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ラグビー コラム 2019年10月14日

ウェールズが1位通過を決めるも、ウルグアイの健闘が光る。ラグビーW杯日本大会「ウェールズ×ウルグアイ」

ラグビーレポート by 真鍋 雅彦
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ウェールズ vs. ウルグアイ

すでにベスト8進出が決まっているウェールズと、格上フィジーを破るなど今大会ではその存在感を存分に示しているウルグアイ。プールDの最終戦は午後5時15分、熊本県民総合運動公園陸上競技場でキックオフの笛が鳴らされた。


先発15人中14人が1試合目のフィジー戦と同じという布陣で臨んだウルグアイに対し、ウェールズは9日のフィジー戦からメンバー13人を変更。ウルグアイを甘く見たわけではないだろうが、明らかにメンバーを落としてきた。そしてそのことが、結果的に試合を面白くすることになるとはウェールズ陣営も想像していなかっただろう。

開始直後からウェールズはボールを大きく動かし前進を図ろうとする。その攻撃方法自体は悪くなかったが、何故かこの日は細かいミスが連続し、相手ゴールにボールを運ぶことはできない。ようやく先制点を奪ったのは、前半16分。ウルグアイ陣5mのゴール正面でのスクラムを起点にFW陣が突進を繰り返し、最後はPRニッキー・スミスがインゴールでボールを押さえた(ゴール成功で7-0)。


その後もウェールズはミスをしながらも果敢に攻撃を仕掛けるが、ウルグアイの粘りのディフェンスにあって簡単にはゴールラインを割ることができない。ウェールズがもたもたする間にウルグアイが相手陣にボールを運ぶ。最終的にはトライにまでは至らなかったが、前半21分と38分、SOフェリペ・バチェシが確実にPGを決めて、前半はウェールズ7-6の1点差で終えた。


ハーフタイムで気合いを入れ直したのか、後半になってウェールズのエンジンがようやく掛かり始める。後半8分、ウルグアイ陣15m地点のマイボールラインアウトからFWが前進し、アドバンテージを得てから左に展開。WTBジョシュ・アダムスがインゴールに飛び込んで14-6(ゴール成功)とした。

さらに後半25分、ウェールズはウルグアイ陣5mで得たラインアウトからモールで押し込み、これがペナルティートライとなって7点を追加。21-6とウルグアイを引き離した。


ところが、ウルグアイも簡単には諦めない。後半30分、FLサンティアゴ・シベッタの10分間退場で1人少なかったにも関わらず、執拗なFW攻撃でトライを奪取、21-13と8点差に迫る。

トモス・ウィリアムズ

しかし、ウルグアイの反撃もここまで。その直後の後半33分、ウェールズのSHトモス・ウィリアムズがラックサイドのスペースを付いてトライ。FBリー・ハーフペニーのゴールも決まり28-13とほぼ試合を決めた。


あとは時間の経過を待つだけ。誰もがそう思ったにも関わらず、その後、試合はこの日一番の盛り上がりを見せる。

ウルグアイの健闘が光った

試合終了を告げるドラの音が響き渡ったあと、負けているウルグアイはもちろん、いつでも試合を終わらせることができるウェールズも、ボールを持てば激しくアタック。その攻防は5分近くにわたって繰り広げられた。


最後はウェールズのWTBガレス・デーヴィスがトライを奪い35-13でノーサイドを迎えたが、点差ほどの差を感じない好ゲームだった。

負けたウルグアイは、この試合で全日程を終了。1勝3敗、勝点4でプールDの最下位に終わったが、その健闘は大いに光り、十分な爪痕を残したといえよう。


一方、ウェールズは戦前の予想通り4戦全勝、勝点19でプールDを1位通過。トーナメント初戦(準々決勝)でプールC2位のフランスと相まみえる。力的にはウェールズのほうが上と見られているが、そこはクセ者のフランス。最後まで目が離せない白熱した攻防が繰り広げられそうだ。

文:真鍋 雅彦

【ハイライト】ラグビーワールドカップ2019 プールA スコットランド vs. ロシア

© Rugby World Cup Limited 2019

真鍋 雅彦

真鍋 雅彦

フリーライター。1957年大阪府生まれ。父の影響で小学生の頃からラグビーに親しむ。大学卒業後、ベースボール・マガジン社勤務を経てフリーランスに。主にラグビー、野球、ゴルフなどの原稿を執筆。2014~18年、キヤノンイーグルスWEBページのオフィシャルライターを務める。

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