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ラグビーワールドカップも今週末からいよいよ決勝トーナメントに入り、今週末は準々決勝が行われる。
10月19日(土)は大分スポーツ公園総合競技場で、プールC1位のイングランド(世界ランキング3位)と、プールD・2位のオーストラリア(6位)が激突する。
エディー・ジョーンズHC(ヘッドコーチ)が率いるイングランドは予選プールで、全てボーナスポイントを獲得して3連勝。
最終戦のフランス戦は台風の影響で中止となったが、いち早くベスト8進出を決めるなど、前評判通りの強さを見せている。
イングランドのメンバーはPR(プロップ)にマコ・ヴニポラが先発復帰、ケガの状態が心配されていた弟のNO8(ナンバーエイト)ビリー・ヴニポラと、ワールドカップで初めて兄弟で先発する。
BK(バックス)では、プールステージですべて先発していたSO(スタンドオフ)ジョージ・フォードがリザーブに回り、10番はキャプテンのオーウェン・ファレルが務める。
CTB(センター)はこれまで13番で出ていたマヌー・トゥイランギが12番に、13番にはヘンリー・スレードが入った。そして、決定力の高いWTB(ウィング)のジョニー・メイはこの試合が50キャップの節目となる。
ジョーンズHCは、「私たちは23人で戦うのであって、フォードが先発しないという意味ではなく、今回はフィニッシャーとして出るというだけだ。31人の優れた選手から23人を選ぶことは本当に難しい作業なのです」と語った。
また、「マイケル(・チェイカ)の率いるオーストラリアに勝つには本当に良いプレーをしないとならない」。
「(デービッド・)ポーコックや(マイケル・)フーパーと対峙するにはコンテストの強いFL(フランカー)が必要」と、トム・カリーとサム・アンダーヒルの若手コンビを先発起用する理由を説明した。
自身の母国オーストラリアとの対戦について、「(現在、オーストラリア戦は6連勝中)過去の結果がほとんど意味をなさないのがワールドカップです」。
「私はオーストラリアを知っていますし、(クラブチームのランドウィック時代からの)旧友のチェイカは素晴らしい仕事をして誇りに思います。互いがコーチとしてワールドカップで戦えるなんてワクワクします」。
「それに(先日逝去したランドウィックの元コーチ)セイル・スタイルズへの供養にもなるでしょう」と話した。
また、「オーストラリアはこの1年でスクラムとラインアウトが良くなりました。さらに強くなっている」と警戒しつつも、「だが、私たちは勝つための準備をしてきました」と自信をのぞかせた。
一方の「ワラビーズ」こと、オーストラリアは予選プール戦でウェールズに黒星を喫したが、その後、3勝して2位で予選プールを通過した。
最終のウルグアイ戦からキャプテンのFLマイケル・フーパー、SH(スクラムハーフ)ウィル・ゲニア、SOクリスチャン・リアリーファノらが先発に復帰した。
また、19歳の新星ジョーダン・ペタイヤがWTBからCTBに移動してサム・ケレヴィとコンビを組んで先発する。
マイケル・チェイカHCは、「ペタイアは試合や練習を見て、このポジションで、この試合に合っているから選んだ。若いが自然体で、しかもしっかりと準備ができている」とペタイアをCTBにした理由を語った。
だが、「あまり選手起用の理由を話したくない。手の内を見せたくないし、みんないい選手だからだ。同じように、エディーのセレクションにも興味がない」と多くを語らなかった。
続いて、「エディーは本当によくやっています。イングランドにオージーがいるといつも辛いですよ」。
「クリケットチームの元コーチ、イングランドラグビーリーグチームのヘッドコーチ、そしてエディー。すばらしいオージーが相手にいるってどういうことかわかりますか?」とぼやいてみせた。
2015年ワールドカップでは、イングランドとオーストラリアは同プールに入り、オーストラリアがイングランドを33-13と破っている。
イングランドは開催国初の予選プール敗退という憂き目にあい、オーストラリアは準優勝を果たした。
しかし、エディー・ジョーンズHC就任後、イングランドはオーストラリア遠征で3連勝したのを始め、現在まで6連勝中。通算成績はオーストラリアの25勝24敗1分、ワールドカップでも3勝3敗とほとんど互角だ。
オーストラリア出身の指揮官同士が対峙するイングランドvs.オーストラリア一戦は、10月19日(土)16時15分より大分・大分スポーツ公園総合競技場でキックオフされる。
文:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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