャパンで活躍した、強気なリードが持ち味の天理大学のSH藤原忍(3年)、ユニバーシアードの金メダルに貢献したスピードが武器の大東文化大学のSH南昴伸(3年)がいる。
さらに今年2年生ながら明治大学で先発として出場しているSH飯沼蓮(2年)もいる。飯沼はボール捌きだけでなく、FWの動かし方も成長し、今後の活躍が期待できる選手だ。また、早稲田大学のルーキーSH小西泰聖、専修大学の1年のSH友池瞭汰の2人も注目の若手だ。
写真:明治大学のSO山沢京平
◆これから経験を積む次世代の司令塔
経験値が必要なSO(スタンドオフ)では、ゲームメイクが持ち味の早稲田大学SO岸岡智樹(4年)、U20代表やジュニア・ジャパンなど国際経験豊富な中央大学のSO侭田洋翔(3年)。
また、今年からFB(フルバック)からSOに転向し、非凡な才能を見せている明治大学の山沢京平(3年)、SH藤原とのコンビで1年生から天理大学を引っ張るSO松永拓朗(3年)、攻撃的なゲームメイクが持ち味の東海大学SO丸山凛太朗(2年)らがいる。
いずれにせよ、ハーフ団は経験がものを言うポジションだけに、2023年でのワールドカップ出場を考えると、トップリーグやサンウルブズなどで早めに試合出場経験を踏むことが必須となろう。
写真:天理大学CTBシオサイア・フィフィタ
◆フィジカルに優れた有望株が揃うCTB
大学ラグビーのCTB(センター)にはフィジカルに長けた選手が揃う。まず、2023年ワールドカップのスコッド争いをしそうな選手としては、身長186cm、100kgの早稲田大学CTB中野将伍(4年)。
そして、身長187cm、体重103kgの天理大学CTBシオサイア・フィフィタ(3年)が有力だ。
また、身長190cm、体重103kgの大東文化大学のCTBシオペ・ロロ・タヴォ(3年)、身長188cm、体重100kgの帝京大学CTBニコラス・マクカラン(3年)、さらに身長192cm、体重103kgの明治大学の児玉樹(2年)らおり、今後の成長に大いに期待したい。
他にも帝京大学キャプテンCTB本郷泰司(4年)、早稲田大学CTB桑山淳生(4年)、CTB長田智希(2年)、慶應義塾大学キャプテンのCTB栗原由太(4年)、日本体育大学のキャプテンCTB石田大河(4年)。
流通経済大学のCTBヴィリアメ・タカヤワ(3年)、CTBイノケ・ブルア(2年)、日本大学CTBフレイザー・クワーク(2年)らがいる。
◆セブンズで五輪も視野に入れるバックスリー
最後にバックスリー(WTB、FBの総称)だ。帝京大学には、兄もサントリーで活躍するダイナミック走りがウリのCTB/WTB(ウィング)尾崎泰雅、SOでもプレーする奥村翔、スピードスター木村朋也(いずれも3年)の3人が1年時から活躍している。
早稲田大学にはエースWTB(ウィング)古賀由教(3年)、1年から活躍するWTB/FB河瀬諒介(2年)。
明治大学にはスピードがウリのWTB山村智也、決定力のあるWTB山崎洋之(ともに4年)、大型FB雲山弘貴(2年)。
SO、FBでもプレーできる筑波大学WTB島田悠平(4年)、スピードが武器の筑波大学WTB仁熊秀斗(3年)などが有手だ。
現在はチーム事情によりNO8としてプレーしている日本体育大学のハラトア・ヴァイレア(2年)も本来はバックスリーの選手である。
また、身長190cmでセブンズでも活躍した東海大学WTBの望月裕貴、ロングキックが得意なWTB杉山祐太(3年)に、大東文化大学の点取り屋WTB朝倉健裕(2年)。
そして、決定力に長けた法政大学WTBの根塚洸雅(3年)、日本大学のエースWTB杉本悠馬(4年)、2部リーグ所属だが、7人制日本代表としてアジアシリーズに参戦経験のある関東学院大学も大型WTB川崎清純(2年)もいる。
関西では、7人制代表歴のある立命館大学WTB藤井健太郎、CTBでもプレーできる木田晴斗(ともに2年)、SOとしてもプレー可能な摂南大学のヴィリアメ・パトリック(2年)らの名前があがる。
バックスリーの選手の中には、当然、15人制のワールドカップだけでなくセブンズでオリンピックを目指す選手も出てくるはずだ。
12月に入ると大学選手権が本格的に始まる。勝敗はもちろんのこと、将来有望なタレントに注目しながら見るとよりいっそう試合が楽しめるはずだ。
文:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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