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ラグビーワールドカップの中断期間を挟み、先週から再開した大学ラグビー。東西の大学ともに11月10日(日)も注目カードが目白押しだ。
まず、注目されるのは関東大学対抗戦だ。11月10日(日)に開幕4連勝中の3チームが東京・秩父宮ラグビー場に揃う。
◆11月10日(日)11:30 慶應義塾大学 vs. 明治大学 秩父宮
午前11:30キックオフの1試合目は、昨年度の大学選手権王者で開幕4連勝中の明治大学が、2勝2敗の慶應義塾大学と対戦する。ただ、一昨年、昨年の対抗戦、そして夏の練習試合では慶應義塾大が勝利している。
今年の対抗戦は上位4位までしか大学選手権出場できないことを考えると、すでに2敗している慶應義塾大は一戦も負けられない。
慶應義塾大は先週、公式戦でデビューしたニュージーランド出身の2人、アイザイア・マプスアはNO8(ナンバーエイト)ではなく、LO(ロック)で、万能BK(バックス)のイサコ・エノサは先発ではなく、控えスタートとなる。
FW(フォワード)は巨漢PR(プロップ)大山祥平(3年)が引っ張るスクラムで、プレッシャーをかけたいところ。
FL(フランカー)川合秀和(4年)、FL山本凱(2年)の両フランカーは機動力もあり、決定力も高い。
ルーキーのSO(スタンドオフ)中楠一期はすっかり10番として定着した。中盤では攻守の要であるキャプテンのCTB(センター)栗原由太が存在感を示す。まずはディフェンスからペースをつかみたいところだ。
一方、この2年、慶應義塾大に分の悪い明治大は、先週の青山学院大学戦で主将HO(フッカー)武井日向、NO8坂和樹(ともに4年)、ランが魅力の司令塔SO山沢京平(3年)らを温存し、満を持しての一戦となる。
FW(フォワード)では機動力に長けたPR安昌豪、スクラムの強いPR笹川大五(4年)、空中戦に強いLO片倉康瑛(3年)、激しさがウリのLO箸本龍雅(ともに3年)とタレントが揃う。
バックスリーのWTB山崎洋之、WTB(ウィング)矢野湧大(ともに4年)、FB(フルバック)雲山弘貴(2年)の3人もスピードがあり、決定力が高い。
FWでプレッシャーをかけつつ、BK(バックス)で仕留めて今年こそ勝利したいところだ。
◆11月10日(日)14:00 早稲田大学 vs. 帝京大学 秩父宮
午後2:00キックオフの2試合目はともに開幕4連勝中で、昨年、優勝を分け合った帝京大学と早稲田大学が激突する。
先週、筑波大学に24-22で逆転勝利した帝京大は、FWのメンバーを大きく代えてきたが、LO久保克斗、NO8安田司(ともに3年)の2人がFWを引っ張る。
BKはキャプテンCTB本郷泰司(4年)を筆頭に、SO北村将大、WTB(ウィング)尾崎泰雅、WTB木村朋也、FB奥村翔(いずれも3年)と1年生から活躍しているメンバーが揃った。
控えにPR北隼人(4年)、FL/LOリッチモンド・トンガタ(2年)、SH(スクラムハーフ)末拓実(4年)、CTB(センター)ニコラス・マクカラン(3年)と、先発でもおかしくないメンバーが揃い、後半の勝負どころで出てきそうだ。
同じく開幕戦4連勝の早稲田大は、CTB中野将伍(4年)以外はほぼベストメンバーと言えよう。大学No.1のハーフ団と呼び声高い、SH齋藤直人、SO岸岡智樹(ともに4年)がタクトを握る。
NO8の丸尾崇真(3年)らを筆頭に、FWは決して大きくはないが、運動量に長けた仕事人が揃い、監督の息子であるルーキーのFL相良昌彦が先発する。
BKもWTB古賀由教(3年)、FB(フルバック)河瀬諒介(2年)ら決定力のある選手が揃う。早稲田大は運動量とスピードで相手を上回りたい。
◆11月10日(日)11:30 日本体育大学 vs. 青山学院大学 熊谷B
また、10日(日)には、埼玉の熊谷ラグビー場Bグラウンドでも2試合行われる。
1試合目は、先週、慶應義塾大に11年ぶりに勝利した日本体育大学と今年、ここまで白星のない青山学院大学が対戦する。
日体大はキャプテンCTB石田大河(4年)、NO8ハラトア・ヴァイレア(2年)といったラン、運動量もあるFW陣で歳を優位に進めたい。
青山学院大はキャプテンNO8藤森直也を中心に、まずは接戦に持ち込み、WTB手島究(2年)らのランでトライを挙げることできるか。
◆11月10日(日)14:00 筑波大学 vs. 成蹊大学 熊谷B
第2試合は先週、遅くも金星を逃した筑波大学と、勝ち星のない成蹊大学が相対する。
残り試合全勝して大学選手権に出場したい筑波大は、キャプテンSH杉山優平(4年)が出場しないため、NO8土谷深浩(4年)がゲームキャプテンを務める。
SHには今井快(3年)が入り、SOにはバックスリーでの出場も多いSO島田悠平(4年)が務める。成蹊大はキャプテンCTB甲山大悟(4年)を中心に、接戦に持ち込むことができるか。
◆11月10日(日)12:00 関西学院大学 vs. 摂南大学 神戸ユニバー
10日(日)には兵庫・神戸総合運動公園ユニバー記念競技場で2試合行われる。
1試合目は、立命館大学、京都産業大学に勝利し、2勝2敗と大学選手権出場を視野に入れる関西学院大学が、今年まだ白星のない摂南大学のチャレンジを受ける。
関西学院大はキャプテンPR原口浩明(4年)を中心にセットプレーとディフェンスで失点を抑えて、決定力のあるWTB中孝祐(4年)らでトライを取り切りたいところ。
摂南大はNO8マタエナ・イエレミア(4年)、SOヴィリアミ・ツイドラキ(2年)、FBテビタ・タイ(2年)ら突破力のある選手を中心に先手を取っていきたい。
◆11月10日(日)14:00 同志社大学 vs. 京都産業大学 神戸ユニバー
2試合目は開幕4連勝の同志社大学と、3勝1敗の京都産業大学の上位が対決する。
今年はFW(フォワード)、BK(バックス)ともにトライの取れる同志社大は、FL堀部直壮(4年)を筆頭にFW8人中、7人が4年生とまとまりがある。
キャプテンのWTB山本雄貴(4年)が引っ張るBK陣はSH人羅奎太郎(3年)、SO田村魁世(2年)のハーフ団はセンスに溢れている。
また、正確なプレースキックを誇るFB原田健司(4年)、スピードのあるWTB山口楓斗(2年)がおり、得点の取り合いには強い。
京都産業大はやはりキャプテンLO伊藤鐘平、PR寺脇駿(ともに4年)が引っ張るスクラムが武器であり、ルーキーのLOアサエリ・ラウシ(1年)、NOO8フェインガ・ファカイ(4年)は突破力が光る。
SH廣田瞬(2年)とルーキーのSO家村健太の若きハーフ団がFWをしっかり前に出したい。隙があればWTB堀田礼恩(2年)らのランでもトライを挙げたいところだ。
関東大学対抗戦、関東大学リーグ戦、そして関西大学リーグの3つのリーグは優勝争い、そして大学選手権争いは佳境を迎えようとしている。一戦一戦、青春をラグビーにかける大学生たちの勇姿を見逃すな!
文/写真:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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