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10月5日(土)は、「死の組」プールCで首位のイングランド代表と、3位につけている前回大会ベスト4のアルゼンチン代表が激突する。
イングランドは初戦でトンガ代表に35-3、続くアメリカ代表には45-7と快勝し、いずれも4トライ以上のボーナスポイントを獲得。勝ち点10でプール首位に立っている。
ただ、これまでの2戦は格下相手で、さらにインドア(札幌・神戸)でのゲームだった。残りの2戦はティア1のチームと激突するが、10月に入っても湿度の高い、蒸し暑いコンディションの中での試合が予想される。
エディ・ジョーンズHC(ヘッドコーチ)はアメリカ代表戦から9人の先発を変更した。ケアで欠場していたPR(プロップ)マコ・ヴニポラ、BK(バックス)のジャック・ノウェルはベンチに入った。
SH(スクラムハーフ)ベン・ヤングスはこの試合で92キャップとなり、元イングランド代表SO(スタンドオフ)ジョニー・ウィルキンソンを超えることになる。リザーブのPRダン・コールも出場すれば同じく92キャップ目となる。
ジョーンズHCは、「キックはラグビーにとって大切ですが、この大会は特にそうです。暑さと湿気でボールが滑りやすく、そのためスペースを見つけるためにはキックが重要」。
「先発するアルゼンチンのSOベンジャミン・ウルダピジェタはフランスで何年もプレーしていて、非常に良いキックを持っています。土曜日はここがポイントになってくるでしょう」。
「アルゼンチンは非常にスクラムを強化してきました。しかし、イングランドもスクラムは強力な武器です」と相手を警戒しつつも自信をのぞかせた。
また、バックローはFL(フランカー)トム・カリー、サム・アンダーヒル、NO8(ナンバーエイト)ビリー・ヴニポラと、平均年齢24歳の若いコンビネーションになったことについては、「トムとサムのフィジカルは、コンテストが多くなるアルゼンチン相手には有用だし、2人とも素晴らしいパフォーマンスを見せてくれています」
「ビリーは世界でもトップクラスのNO8です。そして兄のマコがいることで、弟のビリーのパフォーマンスも上がるでしょうし、若い選手たちを落ち着かせることができます」と説明した。
キャプテンのCTB(センター)オーウェン・ファレル は、SOジョージ・フォードとのコンビネーションについて聞かれると、「チームのためになれば良いので、背番号は気にしていない」。
「アルゼンチンには突破力があり、ディフェンスもできるCTBが揃っているので、それに対応しないといけない。どんなコンディションでもどんな相手でも戦える準備はしてきた」ときっぱりと答えた。
一方のアルゼンチン代表は、初戦はフランス代表に前半大きくリードを許し、後半巻き返して逆転するも、フランスのSOカミーユ・ロペスのDG(ドロップゴール)で再逆転され、21-23で惜敗した。2戦目のトンガ代表戦では28ー12で勝って、現在勝ち点6で3位につけている。
マリオ・レデスマHCは、トンガ戦代表からNO8をトマス・レザーナからハビエル オルテガ・デシオに替えた1名の変更のみにとどめた。
ハットトリックを決めたHO(フッカー)フリアン・モントーヤが先発し、「イングランドはつまらないラグビーだ」と発言して物議を醸したベテランのHOアグスティン・クレービーはリザーブスタートとなった。また、2015年大会の得点王SOニコラス・サンチェスはメンバー外となった。
レデスマHCは「今回の試合は私たちにとってワールドカップの決勝と同じです」。
「エディ(・ジョーンズ・イングランドHC)は、4年間ずっと優勝すると言い続けています。確かにその通りで、素晴らしい選手が揃っていて強いチームです」。
「しかし、イングランド代表が私たちを簡単にうち負かすことはできないでしょう。この試合に勝って決勝トーナメントへ進む。自信は今までのハードワークに裏打ちされています。失うものはありません」と意気込んでいる。
キャプテンのFL(フランカー)パブロ・マテーラも「アルゼンチンはこの4年間、「ハグアレス」(ジャガーズ)でスーパーラグビーを戦ってきました」。
「そこでオールブラックスのCTBソニー ビル・ウィリアムズのようなワールドクラスの選手と常に戦える環境を与えられました。この経験は大きい」とスーパーラグビーの経験が自信を与えていると説明した。
イングランドとアルゼンチンは過去23回の対戦で、イングランドが18勝1分4敗と大きくリードしており、2009年からはイングランドが9連勝中で、また、ワールドカップではイングランドは2戦2勝だ。
優勝候補の一角・イングランド代表が得意のセットプレーでプレッシャーをかけ、勝ってベスト8進出を確実なものにするか。
すでにフランス代表に負けているアルゼンチン代表がイングランド代表に土をつけて決勝トーナメント進出をたぐり寄せるか。
予選プールだが、トーナメント戦のようなフィジカルバトルとなることが必至の一戦は、10月5日(土)17:00に東京スタジアムでキックオフされる。
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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