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ラグビーワールドカップの予選プール戦もいよいよ最終戦、10月13日(日)にベスト8が出揃う。日本(世界ランキング8位)は、神奈川・横浜国際総合競技場でスコットランド戦(同9位)を迎える。
日本は開幕戦でロシアを、2戦目は優勝候補のアイルランドを、そして10月5日にサモアを破って3連勝を達成し、勝ち点14でプールAの首位。勝ち点2以上を挙げれば、1位で決勝トーナメントに進出する。
◆プールA 順位表
1位 日本:勝ち点14(3勝敗)
2位 アイルランド:11(2勝1敗)
3位 スコットランド:10(2勝1敗)
4位 サモア:5(1勝2敗)
5位 ロシア:0(0勝4敗)
一方のスコットランドは、初戦はアイルランドに完敗したが、続くサモアとロシアを零封して勝ち点10で3位につけている。日本に8点差をつけて勝利すれば決勝トーナメントに進出できる。
両者の過去の対戦成績は日本の1勝9敗で、互いにテストマッチと認めた試合は0勝7敗。当然、ワールドカップで日本が勝利したことはない。
いずれにせよ、日本は負けてもボーナスポイントを獲得すればベスト8進出の可能性は残るが、勝った方が決勝トーナメントに進出する大一番となった。
日本を率いるジェイミー・ジョセフHC(ヘッドコーチ)は、先週の土曜日のサモア戦から4人の先発選手を変更した。
サモア戦でリザーブだったHO(フッカー)堀江翔太が先発に復帰し、サモア戦は欠場したLO(ロック)トンプソン ルーク、ケガで欠場していたFB(フルバック)ウィリアム・トゥポウも先発に戻った。
また、大会前の南アフリカ戦でケガをしていたエースのWTB(ウィング)福岡堅樹は、アイルランド戦、サモア戦と2試合連続途中出場からトライを決めていたが、スコットランド戦は先発スタートとなった。
WTB松島幸太朗、そしてWTB福岡にいい形でボールを渡せばトライを挙げられるはずだ。また、ゲームキャプテンにはチームのキャプテンであるFL(フランカー)リーチ マイケルが復帰した。
ジョセフHCは、「リーチ(・マイケル)が適切なリーダーと最初から思っていた。本調子になってきたので、次の試合に最もふさわしい人物なので選出した」と説明した。
そして、勝てば文句なしで決勝トーナメント進出かかる一戦に指揮官は「世界のエリートチームの1つとして認められるくらいのプレーをしてきたと思います」。
「月曜の朝起きた時に、我々がトップ8にふさわしかったかどうかがわかる。国民が後押ししてくれている。モチベーションとして掲げているのは最高のことを達成したいということ」とベスト8に向けて力強く語った。
キャプテンのFLリーチは、「チームが勝つためにはキャプテンが最強じゃないと勝てない。調子が戻ってチームの先頭に立って引っ張れるようになった」。
「勇気を持つことが一番重要。ビビらず、怖がらず、プレッシャーに対して準備をすることが大事」と闘志を燃やした。 今大会、FW(フォワード)の接点でのファイト、セットプレーの安定が勝利の大きな要因になっているだけに、この試合でもリーチ キャプテンを筆頭にしたFWの奮闘に期待したい。
一方のスコットランドは、10月9日(水)に行われたロシア戦から12人の選手を変更。FLとしてプレーしたフレイザー・ブラウンがHOに、そしてWTBダルシー・グラハム、トミー・シーモアの3人が引き続いて先発する。
また、LOジョニー・グレイ、SHグレイグ・レイドロウ、SO(スタンドオフ)フィン・ラッセル、FBスチュアート・ホッグらが順当に名を連ねた。
ただ、キャプテンのHOスチュアート・マキナリーは控えに回ったことで、ベテランのSHレイドローがゲームキャプテンを務めることになった。
グレガー・タウンゼンドHCは「HOはブラウンが先発して、ベンチからマキナリーが出た方が、戦術的にも適していると思いました」とメンバー選考について語った。
「多くの人がこの試合を楽しみにしている。私たちが彼らに8点以上の差をつけて、直接準決勝への切符を手にすることができる、またとないチャンスだ」と意気込んだ。
また、ゲームキャプテンを務めるSHレイドローは「日本はこの4年、そして私たちが2016年に来日してから非常に進歩しました。試合を見ればその成長幅がわかると思います」。
「アイルランドのようなチームを倒すことは、まぐれではありえない。みんなモチベーションは高いですし、戦う準備はできています」と気を引き締めた。
スコットランドはパスで展開しつつ、SHレイドロー、SOラッセルのキックで上手く戦ってくるはずだ。モールも強く、得点源になっている。
台風の影響でやや風があると予想されているが、試合をする分には大きな問題なさそうだ。
互いに攻撃ラグビーを信条とし、セットプレーにもディフェンスにも自信を持っている。両チームとも調子を上げており、持ち味が似ていることもあり、接戦が予想されている。
日本がホームの大声援を背に、開催国のプライドを見せ、ワールドカップ初のベスト8進出で、日本ラグビーの新たな歴史を築くことができるか。
日本、いや世界中のラグビーファン、スポーツファンの耳目を集める日本vs.スコットランドの激突は、10月13日(日)、神奈川・横浜国際総合競技場で午後7:45よりキックオフされる。
文:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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