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写真:選手達を見つめる大西健監督
11月10日に行われた関西学生ラグビーAリーグ第5節で、京都産業大学は同志社大学に勝利し、大学選手権出場を決めた。
今シーズン限りで退任する大西監督にとって最後の同志社戦。大西監督は1973年、当時関西リーグ3部だった弱小・京都産業大学ラグビー部の監督に就任。
「いつか同志社と互角に戦えるようなチームを作ろう」という目標を立て、チームを関西屈指の強豪チームに育て上げた。
「昔からずっと、同志社を意識してやってきた。ライバルというよりは、一番リスペクトしているチーム」(大西監督)。
チームとしても関西制覇、大学選手権出場に向けて、全勝の同志社大との試合は非常に重要なものだった。「負けたら全てが終わり」という言葉を、多くの選手が口にした。
「恥ずかしい試合」「ひたむきさがない」と監督が激怒した前週の摂南大戦。
1週間をかけて、前に出続けるディフェンス、ひたむきな京産ラグビーを取り戻すために練習をしてきた。Aチームだけでなく、部員全員が100%の力で練習を積んできた。
舞台は神戸ユニバー記念球技場。スタンドには同志社大の応援団やチアがスタンバイ。一方京産大もOBらで結成されたバスツアーを利用して、遠くから沢山のファンが駆け付けた。
同志社大はアップ開始早々に8対8でスクラムを組むなど、京産大の強みであるスクラムで優位に立とうと準備を重ねる。
試合は14時キックオフ。スタンドオフの家村健太(流経大柏・1)がボールを蹴り上げると、いきなりキャプテンの伊藤鐘平(札幌山の手・4)が突進し、相手に向かって飛びかかった。
「ハイプレッシャー。とにかく相手にプレッシャーをかける。今日はそれが大事だと思いました」(伊藤キャプテン)。その後も京産大のディフェンスは前に出続け敵陣でプレーする。
一方で序盤のスクラムは、安定しなかった。「最初はレフリーとも相手ともかみ合ってなくて。向こうが組む時にすごく近くて、止まらなかった。それだけヒットに意識があったんだと思います」。
「それで1発目は取られてしまったけど、相手に合わせることはないと、いつも通り真っ直ぐ組もうって声を掛け合いました」
すると同志社大は自陣スクラムで反則を繰り返すようになる。前半10分と21分に城川斗武(常翔学園・3)がPG(ペナルティゴール)を成功させ、6-0と立ち上がりでリードを奪うことに成功した。
写真:第2節のスタメン抜擢以来、エースに成長した堀田礼恩
前半は、27分に同志社大のBK(バックス)が独走トライ。京産大も宮崎達也(伏見工・4)がラックから飛び込みトライ。13-7と京産大リードで折り返す。
後半開始早々、京産大のFB(フルバック)中村悠人が相手の決定機で反則しシンビン。
直後にトライを許し、1点差となるも、後半9分にチャンスを作り、最後は裏のスペースに家村が得意のグラバーキック。
絶好調のWTB(ウイング)堀田礼恩(京都成章・2)が飛び込んでリードを広げた。堀田は13分にもトライ。チームのピンチを救った。
後半19分にトライを返され、27-19。そこから赤紺軍団は自陣でゴールラインを背負うピンチが続くも、ひたむきなタックルで相手を止め続ける。
ロスタイムではコーチ陣も興奮してベンチを出てしまい注意される程、激しい攻防となるも、20分間ディフェンスで耐え抜きノーサイド。
大西監督最後の同志社戦を勝利で飾り、関西大学ラグビーAリーグで4位以上が確定したため、大学選手権出場も決定した。また、関西制覇の可能性も残した。
「天理大学への挑戦権を残せた。天理と戦わないことには、その先はない。次の立命館大学にもFW(フォワード)が前に出て、BKが走る京産のラグビーをして良い形で勝って、最終戦につなげたい」(大西監督)。
監督が就任当初、掲げた目標は3つ。「同志社と互角に戦う」「イングランドの芝を踏む」「大学チャンピオンチームになる」。その中で47年かけて達成できていないのはあと1つ。
悲願の大学日本一に向けて、次週は立命大に挑む。
文/写真:岩田悠吾(京産大アスレチック)
◆関西大学リーグ 京都産業大学 試合日程
・11月17日(日)午後0:00 立命館大学 vs. 京都産業大学 皇子山
・11月30日(土)午後2:05 京都産業大学 vs. 天理大学 西京極
◆関西大学リーグ順位 ※4位までが大学選手権出場
1位 天理大学 5勝0敗
2位 京都産業 4勝1敗
3位 同志社大 4勝1敗
4位 関西学院 3勝2敗
*****
5位 近畿大学 2勝3敗
6位 大阪体育 1勝4敗
7位 立命館大 1勝4敗
8位 摂南大学 0勝5敗
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