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日本中を熱狂させたラグビーワールドカップ(RWC)が終わり、寂しい思いをしている人は多いだろう。しかし、国内ラグビーはこれからが本番である。RWCのため休止していた大学ラグビーの各リーグも11月3日から再開され、熱戦が相次いだ。今週末も注目カードが数多いが、大学王者・明治大の所属する関東大学対抗戦では、10日、秩父宮ラグビー場(東京都港区北青山)にて、明治対慶應義塾、早稲田対帝京の上位対決がある。
対抗戦グループは、ここまで帝京、早稲田、明治が4戦全勝、慶應が2勝2敗でこれを追っている。全国大学選手権出場枠は「4」。慶應はここから上位陣との対決があるが、上位との対戦を終えた筑波、日体大も1勝をあげており、慶應はトップ3のチームから白星をあげないと選手権出場が苦しくなる。秩父宮の第1試合は、明治対慶應義塾。選手層が厚く、圧倒的な攻撃力を誇る明治に対して、どんなチャレンジを見せるのか。栗原徹ヘッドコーチのもと磨いてきた判断力を発揮し、番狂わせを狙う。話題の留学生LO、193cmのアイザイア ・マプスア、期待の1年生SO中楠一期(なかくす・いちご)の動きも見逃せない。
第2試合の早稲田と帝京は、今節一番の注目カードだろう。早稲田は、11月4日、18トライの猛攻で成蹊大学に大勝した。SH齋藤直人、SO岸岡智樹の状況判断力、パス、キックなどのスキルは学生随一だ。BKラインにもスピードある選手が揃っており、勝利のためにはスクラム、ラインアウトなどセットプレーを互角以上に戦いたい。NO8丸尾崇真ら前にボールを運べる選手をうまく機能させたいところ。
一方、帝京は先週、筑波に大苦戦。終了間際にWTB木村朋也のトライで同点とし、交代出場のSO北村将大が難しいゴールを決めて、24-22と逆転勝利した。帝京はこの試合でキャプテンの本郷泰司、北村らを控えに回して戦った。筑波大のひたむきに前に出てくるディフェンスに苦しんだが、なんとかしのぎ結果的には貴重な経験を積んだ。追い込まれた状況のラストプレーで逆転に持ち込んだ経験は今後に生きるだろう。
昨年の対抗戦では、帝京がコンタクト局面で徹底してプレッシャーをかけ、45-28で早稲田に勝っている。今年の春も、61-24で帝京が大勝したが、夏合宿では早稲田が31-21で勝利した。195cmのアレクサンダー・マクロビー、192cmの久保克斗の両LOらを軸に圧力をかけたい帝京に、セットプレーである程度対抗し、スピーディーにボールを動かしたい早稲田。今年の対戦は1勝1敗。一瞬も目が離せない好試合になりそうだ。
文:村上 晃一
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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