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205㎝のルード・デヤハー活躍 南アフリカが控え選手主体で快勝 ラグビーワールドカップ2019 南アフリカ vs. ナミビア
村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一アフリカ大陸の隣国同士の戦いは優勝候補の一角である南アフリカが実力を見せつけた。9月28日、愛知県の豊田スタジアムには、36,449人の観衆が集った。試合前には、日本代表のアイルランド戦勝利が伝えられ大いに沸いた後でのキックオフだった。
実力差は明らか。ナミビアの健闘が期待された試合だが、午後6時45分のキックオフ直後から南アフリカは激しくナミビアにプレッシャーをかけた。まずは、WTBスブ・ンコシが、ナミビアSOクライヴェン・ルーバーのタッチキックをチャージする。気の緩みはまったくないことを表明するようなチャージだった。ラインアウトからモールを押し込み、BKラインにボールを展開すると、FBウォリック・ヘラントが大幅ゲイン。その後は、身長205㎝のLOルード・デヤハーらが突進したが、ナミビアFLマックス・カッティエコがボールに絡むと複数の選手でボールを抱え、モールのターンオーバーを勝ち取る。
圧倒的な力の差を感じさせながら得点できない南アフリカは、前半9分、スクラムでナミビアの反則を誘い、PKからのタッチキックでゴールラインに迫る。ゴールライン5m手前のラインアウトからモールを押し込み、HOボンギ・ンボナンビが先制トライ。14分には、FLフランソワ・ローがトライを加えて、12-0とする。劣勢のナミビアは、16分、NO8アドリアーン・ブイセンが相手のパスをはたき落とす「デリバレイト・ノックオン」(故意のノックオン)のペナルティーでシンビン(10分間の一時退場)となり、14人で戦うことを余儀なくされる。直後、南アフリカはラインアウトからのモールで、HOンボナンビがトライし、19-0と差を広げた。
ナミビアが一矢報いたのは、前半23分のことだ。自陣22mラインからの攻撃で、CTBのJC・グレイリングが抜け出し、連続攻撃で初めて相手陣へ。ここで南アフリカのディフェンスラインにオフサイドがあり、SOルーバーが距離のあるPGを決めて、19-3とした。しかし、ナミビアの得点はこれが最後だった。前半を31-3で折り返した南アフリカは、後半も攻撃の手を緩めず、後半7分、相手キックを自陣でキャッチするとカウンターアタックを仕掛け、ヘラントがトライ。最終的には57点までスコアを伸ばした。
レギュラー選手は休ませての試合だったが、代わって出場した選手たちがボール争奪局面でも激しくプレッシャーをかけ、勤勉に走り、層の厚さを見せつける快勝だった。本来はHOながらNO8を務め、キャプテンとしてもチームを引っ張ったNO8スカルク・ブリッツは試合中、笑顔でチームメイトを鼓舞。「最高のパフォーマンスと、信じられない観客の声援だった」とコメントも弾んだ。試合直後は両チームに声をかけ、観客席に向かって整列してお辞儀をし、大きな拍手を浴びていた。プレーヤー・オブ・ザ・マッチ(最優秀選手)は、LOルード・デヤハー。15回のボールキャリー(ボールを持っての突進)はチームNO1。ラインアウトも10回のキャッチがあり、際立つ活躍だった。
南アフリカのヨハン・エラスムスヘッドコーチのコメントは次の通り。「勝ちたかったので、ゲームプランに固執した。(10月4日の)イタリア戦は、ベスト8に残れるかどうかが決まる戦いになる。今日の勝利がその弾みになるだろう」。
【ハイライト】南アフリカ vs. ナミビア ラグビーワールドカップ2019 プールB
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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