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10月2日、プールCの一戦、「フランス×アメリカ」が福岡県・東平尾公園博多の森球技場で行われる。
イングランド、フランス、アルゼンチンという強豪3チームが顔を揃える“死の組”プールCの中でも、最も過酷なゲームとして注目を集めた「フランス対アルゼンチン戦」で、23-21という僅差で勝利を収め、ベスト8進出に一歩近づいたフランス。アルゼンチン戦から中10日とリカバリーの時間はたっぷりあったが、先発メンバーを12人も入れ替えてきた。おそらく、中3日で迎える次戦のトンガ戦のことも考えてのことだろう。
2試合連続で先発に名を連ねているのは、LOで出場していたアルテュール・イトゥリア(アメリカ戦ではFLで登録)、先制トライをマークしたCTBガエル・フィクー、そしてWTBヨアン・ユジェの3人のみ。チームの精神的支柱、キャプテンのギエム・ギラドも今回はリザーブに回っている。
アメリカ戦出場メンバーで注目したいのは、22歳のアントワーヌ・デュポン、20歳のロマン・ヌタマックという若いHB陣に代わって登場するSHマクシム・マシュノー(28歳)、SOカミーユ・ロペズ(30歳)のベテランコンビ。ロペズはアルゼンチン戦で12分の出場ながら、決勝のドロップゴールを決めるなど、技術はあるし、ゲームを読む力にも長けている。この2人がアメリカをどのように料理しようとしているのか?
また、フランスでは最多のキャップ数(78キャップ)を誇るルイ・ピカモールも楽しみな選手の1人。前試合は20分のみの出場だったが、今回はたっぷり時間があるだけに、豪快な突進が何度も見られそうだ。
一方、初戦でイングランドに完敗したアメリカは、15人中9人が前試合と同じ。イングランド戦でケガをした若きPRデヴィッド・アイヌーと、ラフプレーで3試合出場停止となったジョン・クイルが使えないことを考えると、ほぼベストメンバーといえよう。
南アフリカ出身のゲイリー・ゴールドHCのもと着実に強化が進んできたといわれていたアメリカだったが、メンバーを落としてきたイングランド相手に何もできなかったことは相当ショックだったに違いない。
しかし、今回対戦するフランスとの間には絶対に埋められないほどの差があるとは思えない。FWには激しいコンタクトが持ち味のHOジョー・タウフェテエやNo.8キャメロン・ドランがいるし、BKにも英セール・シャークスの司令塔として活躍するアイルランド出身のSO、AJ・マギンティや、キャップ50越えを誇るキャプテンのWTB(FB)ブレイン・スカリー、セブンスの代表も兼ねるWTBマーティン・イオセフォらタレントが揃っている。
しかも相手は、メンバーを落としたフランス。この試合に勝つことによって、失い欠けた自信を取り戻したいところだろう。
フランス優勢の下馬評を覆すつもりはない。しかし、イングランド戦で最後まで諦めずに戦っていたアメリカの闘争心を思うと、番狂わせの可能性がゼロではないような気がするが、果たして――。
文:真鍋 雅彦
真鍋 雅彦
フリーライター。1957年大阪府生まれ。父の影響で小学生の頃からラグビーに親しむ。大学卒業後、ベースボール・マガジン社勤務を経てフリーランスに。主にラグビー、野球、ゴルフなどの原稿を執筆。2014~18年、キヤノンイーグルスWEBページのオフィシャルライターを務める。
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