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ラグビー コラム 2019年10月7日

フランスが接戦を制し、決勝トーナメント進出を決める。ラグビーW杯日本大会「フランス vs. トンガ」

ラグビーレポート by 真鍋 雅彦
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トンガ代表

トンガ代表によるシピタウ

10月6日、今大会初めての開催となる熊本県民総合運動公園陸上競技場で、グループCの一戦、フランスとトンガとの試合が行われた。
フランスは勝てば決勝トーナメント進出が決定。一方のトンガは、すでに2敗を喫しているもののアルゼンチン戦では最後まで食い下がるなど上位を倒す力を持っているチーム。好ゲームが予想されたが、予想に違わぬ激戦が繰り広げられた。

序盤は、フランスペースで進む。若き司令塔、SOロマン・ヌタマックの効果的なキックでトンガ陣に攻め込み、開始2分には早くもPGで先取した。
さらに前半5分、ハーフウェイライン付近のトンガボールのラインアウトでのこぼれ球をフランスが拾い、左サイドに大きく展開。快足WTBのアリベルティ・ラカが抜け出してCTBヴィリミ・ヴァカタワにリターンパス。ヴァカタワが正面まで回り込んでトライを奪い、ゴールも決まって10-0とした。
15分過ぎからはトンガもフランス陣に攻め込むが、ひとたびボールを奪われると、華麗なパスワークと巧みなランニングスキルで一気に自陣にボールを運ばれるというシーンが数多く見られ、思ったような試合運びができない時間帯が続く。

アリベレティ・ラカ

WTBアリベレティ・ラカ

そんな中で迎えた後半30分。トンガ陣30m付近でフリーキックを得たフランスは、SHバティスト・セランが素早くリスタートし、左サイドに張っていたラカにパス。ラカはサイドラインを駆け上がるやショートパントを上げ、それを自ら拾ってインゴールへ。左中間からのゴールも決まり、フランスが17-0とリードを広げた。
しかし、ここからトンガが意地を見せる。フランス陣22m付近のマイボールラインアウトからモールで押し込み、ゴール前へ。10フェーズを重ねたあと、最後はSHソナタネ・タクルアがゴールポスト下に潜り込んで7点を返し、フランスの17-7で前半を終えた。

10点差で迎えた後半は、トンガは細かいパスを繋いで前進、フランスは隙をついて一気に駆け上がるという展開自体は変わらなかったが、その攻防がさらに激しくなった。

マリエトア・ヒンガノ

トライを決めたCTBマリエトア・ヒンガノ

先に点を取ったのはトンガだった。後半6分、自陣10m内側で行われたフランスボールのラインアウトからのこぼれ球をタクルアが拾って右に展開。右サイドでパスを受けたWTBクーパー・ヴナがディフェンスの背後に大きく蹴り込み、そのボールをCTBマリエトア・ヒンガノがワンバウンドで処理してインゴールへ。ゴールも成功して17-14。フランスのリードはわずかに3点になった。
しかし、そのあとトンガがつまらないミスを犯してフランスにPKを与える。後半11分と18分、立て続けにヌタマックにPGを決められ、23-14と再びリードを広げられてしまった。
ほぼ勝負が決まったと思われた後半38分、トンガがトライを返し(ゴール成功)、23-21と2点差まで詰め寄ったが、キックオフのボールをフランスに奪われ万事休す。フランスが辛くも勝利を手にした。

フランスの出来はそれほど悪くなかったが、初勝利に懸けるトンガの気迫がみなぎっていたこのゲーム。お互いにハンドリングエラーなどミスが目立ったものの、熊本のラグビーファンは大いに満足したに違いない。
フランスは12日(土)、プールC1位の座を懸けてイングランドと対決。一方、トンガは13日(日)、初勝利を懸けてアメリカと戦う。ともにこの日に劣らぬ好ゲームが繰り広げられることを期待したい。

文:真鍋 雅彦

【ハイライト】ラグビーワールドカップ2019 プールC フランス vs. トンガ

© Rugby World Cup Limited 2019

真鍋 雅彦

真鍋 雅彦

フリーライター。1957年大阪府生まれ。父の影響で小学生の頃からラグビーに親しむ。大学卒業後、ベースボール・マガジン社勤務を経てフリーランスに。主にラグビー、野球、ゴルフなどの原稿を執筆。2014~18年、キヤノンイーグルスWEBページのオフィシャルライターを務める。

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