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ラグビー コラム 2019年10月25日

心理戦でヒートアップ!超弩級ビッグマッチ「イングランド vs. ニュージーランド」ラグビーワールドカップ日本大会・準決勝プレビュー

ラグビーレポート by 多羅 正崇
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イングランド vs. ニュージーランド

このカードが見たかった。そう感じているファンは少なくないのではないか。

北半球のラグビーの母国と、南半球のラグビー王国。最高の対決がラグビー・ワールドカップ(W杯)の準決勝で実現した。

10月26日(土)、神奈川・横浜国際総合競技場で、W杯2連覇を狙うニュージーランド(NZ、世界ランキング1位)と、イングランド(同2位)が相まみえる。

イングランドを率いるエディー・ジョーンズHC(ヘッドコーチ)は、前回大会で日本代表を率いたのち、初の外国人監督(オーストラリア出身)としてイングランドの指揮官に就任。

2016、17年にシックスネーションズ(欧州6カ国対抗戦)を連覇するなど、前回大会で開催国初のプール戦敗退を喫したラグビー発祥国をV字復活させた。

そんなジョーンズHCが事あるごとに強敵として言及してきたのが、W杯2連覇王者のニュージーランド代表“オールブラックス”だった。

プール戦の組み分けが決まった2017年5月には、NZを最大の敵とした上で「勝利するチャンスを出すことは100%できる」と断言していた。

しかし通算対戦成績はNZが33勝1分7敗。イングランドの直近の勝利は2012年。聖地トゥイッケナムを舞台に38-21で勝っており、この勝利を先発10番で味わったオーウェン・ファレル主将、13番マヌ・トゥイランギら8人は現代表に参加している。

大舞台で6年ぶりのNZ撃破はなるか。W杯優勝と打倒NZを公言し、チームの燃料にしてきたジョーンズHCだが、大一番を前にして、メディアを介した心理戦を仕掛けた。

「こちらにプレッシャーはない。誰もわれわれが勝つとは思っていない。日本の1億2千万の国民が、日本代表の次に好きなのがオールブラックスだ。だからわれわれにはプレッシャーがない」

プレッシャーと戦っているのはオールブラックスの方だ――そんなメッセージを記者から伝えられたNZのスティーブ・ハンセンHCは、こう応じた。

「われわれは常にプレッシャーの中にいる。かつてはプレッシャーから逃れようとして、プレッシャーが追い掛けてきたけれども、最近はプレッシャーとともにあるという認識でいる」

オールブラックス流のプレッシャー論を展開した上で、やり返した。

「彼(ジョーンズHC)はプレッシャーについて皆がわれわれに話すように仕向け、そうすることで自分のチームからプレッシャーを取り除こうとしている」

「彼が取り組まなくてはならないことは、彼ら自身に掛かっているプレッシャーをどうするかだ。彼らには4年前の大会の記憶(プール戦敗退)がよみがえってくるはずだ。だから彼ら自身もとてつもないプレッシャーの中にいるはずだ」

エディー・ジョーンズ

場外で舌戦も展開され、いよいよボルテージは高まってきた。

王者として迎え撃つNZは、先発メンバー発表でサプライズがあった。

準々決勝アイルランド戦から先発は15人中1人が変更になった。その1人とは、本職がロックであるFL(フランカー)スコット・バレット。前の試合ではFLサム・ケインに代わり、後半から投入されていた。

スコット・バレット

代表にいるバレット3兄弟の一人であるスコットの起用について、ハンセンHCは「詳しく話すのはやめておこう」と答えた。

「エディーが情報を得て、素早く対処してしまうといけないから。調子の良し悪しではなく、戦術的であることは間違いない。(バレットに代わりベンチスタートになる)サム・ケインも良いラグビーをしている」

6番を背負うスコット・バリットについて、NO8(ナンバーエイト)のキアラン・リード主将は「年初以来、ミーティングではフォワード第3列の右側という位置づけで加わってきている」と語り、サプライズでないと明かした。

「第3列としてちょっと違ったものをチームに与えてくれそう。プレーぶりもかなり印象的だ」

一方、挑戦者のマインドで向かうイングランドのジョーンズHCは、準々決勝のオーストラリア戦から先発を1人変更した。

HC就任当初から重用してきた一人で、前戦はリザーブだったジョージ・フォードに先発10番を託した。

ジョーンズHCは、フォードの10番起用についてこう説明した。

「(タックルやターンオーバーなどの)ワークレートが大事になる。ニュージーランドと対戦する時は、ボールから離れている場面でのプレーが非常に大切になってくる」

「ニュージーランドはボール回しなどがとてもうまいから、ボールから離れて動くワークレートがジョージの場合はものすごくいい(というのが理由だ)」

そして念願の決戦に向けて意気込んだ。

「最良のパフォーマンスをしなければならない。ニュージーランドはW杯史上初の3連覇を目指しているので、プレッシャーを受けている。彼らはゲームの基本に忠実なので、安定して強い」

今大会で最大級のビッグマッチの結末やいかに――。大注目の「イングランド×ニュージーランド」は10月26日(土)午後4:30からJSPORTS 1で生中継される。

【イングランド】試合登録メンバー23人

■先発15人
1.マコ・ブニポラ
2.ジェーミー・ジョージ
3.カイル・シンクラー
4.マロ・イトジェ
5.コートニー・ローズ
6.トム・カリー
7.サム・アンダーヒル
8.ビリー・ブニポラ
9. ベン・ヤングズ
10.ジョージ・フォード
11.ジョニー・メイ
12.オーウェン・ファレル(キャプテン)
13.マヌ・ツイランギ
14.アンソニー・ワトソン
15.エリオット・デーリー

■リザーブ8人
16.ルーク・カワンディッキー
17.ジョー・マーラー
18.ダン・コール
19.ジョージ・クルーズ
20.マーク・ウィルソン
21.ウィリー・ハインツ
22.ヘンリー・スレード
23.ジョナサン・ジョセフ

【ニュージーランド】試合登録メンバー23人

■先発15人
1.ジョー・ムーディー
2.コディー・テーラー
3.ネポ・ラウララ
4.ブロディー・レタリック
5.サミュエル・ホワイトロック
6.スコット・バレット
7.アーディー・サベア
8.キーラン・リード(キャプテン)
9.アーロン・スミス
10.リッチー・モウンガ
11.ジョージ・ブリッジ
12.アントン・レーナートブラウン
13.ジャック・グッドヒュー
14.セブ・リース
15.ボーデン・バレット

■リザーブ8人
16.デーン・コールズ
17.オファ・トゥンガファシ
18.アンガス・タアバオ
19.パトリック・トゥイプロトゥ
20.サム・ケイン
21.TJ・ペレナラ
22.ソニービル・ウィリアムズ
23.ジョーディー・バレット

文:多羅 正崇

多羅正崇

多羅 正崇

スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。

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