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ラグビー ニュース 2019年10月10日

「ピッチではなく練習場で終わりを告げた」。中止を受けて各国のHC、キャプテンのコメント。ラグビーワールドカップ2019

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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10月10日(木)、都内で12時より会見が行われ、ワールドラグビーとラグビーワールドカップ2019組織委員会は、非常に強い台風19号の日本接近に伴い、10月12日(土)開催予定だった下記2試合の中止を決定した。

◆10月12日(土)
・13:45 ニュージーランドvs.イタリア 豊田スタジアム
・17:15 イングランドvs.フランス 横浜国際総合競技場

同じ12日(土)、福岡・東平尾公園博多の森球技場で行われるアイルランドvs.サモアの試合は予定通り行われるという。

日本vs.スコットランドを含む、13日(日)の4試合は、台風通過後の安全性を調査の上、試合開催可否判断を行うという。もし、試合が中止される場合は、原則キックオフ6時間前まで案内される予定だ。

ワールドラグビーCOO兼ラグビーワールドカップ統括責任者のアラン・ギルピンは「可能な限りの対策を検討してまいりましたが、チーム、観客、ボランティア、その他の関係者の安全を脅かす可能性のある判断をすることはできません」。

「そのためにいくつかの試合を中止する決定を下しました。また、イングランド、フランス、ニュージーランド、イタリアのファンのみなさまが残念な思いをされることと思いますが、皆様の安全を第一に考えての判断であることに理解をいただけるものと信じています」と説明した。

また、ラグビーワールドカップ2019組織委員会の事務総長・嶋津昭氏は「今回の判断に際し、私どもが最優先に考えたのは、観客、選手、大会を支えるスタッフ・ボランティア、運営に協力してくださる関係各所の皆さんの安全を守ること、そして大会の規定を順守することです」。

「その上で決断されたワールドラグビーの判断について、我々は受け入れ、合意します」と話した。2人とも、選手だけでなく、ファンや関係者の身の安全を考慮しての2試合中止という結果となったことを強調した。

2試合の中止が決定し、両試合とも引き分け扱いとなり、4チームに勝ち点2ずつ加算された。結果、プールBとプールCの上位2チームは下記のように決定した。

プールBは1位がニュージーランド、2位が南アフリカ、プールCは1位がイングランド、2位がフランスとなった。なお、プールBのイタリアも3位が決まり、2023年大会の出場権を得た。

◆プールB 順位表
1位 ニュージーランド:勝ち点16(3勝1分)
2位 南アフリカ:15(3勝1敗)
3位 イタリア:12(2勝1分1敗)
4位 ナミビア:0(0勝3敗)
5位 カナダ:0(0勝3敗)

◆プールC 順位表
1位 イングランド:勝ち点17(3勝1分)
2位 フランス:15(3勝1分)
3位 アルゼンチン:11(2勝2敗)
4位 トンガ:1(0勝3敗)
5位 アメリカ:0(0勝3敗)

イングランド、ニュージーランド、イタリアは会見を開き、各チームのHC(ヘッドコーチ)は下記のようにコメントした。フランスは会見を行わなかった。

◆イングランド エディー・ジョーンズHC

「しょうがないですね(日本語で)。この国にはこうした台風が起こりうることはわかっていましたし、どうにもできないことです。自分でコントロールできないことは起こります。どんことも起こりうるので、それについて正しい対応を取るだけです。

大会の運営は素晴らしいです。ここは良い機会だと思うことにします。ワールドカップなので、試合ができないことはとても残念ですし、もちろん楽しみにしていたファンにも気の毒なことです。

私たちは(ティア2との)比較的難しくない試合を2つ、アルゼンチンとのタフな試合を1試合経験しました。それから2週間の準備を経て準々決勝に臨むことができます。とりあえず(移動して)宮崎ビーフを食べて、土曜日にビールを飲みます」

◆ニュージーランド スティーブ・ハンセンHC

「私たちにはどうにもできない。これ(試合の中止を)をポジティブなものにするつもり。準々決勝の相手がどこになろうが、準備の時間が増えた。(準々決勝の相手はどこになる?)わからない。わからない。 スポーツは予想がつかない。日本は素晴らしいプレーをしているから勝つかもしれないが、スコットランドには勝たなければならない理由がある。どっちに転ぶか分からない。予定通り試合ができればいいと思います」

◆ニュージーランド キャプテンNO8(ナンバーエイト)キアラン・リード

「ワールドカップだから試合がしたかった。イタリアもそうだし、ファンも残念だと思います。安全を考慮しての決断だから理解しないといけない」

◆イタリア コナー・オシェイHC

「残念だ。オールブラックスとの対戦は我々にとってはチャレンジだったし、恐らく(セルジオ・)パリセ、(アレッサンドロ・)ザンニ、(レオナルド・)ギラルディーニ にとっては、最後のワールドカップの試合となるはずだった。それに若い選手たちも試合に出る機会を与えられなくなってしまった。

ワールドラグビーも難しい決定だったと思う。しかし、私たちは唯一ベスト8への可能性が残されていた。選手たちに伝えるのはとても辛かった。イタリアのラグビーを見せようとすべてをかけてきたワールドカップが、ピッチではなく練習場で終わりを告げた。

セルジョや選手たちにファンの前で、そしてロッカールームで一緒にワールドカップを終えたかった。現実を受け入れるのは辛い。

ピッチでは何が起こるか分からない。(4年前に日本が勝った)南アフリカ戦でわかったように。長期間準備してきたし、チームの精神状態も良かった。

ベスト8に残るチャンスがあったのに。試合をしたら勝っただろうと言っているのではない。でも、ピッチの上で結果を出したかった。ニュージーランド戦は我々のワールドカップ最後の試合ではなく、新しい旅路に行くためのきっかけにしたかった」

◆イタリア キャプテンNO8(ナンバーエイト)セルジオ・パリセ

「素晴らしいチームと試合をする機会が失われたことは辛い。ニュージーランドが、この試合で一定の勝ち点を取らなければならない状況だったら中止にならなかっただろう。こんな決定はおかしい。日本に台風が来るのは珍しくないのだから、他のやり方を用意していないのはおかしい」

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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