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「先輩たちのリベンジもかけて挑んだ」と主将のWTB(ウィング)山本(4年・同志社)は試合後に話した。
昨年の第3節、対関西学院大学。2連敗で迎えた同志社大学はもう後がなかった。リードして迎えた後半39分、関学大のFW(フォワード)に押し込まれ同点にされる。
そして悲劇が起きた。ロスタイム、フィールド中央で組まれたスクラムから50mの独走を許し、ノーサイド。自力での選手権出場の道は閉ざされてしまった。
あの絶望が脳裏をよぎる中、天理親里球技場でキックオフされた第4節。先に得点を動かしたのは関学大であった。
自陣22m付近からキックパスを飛ばされ、難なく捕球されるとそのままインゴールへ走りこまれた。
前半32分にNO8(ナンバーエイト)斎藤(3年・城東)のトライで振り出しに戻すが、再び失点で、7-14で後半へと折り返す。
後半6分、関学大はBK(バックス)を軸に右へ、左へと素早いパスワークで同志社は揺さぶる。そこで生まれたスペースに走り込まれトライを許す(7-21)。14点差となり、会場からはため息が漏れた。
だが、遂に同志社が反撃の狼煙をあげた。敵陣22mのマイボールラインアウトから、右サイドへボールを飛ばす。
写真:ゴールへ駆ける堀部
FL(フランカー)堀部(4年・筑紫)からFB(フルバック)原田(4年・修猷館)が受けると、4人を引きつけながらゲイン、再び右サイドから走り込んできた堀部がインゴールへ飛び込んだ(14-21)。
このトライで同志社は勢いを一気に加速させた。SH(スクラムハーフ)人羅(3年・東海大仰星)とSO(スタンドオフ)桑山(3年・國學院大學久我山)の3年生ハーフバックコンビを軸に、アタックテンポのギアを徐々に上昇させ、同志社の流れをもたらした。
33分、関学大のノックオンにより敵陣ゴール前にてマイボールスクラムになる。スクラムから出たボールを桑山へ配球すると、美しいトライが生まれた。
「負けていたので、思い切って仕掛けた」(桑山)。第3節でも見せた、左サイドへのキックパスにタッチライン際を走るWTB山口(2年・東海大福岡)が反応。
ボールをキャッチすると、2人交わしてインゴール左中間にグランディング。難しい角度ながらも原田のコンバージョンも決まり、遂に21-21の同点。
同志社陣営のボルテージは最高潮に達していた。同志社は再びじわじわと敵陣へと侵入。FW陣が着実にボールをインゴールへと近づけた。
すると焦った関学大がオフサイド。客席からは「ショット!」と叫ばれていた。
写真:キックをすべて成功させ、MOMを獲得した原田
「メンバー、ベンチ含めて全員がペナルティショットと言っている声が聞こえて、みんなから信頼してもらっているのだなと肌で感じた」(原田)。
ゴールまで約30m。大きく助走を取り、右足から放たれた豪快なショットは、空高く飛びながらもゴールポストを通過。審判2人が手を挙げたと共に、スコアボードには24の数字が刻まれた。
しかし、試合は終わっていない。関学大も意地を見せ、最後の最後まで攻め続ける。ロスタイムに入り、自陣22~5m付近でまさのノットロールアウェイ。
そこで関学大はペナルティゴールで同点にするのではなく、スクラムを選択。トライを奪い、逆転勝利を狙っていた。
お互い残る力を振り絞った渾身のスクラムが組まれると、ボールを拾った関学大が左サイドからが飛び出してきた。
だが、同志社はしっかりと抑え、ラックからボールを奪いターンオーバーに成功。最後は桑山が左サイドにボールを蹴り飛ばし、3季ぶりに関学大から白星を奪った。
「我慢比べに選手たちが粘り勝ちをした」(萩井監督)。リザーブの選手がスタメンに負けないインパクトを見せつけた。
また、「勝ちきる」面で同志社は大いに成長している。昨年までは土壇場での失点で逆転負けを喫する展開が多く見られた。
だが、今年は第2節の近畿大学戦でも見られように勝負強く、勝ちきることができている。
5連勝をかけて戦う相手は、京都産業大学だ。京産大の大西監督はラストイヤーということもあり、選手権への想いは一層強いだろう。
春に行われた京都ラグビー祭では、試合終了間際でまさかの逆転負け。1点に泣いた試合となった。
手堅いセットプレーが定評の京産大に対し同志社FW陣がそれ以上のパフォーマンス見せ、リベンジを果たしたい。
文: 川田翼/写真: 上野孝輔、柳ヶ瀬達彦(同志社スポーツアトム)
◆11月10日(日)関西大学リーグ 試合日程
・12:00 関西学院大学vs.摂南大学 神戸ユニバー
・14:00 同志社大学vs.京都産業大学 神戸ユニバー
同志社スポーツアトム編集局
同志社スポーツアトム編集局は1978年に創刊された同志社大学唯一の体育会機関紙です。年6回の本紙の発行を軸に、号外の発行やHPの管理などをすべて学生の手で行っています。
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