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9月28日(土)、ラグビーワールドカップは3試合が行われた。予選プールCでは、それぞれ2戦目となるアルゼンチン代表と
代表が東大阪市花園ラグビー場で激突した。初戦となった9月21日(土)の東京スタジアムでは、予選プール初戦でフランス代表と戦った「ロス・プーマス」こと、アルゼンチン。
後半、追い上げたものの、前半の失点が響いて、21-23と敗戦。だが、7点差以内の敗戦で、ボーナスポイント1は獲得した。
アルゼンチンのマリオ・レデズマHC(ヘッドコーチ)は、HO(フッカー)アグスティン・クレービー、SO(スタンドオフ)ニコラス・サンチェスらをベンチに下げ、フランス戦から先発メンバー4人を入れ替えて臨んだ。
一方のトンガも、初戦は22日(日)に札幌ドームでイングランド代表にノートライに抑えられ、3-35と敗れた。
こちらもトップリーグでもプレー経験のある、SOカート・モラスがケガのため代表離脱を余儀なくされるなど、同じく4人の選手を変更して臨んだ。
プールCには準優勝3回を誇るフランス代表、優勝候補の一角・イングランド代表も入る「死のプール」とも呼ばれており、決勝トーナメントに進出するためには、お互いに負けられない試合となった。
試合は序盤からランキングで格上のアルゼンチンペースで試合が進む。前半7分、ラインアウトからのサインプレーでSH(スクラムハーフ)トマス・クベリ、HOフリアン・モントーヤとつないで右隅にトライ。
難しい角度のゴールを、フランスのトップ14で活躍するベテランSOベンジャミン・ウルダピジェタが決めて、7-0と先制する。
さらに17分、トンガのミスを足にかけてアルゼンチンが敵陣に攻め入り、ラインアウトモールから再びHOモントーヤが押さえて14-0。
続く21分、相手のパスミスをキャッチしたWTB(ウィング)サンティアゴ・カレーラスが、50mを走り切って中央にトライ、21-0と大きくリードする。
アルゼンチンの攻撃は止まらず、25分にはゴール前の近場からまたしてもHOモントーヤが押さえて28-0と大きく突き放す。これでモントーヤはハットトリック達成となり、アルゼンチンは4トライ以上のボーナスポイントを得た。
トンガもようやく30分、キックチャージからチャンスをつかみ、FB(フルバック)テルサ・ヴェアイヌが押さえて中央にトライ、SHソナタネ・タクルアのゴールを決めて28-7。
ロスタイムにもトンガは相手陣に攻め込んだが、惜しくもゴールラインを割ることができず、28-7とアルゼンチンの大量リードで前半を折り返した。
後半、お互いになかなか得点が奪えない拮抗した状況が続いた。やっと26分、トンガがスクラムを起点に右に展開し、途中出場のWTBクーパー・ヴナのオフロードパスからFBヴェアイヌが右隅に押さえてトライ、12-28と追い上げに成功する。
追加点が欲しいアルゼンチンも33分、途中出場のSOニコラス・サンチェスがPG(ペナルティゴール)を狙うも外してしまった。
結局、後半は、互いに決定力を欠いたが、試合は前半4トライを挙げたアルゼンチンが28-12でノーサイドを迎えた。プレイヤー・オブ・ザ・マッチにはハットトリックを挙げたアルゼンチンのHOモントーヤが選出された。
敗れたトンガのトウタイ・ケフHCは、「前半終了間際のトライはペナルティトライだと思った。あれが取れていればもっとやれたかもしれない」。
「それにしてもスキルの欠如とミスコミュニケーションで悪いスタートになった。それでも白旗をあげるべきところを諦めないのが選手たちのキャラクラーだ」と悔やみつつも選手たちをねぎらった。
ヤマハ発動機でのプレー経験のあるキャプテンのCTB(センター)シアレ・ピウタウは、「ティア1のチームにヘッドスタートさせてしまったら結果はこうなる。それでも2トライをあげたし、自分たちのフィジカルには自信を持ちたい」と前を向いた。
アルゼンチンのレデズマHCは、「前半は良かったが、後半はそうではなかった。今日のパフォーマンスではイングランド代表には勝てない。ミスタックルやハンドリングエラーなどは決して犯すことができない」。
「(イングランドの)エディー(・ジョーンズHC)はこの4年間、ワールドカップで優勝すると言い続けている。我々は挑戦者だ」と、すでに次へと気持ちを切り替えた。
これで総勝ち点を6とし、プールCで2位につけたアルゼンチンは10月5日(土)、東京スタジアムで首位に立つイングランド代表に挑む。
一方、いまだ勝ち点を挙げられていない、最下位のトンガは10月6日(日)に熊本でフランス代表と相見える。
文:斉藤健仁
【ハイライト】アルゼンチンvs.トンガ ラグビーワールドカップ
(c) Rugby World Cup Limited 2019
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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